
中小企業から大企業、個人事業主まで、サイバー攻撃や情報漏えいの問題は避けられないリスクです。取引先情報の管理、メールの誤送信、不正アクセスによる業務停止など、さまざまな形で被害を受ける可能性があります。
そのため、最近は「自社でサイバー保険に入るべきか」「カード付帯の補償でどこまで備えられるのか」を気にする企業も増えています。なかでもJCB法人カードの会員が気になるのは、JCBのサイバー保険関連サービスでしょう。
JCBでは、法人カード会員向けの総合支援サービスとしてサイバー対策を案内しています。単独の保険商品ではありませんが、事故前の備えからトラブル発生時の相談、一定範囲の損害賠償責任保険まで包括したサービスなので、基本的な備えを持ちたい企業に分かりやすい仕組みです。
この記事では、JCBの「サイバーリスク総合支援サービス」でどのような支援・補償を受けられるのか、わかりやすく解説します。自社のサイバー対策の入口を探している方は、ぜひ参考にしてください。
JCB「サイバーリスク総合支援サービス」は支援+保険の包括サービス
JCBのサイバー保険関連サービスは、「保険単体」の商品ではなく、「支援サービス+損害賠償責任保険」のセットになっています。
商品名称は「JCBサイバーリスク総合支援サービス(損害賠償責任保険付)」といい、東京海上日動が提供するTokio Cyber Portをもとに、法人カード会員向けに提供されています。
損害賠償責任保険のほか、簡易リスク診断や情報・ツール提供、電話相談、専門事業者紹介などで構成されており、事故前後を通じて支援を受けられる点が特徴です。
対象カード一覧
サイバーリスク総合支援サービスの対象となるのは、以下のJCBカードを保有している企業・個人です。
- JCB法人カード
- JCB法人デビットカード
- JCB CARD Biz
- Biz ONE(ゴールドのみ)
- 商工会ビジネスプラスカード
利用を検討する際は、「自分のカードが対象かどうか」を最初に確認しておくことが大切です。
JCBサイバーリスク総合支援サービスで受けられる主な支援と付帯保険
JCBサイバーリスク総合支援サービスでは、事故前の備えから事故後の相談まで一通りの入口が用意されています。
- 簡易リスク診断サービス
- 情報・ツール提供サービス
- トラブル発生時の電話相談サービス
- 専門事業者紹介サービス
- 損害賠償責任保険
サイバーリスクに対して包括的な備えを確保できるため、専門部門がない企業でも最初の一歩を踏み出しやすい点がメリットといえます。
以下、各支援・補償の内容を解説します。
簡易リスク診断サービス
簡易リスク診断サービスは、ヒアリングシートをもとに、自社のセキュリティ体制にどのようなリスクがあるか、事故が起きた場合にどの程度の被害が想定されるかを確認できるサービスです。
サイバー事故の影響は、業種や取り扱う情報、取引先との関係によって大きく変わります。保険に入るかどうかの判断材料としてだけでなく、自社の弱点を把握し、優先的に備えるべきポイントを見つけるためにも活用できます。
情報・ツール提供サービス
情報・ツール提供サービスは、平時の備えに役立つ各種資料が提供されます。インシデント対応フロー、従業員向けの教育テキスト、情報誌、メールマガジンなどが含まれており、社内の基礎的な体制づくりに活用できます。
サイバー対策は、メールの誤送信や不審な添付ファイルへの対応など、日常業務に関わる従業員全体の意識が重要です。そうした観点からも、社内教育や初動手順の整備に使いやすい支援といえます。
トラブル発生時の電話相談サービス
トラブル発生時の電話相談サービスでは、ウイルス感染やネットワーク接続の不具合に対する初期アドバイス、リモートサポート、重大トラブル時の専門的な助言を受けられます。
サイバー事故では、初動の遅れや判断ミスが被害の拡大に直結します。自社だけでは対応の判断が難しい場面で、すぐに相談できる先があることは、特に中小企業にとって心強い安心材料となるでしょう。
専門事業者紹介サービス
専門事業者紹介サービスでは、サイバーリスク関連の業務に特化した事業者を紹介してもらえます。
以下は、相談できる業務例です。
- セキュリティコンサルティング
- 脆弱性診断
- ログ監視
- 駆けつけ支援
- 調査・応急対応支援
- コールセンター設置支援
JCBが無料で実働対応まで引き受けるわけではなく、専門事業者への依頼は有料が基本ですが、事前対策や事後対応の体制構築に役立つサービスです。
損害賠償責任保険
JCBサイバーリスク総合支援サービスは、付帯保険として第三者に対する法律上の損害賠償責任の補償を受けられます。
サイバー攻撃に起因する損害賠償責任に対して、一定範囲内の補償がされます。
- 他人の事業の休止または阻害
- 他人のデータやプログラムの滅失・破損
- 情報の漏えいまたはそのおそれ
上記のような事例により、第三者から損害賠償を請求された場合の備えとして活用可能です。
ただし、軸はあくまで損害賠償責任に関する補償なので、フォレンジック調査費用や事業中断損失は含まれません。
また、補償限度額はカードのランクで異なります。
- 一般カード:50万円
- ゴールドカード:75万円
- プラチナカード:100万円
サイバー保険の損害賠償は高額になりやすいため、実際の費用に対して全額補償されるとは限らない点に注意が必要です。
販売終了した「上乗せサイバーリスク保険」とは?
JCBサイバーリスク総合支援サービスには、任意加入で補償を手厚くする「JCB法人カード会員向け上乗せサイバーリスク保険」というサービスがありました。
しかし、この上乗せサイバーリスク保険は、2025年9月30日をもって販売終了しています。同様の割引価格で加入できるサイバーリスク保険も案内されていますが、こちらも2026年3月31日までとなっています。
先述の通り、JCBサイバーリスク総合支援サービスの損害賠償責任のみが補償対象であり、上限額も50万円~100万円と決して高くありません。自社/自事業の規模や想定リスクを踏まえ、補償として十分な金額か検討するようにしましょう。
より広い補償が必要な場合の選択肢
より高額かつ広範囲の補償を確保したい場合、JCBのサービス単体より、保険会社が販売しているサイバー保険に加入することをおすすめします。
保険会社のサイバー保険なら、賠償責任だけでなく、事故対応の費用(フォレンジック調査・広報・システム復旧・問い合わせ窓口設置など)まで補償されます。また、オプションで休業期間の利益損害や、代替システムなどの営業継続費用もカバー可能です。
また、リスク診断や情報提供、専門家紹介なども付帯サービスで提供している商品もあるため、JCBに近い支援体制を構築できます。
サイバーリスクは、企業の規模や業種によって必要な補償が異なります。自社が抱えるリスクを検証したうえで、幅広い選択肢から「本当に必要な補償」を見極めましょう。
まとめ
JCBのサイバー保険関連サービスは、法人カード付帯の「総合支援サービス」です。簡易リスク診断や専門事業者紹介などに加え、損害賠償責任の補償を確保できます。
ただし、事故対応費用などサイバーリスクの典型的な損失には対応しておらず、損害賠償責任補償の上限額も低めです。自社にとって必要なのが「最低限の備え」になるのか見極め、必要に応じて別途サイバー保険への加入も検討することをおすすめします。
なお、保険会社や代理店に相談すれば、リスク分析から適切な保険選びまで、経営状況に寄り添ってアドバイスを受けられます。自社のリスク対策に不安がある経営者やIT担当者は、ぜひ「保険の専門家」に相談してみましょう。
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