事業保険を利用して退職金を確保する

保険の節税効果

退職金を法人保険を利用して用意するメリットとは?

法人保険で退職金
法人が契約者となり、役員や従業員を被保険者とする保険を法人保険といいます。
この法人保険には下記のようなメリットがあります。

■役員の現役中の死亡や高度障害、就労不能状態の保障
■現役を引退する時の退職金の準備
■従業員の福利厚生や退職金の準備
■経理処理においての節税効果


しかし、ただ法人保険を契約すればいいというわけではありません。

■何の目的でその保険を契約するのか
■いつまでその保障が必要なのか


この2つを十分考えて契約しなければ、せっかくの法人保険も効果が薄くなってしまいます。
そのようなことにならないよう、当記事では法人保険での退職金準備を1つの例として解説していきます。


必見!法人保険で退職金を用意すべき理由

法人保険で退職金を用意すべき理由は3つあります。
順番に紹介していきます。


資金繰りに悪影響を与えずに済む

事業をしていると常に業績が良い時ばかりではなく、必ず良い時と悪い時の波があるはずです。
業績が悪くなってくると下記のことが苦しくなってくると思います。

■仕入や給与の支払い
■法人保険の保険料
■銀行などからの借入


このような状況になった場合に、解約返戻金がある法人保険があれば面倒な手続きもなく、資金を調達することができます。

具体的な方法は、契約者貸付制度の活用をすることです。契約者貸付制度とは、各保険会社で定められた解約返戻金の割合を限度に借入をすることができる制度です。

あくまでも貸付になりますので金利はかかりますが、審査もなく手続きが簡単で使い道に制限がなく借入することができる為、非常に使い勝手の良い制度といえます。

この制度は利息分は支払わなければなりませんが、元金を毎月返済していくものではありません。そのため、制度を活用して資金繰りを安定させ、資金繰りに余裕ができた時に所定の手続きによって元金を返済することになります。


損金算入により節税効果が発生する

法人保険の大きなメリットとして、節税効果があるということがまず魅力を感じるところです。

保険の種類にもよりますが、「全額損金」「1/2損金」「1/3損金」「1/4損金」など、保険料の全部または一部を経費として処理することができます。
法人保険料を経費処理することによって、利益を圧縮し税金の支払いを少なくすることができます。


事業の保証金となる

法人保険料の一部を損金とする契約において、損金としていない部分に関しては資産計上となります。従って、その保険契約を解約するか満期になるまでは会社が保有する資産となるわけです。

決算が近くなり、その年は赤字になりそうな場合には保険契約の一部または全部を解約して解約返戻金を受取り、赤字を補填することができます。つまり、資産を売却することと同じ意味になります。


退職金メインの時の選び方とは?

ここでは、退職金を目的とした保険選びのコツについて触れていきます。


返戻率のピークに合わせて保険は選ぶ

返戻率のピークとは解約返戻金が増加していき、1番解約返戻金が多い時期の事をいいます。ピークは通常1~2年程度しかなく、そこを過ぎてしまった解約返戻金は急激に減少していきます。

この返戻金のあるタイプの法人保険が、定期保険や逓増定期保険です。

これらの法人保険は毎月または毎年解約返戻金が積立られていきますが、契約後一定期間を経過するとある年度を境に解約返戻金は減少していき、満期までくるとそれまで積立てられていた解約返戻金は0円になってしまいます。

退職金準備の場合、被保険者である法人役員の退職予定時期に返戻率のピークが来るよう、契約の時に把握した上で法人保険の種類を選ぶ必要があります。


払い続けられる掛け金を選択すべし

退職金の準備のための契約ともなれば、法人保険の契約は長期間の契約となる場合がほとんどです。

長期間法人保険保険料を払込みしていかなければならない為、保険期間中に業績が悪くなる年もあるかと思います。その場合は、契約者貸付制度や減額や解約で対処が可能ですが、それでは計画から外れて当初の目的の退職金準備に支障が出てしまいます。

そのようなことが極力無いように、契約時から業績が悪化した時のことを考え、払込し続けられる保険料を設定して退職金の準備をしていくことが大切です。

法人保険は損金の参入割合で保険料が大きく変わります。「1/2損金」よりも「1/3損金」の方が保険料は高くなりますし、「1/4損金」ともなればさらに高くなります。そのことも考えた上で無理のない保険料で退職金準備のための法人保険を選ぶことが大事です。


損金額と利益額のバランスをチェック

100万円利益が出た際に、その全額を損金処理できる法人の生命保険を契約するとします。その場合、次の年に50万円しか利益が出なかった場合には、逆に赤字になってしまいます。

そうなってしまうと、銀行などから借入するときに借入が難しくなるなどの不利益が生じてしまう可能性があります。

法人生保を契約するときには次の点に注意します。

■一過性の利益は見ない
■通常営業してどのくらい利益が出ているのか把握
■業績が悪い時にはどのくらい利益が残るのかを考える


これらから、損金額と利益額のバランスを考えなければなりません。長期的な契約になりやすい退職金準備のための法人保険ならばなおさらバランスが大事になってきます。


返戻率で選ぶ法人保険解説

ここでは、どのような人にどの保険が向いているのかを説明していきます。


長期平準定期保険は若い役員向け

長期平準定期保険は、契約期間が20年以上かつ特に退職金準備の為の長期契約に向いている法人保険です。

長期平準定期保険における法人保険の場合には、満期を60歳や70歳と設定するというよりも満期を100歳にして、長期に契約するのが一般的です。法人の役員退職は従業員の定年とは違い、特に中小企業の法人では定年を定めていないケースが多くあります。

この場合に満期を60歳や70歳としてしまうと、満期となった時点で解約返戻金が0円となってしまいますので、退職金準備目的の法人保険が意味を持たなくなる可能性が出てきます。

自身の退職時期が不透明な若い法人役員であっても、返戻率のピークと解約返戻金減少のタイミングが遅い長期平準定期保険の選択をおすすめします。

何故ならいざ退職を考える時期が来た時でも、退職金の資金にあたる解約返戻金がまだ増加中の時期にあることが多くなるからです。


逓増定期保険は高齢の役員向け

逓増定期保険は、短期間の契約に向いている法人保険です。

契約の仕方によっては返戻金のピークを契約から5~6年後や10~13年後などに合わせて契約することができます。

契約時に退職時期や退職金の金額を設定することになる為、高齢で自身の退職時期・退職金額を考えている法人役員には逓増定期保険が向いています。


養老保険は従業員向け

養老保険は、従業員の福利厚生や退職金の準備に向いている保険です。それぞれの従業員の年齢から、会社が定める定年までの期間を保険期間として2つの保障が可能です。

■定年までの期間
⇒福利厚生としての死亡保障

■定年時
⇒退職金の保障

この従業員を被保険者とした養老保険契約を「ハーフタックスプラン」と呼びます。
従業員の年齢や保険期間によって一人ずつ保険料が違います。従業員は定年時期が決められている為に、養老保険が向いているといえます。


まとめ:目的と会社の状況をみて、戦略的に生保は選ぶべき

生命保険の法人契約は、「いつ」「何のために」「どのくらい必要か」を考えることが一番大切です。
何故ならその目的によって選ぶべき法人保険種類が違うからです。

「一時的に儲かったから」や「単純に勧められたから」など短絡的な選択では、大きなメリットが期待できる法人保険契約でもその効果を得られなくなる可能性があります。また、過大な保険料によって赤字になるような法人保険契約ともなればデメリットの方が大きくなってしまいます。

退職金を準備する為の法人保険契約であれば、満期が来たときには利息分に対して税金もかかることになります。また、銀行などの積立系商品である定期積金も、ほとんどの場合積立期間が最長5年間で損金処理もできないというデメリットもついてきます。

ですので、退職金の準備には法人保険が適しているといえます。長期間の運用が必要で損金処理で節税対策ができるからです。

目的別にプランを選ぶ戦略的な法人保険選びをして、法人保険のメリットを最大限に生かした保険契約を選んでいくことをおすすめ致します。
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