NECは誰もが知る大手IT企業ですが、サイバーリスクについても法人向けソリューションを展開しています。


ただし、NECが直接保険を引き受けるものではなく、企業のサイバーリスクへの備えを包括的に支えるという形です。一部のサービスは保険を付帯する形での提供も行っていますが、サイバー保険単体とは異なる見方が必要です。


本記事では、NECのサイバー保険関連ソリューションについて、どのような支援が受けられるのか、どんな企業に向いているのか解説します。


あわせて、一般的なサイバー保険とどう違うのかも比較するので、サイバーリスクへの備えを検討している方はぜひ参考にしてください。

NECは保険会社ではなく、対策・監視・事故対応を含む支援を提供

まず押さえておきたいのは、NECはサイバー保険の引受会社ではないという点です。NECは保険金を支払う立場ではなく、サイバー攻撃に対する防御・監視・分析・事故対応支援といったセキュリティサービスを提供しています。


保険については、損害保険会社と連携し、自社のセキュリティサービスにサイバー保険を付帯する形で取り扱ってきた実績があります。


NECの支援を利用することで、サイバー保険だけでなく、リスク対策やその運用、事故発生時の対応体制まで構築可能です。事業規模が大きく、包括的な支援を受けたい企業に適しています。

一部サービスで保険付帯型の提供がある

NECは保険専業ではありませんが、セキュリティ対策サービスに損害保険会社のサイバー保険を付帯する形で提供してきた実績があります。


具体的には、2017年に東京海上日動と組んだ「ActSecureサイバー攻撃初動対応支援サービス」、2018年にトレンドマイクロ・三井住友海上と共同開発した「仮想パッチ機能を使ったサーバ脆弱性対策サービス」が代表例です。


いずれも、セキュリティ対策の利用料に保険料が含まれる設計であり、利用企業は個別にサイバー保険を契約しなくても、サービスの一部として費用補償を受けられる仕組みです。

商品によっては販売停止になっている場合があります。最新の販売状況は、NECの公式サイトやお問い合わせ窓口でご確認ください。

「保険だけ入りたい企業」と「対応体制まで整えたい企業」で選び方が変わる

サイバー保険を検討する企業の目的は大きく2つに分かれます。


保険料や補償範囲を比較して、まず費用補償を確保したい企業であれば、損害保険会社のサイバー保険を直接契約するほうがシンプルです。セキュリティ対策や初動対応も付帯サービスに含まれますが、NECのような総合支援型の商品と比べるとやや小規模になります。


一方、平時の対策や初動対応を重点的に備えたい企業には、NECのようにセキュリティサービスと保険を一体で提供する形が選択肢に入ります。


自社の企業規模や現状のセキュリティ体制、取り扱う情報の量や質など、複数の要因を踏まえて適切な商品を選びましょう。

NECのサイバー保険関連ソリューションで提供される3つの領域

NECのサイバー保険関連ソリューションは、次の3つの領域で構成されています。

  • 事故を防ぐための平時の対策支援
  • 事故発生時の初動対応や調査支援
  • 事故時の費用負担に備える保険付帯や保険連携

一般的なサイバー保険が主に3つ目の費用補償を担うのに対し、NECは1つ目と2つ目の領域をサービスの軸に据えています。

平時の対策支援|脆弱性対策・監視・リスク可視化

サイバー事故の多くは、既知の脆弱性が放置されたまま攻撃を受けることで発生します。


NECは、仮想パッチによるサーバ脆弱性対策、外部公開資産の把握(ASM)、リスクの可視化、監視体制の整備といった分野で支援を提供しています。


こうした平時の対策は、保険に加入するだけでは手に入りません。サイバー保険を検討するときこそ、補償の有無だけでなく、こうした「事故そのものを減らすための取り組み」もあわせて確認することが重要です。

事故発生時の対応支援|初動対応・調査・フォレンジック

サイバー事故が発生すると、被害の拡大防止、原因調査、証拠保全、再発防止策の策定と、短時間で多くの判断と作業が求められます。


NECでは、グループ会社のNECセキュリティ(旧インフォセック)をはじめとする専門チームを通じて、フォレンジック解析やインシデント対応支援を提供しています。


保険に加入していても、連絡先がわからない、調査を依頼する先が決まっていない、初動が遅れて被害が広がる、といった事態は少なくありません。NECのソリューションなら、万が一のとき、迅速にかつ正確に事態収拾へ動ける体制を構築できます。

費用補償の備え|保険付帯サービスや保険連携

サイバー事故では、復旧費用、フォレンジック解析費用、外部専門家への依頼費用、損害賠償金などが想定を超えて膨らむことがあります。費用面の備えとして、保険の役割は欠かせません。


NECの場合、保険会社のように単独で保険を提供するのではなく、自社のセキュリティサービスに保険を付帯する形でカバーしています。たとえばサーバ脆弱性対策サービスでは、1事故あたりフォレンジック解析300万円、賠償金600万円までの補償が含まれています。

NECの保険付帯型ソリューション

NECが提供してきた保険付帯型ソリューションには、現行のサービスと過去の代表例があります。共通しているのは、保険を単独で販売するのではなく、セキュリティ対策や事故対応と一体で設計している点です。


ここでは、現在(2026年3月時点)で確認できる現行商品と、過去に販売されていたサービスの代表例を紹介します。

ここでは、公式サイトからわかる範囲の情報を紹介しています。実際の商品内容や販売の有無は、都度最新情報をご確認ください。

【現行商品】サーバ脆弱性対策サービス|保険付帯で事故時費用に備える

サーバ脆弱性対策サービスは、2018年にNEC・トレンドマイクロ・三井住友海上の3社が共同開発したサービスです。


トレンドマイクロの「Trend Micro Deep Security」を活用した仮想パッチ機能により、正規パッチの即時適用が難しいサーバの脆弱性を補います。NECがクラウド型の管理サーバを提供するため、利用企業側での構築・運用負荷が小さい点も特徴です。


このサービスには三井住友海上のサイバー保険が付帯されており、万一の被害発生時にはフォレンジック解析費用や賠償金が補償されます。脆弱性対策という「防ぐ仕組み」と、保険という「費用負担への備え」がひとつのサービスに組み込まれている代表例です。

【過去の代表例】ActSecureサイバー攻撃初動対応支援サービス

ActSecureサイバー攻撃初動対応支援サービスは、2017年にNECと東京海上日動が共同で開発したサービスです。


サイバー攻撃の発見時にNECのセキュリティ要員がPCを調査し、24時間以内に初動対応を完了する仕組みでした。深刻なインシデントが判明した場合は、グループ会社のサイバーディフェンス研究所(CDI)によるフォレンジック解析が実施され、その費用は東京海上日動のサイバー保険で300万円まで補償されました。


現行の主力サービスではありませんが、NECが2017年の時点から初動対応と保険を組み合わせるアプローチを採っていたことを示す事例です。

NECの現行サイバーセキュリティ基盤「CyIOC」とは

2025年11月、NECは次世代のサイバーセキュリティサービスとして「CyIOC(サイオック)」の提供を開始しました。


CyIOC自体に保険機能はありませんが、サイバー攻撃の予兆把握から能動的な防御、インシデント対応支援までを包括的にカバーする点が特徴です。


サイバー保険が「事故後の費用補償」を担うのに対し、CyIOCは「事故を起こさない・被害を最小化する」ための運用基盤として機能します。

CyIOCのサービス概要

CyIOCは、NEC独自の脅威インテリジェンスと自社開発の生成AI「cotomi」を組み合わせ、インテリジェンス駆動型のサイバーセキュリティとして開発されているサービスです。新設されたCyber Intelligence & Operation Centerを司令塔とし、セキュリティ製品のアラート分析だけでなく、ダークウェブや地政学リスクに基づく脅威情報の収集・分析まで行います。


第一弾として提供されている「CyIOC Cyber Security Protection Package」は、監視・分析、防御、一次対処を支援するマネージドセキュリティサービスです。従来のアラート対応型と異なり、未知の攻撃の兆候を早期に検出し、影響範囲や資産への被害を高精度に特定する能動的な運用を目指しています。


サイバー保険との関係で見ると、サイバー事故の発生確率を下げ、被害の拡大を防ぎ、初動を速めることで、保険が必要になる場面そのものを減らすことにつながります。

相性がよいのは多拠点・グローバル展開企業

CyIOCは、日本に加え、APAC・EU・米国の4拠点で24時間365日の監視・運用体制を整備する計画です。そのため、複数拠点を持つ企業やグループ会社を抱える企業、海外拠点を含めたセキュリティガバナンスを強化したい企業との相性が特によいと考えられます。


こうした企業では、拠点ごとに対策や対応の質がばらつきやすく、監視や初動対応の一元化が課題になるためです。保険に入るだけでは埋まらない運用面の課題を抱えている企業ほど、NECのような支援型サービスの価値を実感しやすいでしょう。

まとめ

NECのサイバー保険関連サービスは、保険そのものを前面に出すサービスではありません。平時の脆弱性対策やリスク可視化、事故発生時の監視や初動対応、そして一部サービスでのサイバー保険付帯を組み合わせることで、企業のサイバーリスク対策を総合的に支えています。


保険証券を持つだけで終わりにせず、セキュリティの運用体制や初動対応まで含めて重点的に整えたい企業にNECは向いています。


費用補償だけを求めるなら損害保険会社のサイバー保険を直接契約するほうが早いですが、対策・対応・補償を一体で備えたいなら、NECのソリューションを検討してみましょう。

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