会社経営者向けの医療に関する保険を企業で契約

法人保険の種類

法人向け医療保険の保障内容と経営者のメリットを徹底解説!

医療保険は、個人だけでなく法人に対しても重要です。特に法人経営者の立場では、医療保険は福利厚生・事業保障の面で非常に役立ちます。

一部の法人を除き、どんな法人でも従業員には社会保険加入が義務付けられており、その中には「健康保険」や「労災保険」「年金保険」「失業保険」が含まれています。しかし、法人経営者の場合は「労災保険」と「失業保険」は含まれません。

つまり、法人経営者にとっての病気やケガのリスクを保障するのは民間の「医療保険」だけということになるのです。となると、「医療保険について知る」ということがかなり重要になります。 また、医療保険による保険金は、経営者・役員などの事業の根幹を握るメンバーに万が一のことがあった時、事業保障のための資金にもなります。

このように、医療保険は経営者自身の保障だけでなく、事業を行う上での大きな支えとなります。当記事で、医療保険について、理解を深めていきましょう。


まずは目的を決める!法人向け医療保険の選び方

医療保険は、経営者にとって非常に重要な保険です。しかし、保険に加入する際には、自分の目的に合った保険を選ばなければ、十分に活用できません。

ここでは、法人が医療保険に加入する際、どのような目的で選べばよいかを考えてみます。


事業保障が目的の場合

最初に、皆さんが最も気になる保険金額についてお伝えしておこうと思います。

現在、どの保険会社でも「入院日額」の上限がほぼ2万円に決まっており(個人・法人を問わず)、30日入院した場合(手術なしでも)、合計60万円の保障を受けられます。

手術をした際に受け取ることができる手術給付金については、保険のプランや手術の種類にもよって大きく違うので、保険契約時に確認が必要です。


さて、事業保障を目的にする場合には、保険金を使って経営者が亡くなったあとの業績低迷をカバーしたり、死亡後の後継者が決まるまでの事業資金を補ったりすることが主な狙いとなります。

法人が事業保障を目的として医療保険に加入する場合は、まず「有期(定期型)」か「無期(終身型)」かのどちらかを選ぶことになります。有期とは、法人経営者が退職する年齢までの期間を指します。仮に60歳で勇退するなら”60歳満期”、70歳勇退ならば”70歳満期”の医療保険を選択します。

また、「35歳で法人経営者となって、20年間経営する」という場合は”20年満期”と設定することもできます。このような満期のある医療保険「医療定期保険」「医療保険定期型」と呼びます。

定期保険は、途中解約をしても解約返戻金がありません。そのため、税制上全額損金扱いとなり、法人によっては「定期型の医療保険で保障を手厚く、なおかつ節税効果をあげたい」というケースから申し込まれる方も少なくありません。

事業保障を目的とした場合、医療保険の契約形態は、以下のようになります。

契約者 = 法人
保険の対象者 = 経営者・役員
給付金受取 = 法人


この契約形態の場合、入院や手術給付金が法人に支払われることになるため、病気やケガで休んでいる法人経営者や役員の稼ぎ分を医療保険から捻出することが可能になるのです。これが事業保障を目的にした加入方法です。

ここで注意すべき点は、給付金は益金計上になるので税金がかかるということ。ただし、この給付金分を個人へと支払った場合は損金計上となります。

「給付金分を個人へ支払う」というのは、たとえば、入院見舞金としてある程度の金額を個人に支払うことなどを指します。この場合には、支払い分は損金計上となるので、法人税がかからなくなります。


福利厚生が目的の場合

福利厚生を目的として医療保険に加入することは、法人経営者や役員本人だけでなく、一般従業員にも法人負担で医療保険に加入することを意味します。

ここで問題となるのは、「誰を医療保険加入とし、誰を未加入とするのか」ということでしょう。保険会社によっては「社員全員加入」を前提とするところがありますが、実際には全員加入の規定はありません。しかし、医療保険を福利厚生としてうまく活用したいのであれば、会社できちんと加入の規定を作る必要があります。

具体的に会社で作成しなければならないのは、「福利厚生規定」というものです。「役員以上」「入社10年以上」などとグループを決め、社内告知して福利厚生の一環として制度化します。

もし、このような基準なく一部の社員のみ医療保険加入を行っていた場合は、福利厚生のための制度とは認められず、税務上損金扱いが認められなくなるので注意しましょう。税務上の処理に関しては、以下のページで詳しく解説しているので、参考にご覧ください。



福利厚生として医療保険に加入する際、「定期型」と「終身型」のどちらかを選ぶ必要があります。どちらも解約返戻金なしの医療に特化したタイプで、掛け捨てであることから保険料を安く抑えられます。

定期型の場合は定年(60歳、65歳、70歳など)までで、仮に保険加入のまま途中退社した場合に個人名義の医療保険として個人に渡すことが可能です。方法としては、契約者が法人から個人、給付金受取も法人から個人へと変更手続きを行えば完了です。

法人から個人、個人から法人へ資産を持ち運びができることから、このような保険の変更制度は「ポータビリティ」と呼ばれています。


名義変更によるメリットもある

さきほど、掛け捨ての定期型医療保険には、医療保障のポータビリティというメリットがあるとご紹介しました。しかし、ポータビリティ制度があったとしても、定期型医療保険はあくまで「企業在中期間にメリットがある保険」と言えます。例を挙げて見てみましょう。

仮に、22歳から35歳まで勤めた社員が、勤続10年目で法人負担の医療保険に加入したとします。そして、法人負担の医療保険に加入する前には、すでに個人で医療保険に加入をしていると想定します。この場合、退職後にポータビリティ制度を活用するかどうかは迷うでしょう。

何故なら、既に個人保険に加入している社員にとって、今まで法人が負担してくれた医療保険を、退職後に個人負担で続けるメリットがあまりないからです。

ところが、法人役員も一般従業員も”退職金付き医療保険”のポータビリティとなると、話は別となるのではないでしょうか。

退職金付き医療保険というのは「短期払い医療保険」のことです。短期払いとは、保険期間は終身型という一方、保険料の支払い期間は60歳で終了するなど、短い期間で保険料の支払いを終えることを指します。

支払期間の満了を60歳に設定した場合、保険料は法人が先払いしてくれており、60歳以降に退職した社員は個人で医療保険の保険料を払うことはありません。つまり、60歳以降は保険料を払わずに一生涯の医療保障を手にすることができるのです。

短期払い医療保険の特徴は、解約返戻金があることです。通常60歳払い終了の場合、支払い保険料総額のほぼ60%程度の解約返戻金が用意されています。そのため、個人で医療保険に加入しているなどの理由で、法人負担で加入していた医療保険を個人負担で継続する必要がない場合には、個人に名義変更をしてから解約をすれば、解約返戻金を受け取ることができるのです。

このように、解約返戻金を退職金代わりにできるというのが、「退職金付き医療保険」の仕組みになります。名義変更の手続きは、法人役員・従業員とも退職時に法人から個人への契約者変更、給付金受取人変更を行うだけです。

ただし、ここで注意したいのが、この場合の保険料は全額資産計上となるという点です。そのため、損金扱いにはならず、節税効果は期待できません。

一方、この場合のメリットとして、医療保険の解約返戻金部分の9割を借り(返済しなくてもオーバーローンとはならない)、自由に使うことができるという点があります。かつ、医療保障はそのまま残るので、保険を解約せずに資金を調達することができます。

ここでご紹介した名義変更については、下記のページで詳しく説明しています。名義変更に興味のある方は、ぜひご覧ください。




全額損金処理できる終身型の医療保険

ここで、よく質問を受ける事例を紹介します。

それは「短期払いの終身医療保険が全額損金にできないのか?」という点です。医療保険に加入し、保障とともに節税効果も得たいと考えている場合には、損金に注目することが多いためでしょう。

これに対する答えとしては、「支払う期間によって損金比率が変わる」です。

全額損金になるのは、法人が支払う保険期間が10年程度の短いケースです。この場合は解約返戻金がほとんどありません。

保険会社は通常15年、20年保険料を支払ってもらいその積立で保険金の支払に当てます。 法人契約の場合は10年保険も少なくないのですが、一生涯使える保険の原資を10年で積み立てるにはそれ相応の保険料が必要です。

損金計上できるメリットはありますが、保険料が高すぎると資金繰りに悩むことになるので注意しましょう。



代表的な法人向け医療保険を紹介

ここまでご紹介してきた通り、医療保険は目的によって向いている保険タイプが違います。簡単におさらいすると、下記のようになります。

事業保障を目的としている場合:定期型の医療保険
福利厚生を目的としている場合:定期型終身型もどちらも向いている
福利厚生&退職金代わりにもしたい場合:終身型の短期払い込み

ここからは、定期型、終身型、終身型短期払い込みの3つのタイプごとに、代表的な医療保険商品を紹介していきます。いずれも、法人向け保険に強い保険会社が扱う商品なので、参考に法人保険加入の参考にしてみてはいかがでしょうか。


定期タイプ:大同生命「総合医療保険Mタイプ」
大同生命は、国内生保の中では、伝統的に中小企業に強い法人保険が主力です。 総合医療保険Mタイプの特徴は、以下の通りになっています。

・単位給付金額1万円プランが基本
・1入院60日型と180日型から選べる
・日帰り入院も支給
・災害、疾病いずれも入院給付金通算は1,095日分
・無配当入院初期割増給付特約で、最初の2週間は1日2万円の入院給付金

「総合医療保険Mタイプ」は基本が終身型ですが、定期タイプは「5年満期」「10年満期」「◯歳満期」があり、わかりやすくシンプルな商品でおすすめと言えます。

また、大同生命が法人に強い理由は税理士や社会保険労務士、司法書士などとのネットワークが強く、税理士の勧めで医療保険に加入するケースも散見されます。


終身タイプ:アフラック「ちゃんと応える医療保険EVER」
個人保険のイメージが強いアフラックですが、法人向けの保険も扱っています。 「ちゃんと応える医療保険EVER」の特徴は、下記のようになっています。

・単位給付金額1万円プランか5千円プラン
・1入院60日型
・日帰り入院も支給
・災害、疾病いずれも入院給付金通算は1,095日分

特約がいろいろありますが、法人契約とした場合はシンプルにしていた方が経理上手間が少ないのでおすすめです。


短期払い終身タイプ:ソニー生命「総合医療保険」
ソニー生命では伝統的にこの医療保険が販売されており、1入院5,000円程度で短期払いのコストパフォーマンスが良い(解約返戻金=退職金に使える)ことで知られています。特徴は以下の通りです。

・単位給付金額は自由設定
・1入院60日型、120日型など4種類
・入院初期給付特約を付けて日帰り入院も支給
・災害、疾病いずれも入院給付金通算は1,000日分

現在ではこの手の商品を扱う保険会社は少ないので、役員のみで加入する場合は特におすすめと言えます。

また、ソニー生命の営業担当者は法人に対してこの医療保険を積極的に勧めることはまずなく、医療保険は解約返戻金の少ない商品(低解約返戻金)を勧めることが多くなっています。

「解約返戻金の多いもの」という条件で医療保険を探してもらいましょう。


まとめ:医療保障を選ぶ際は内容が重要

医療保険についてご紹介してきましたがいかがでしたか?

最後に1つ切り口を変えた医療保険の利用方法も紹介します。


「会社内の士気を高める」目的で保険に加入するのもアリ

勤続年数の長い人への褒賞の意味で医療保険に加入するケースです。この場合は、社員の定着率を高めるうえでも大きなアドバンテージでしょう。「定期医療保険」を選ぶならば保険期間は定年までで、保険料は法人が負担するため全額損金扱いになり、節税効果もあります。

法人経営者や役員にとっての医療保険は事業保障の面が強いことは、すでに説明したかと思います。ですが、その家族にとっても、法人契約の保険があることは安心感が高まります。

また、「終身医療保険」を有期払いか終身払いかで選ぶ場合は、特に解約返戻金があるか無しかという点も大きなポイントです。有期払いは保険料が全額資産計上ですが、法人経営者や役員の個人負担なしという点は魅力的でしょう。

医療保険は、立場によってメリットがあるかデメリットがあるかをよく考えて加入するのがおすすめです。そして、加入をする際には契約者変更(法人→個人)に関して保険会社がすぐに応じてくれるような、手際のいい保険会社を選ぶのがポイントだと言えます。

医療保険の法人加入の大きな目的は、「事業保障」と「福利厚生」です。法人、経営者、役員、一般社員の誰をターゲットにするかをよく考え、目的と内容を明確にして、最適な保障の医療保険を選択していきましょう。

忙しい経営者ほど「保険のプロ」に相談し、保障と節税効果を得ています。
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法人保険のメリットを最大限享受するためには、専門家の知識をもとに保険を選ぶことがベスト。

目的に合った法人保険を選ぶには、会社の経営計画や保険料、損金、解約返戻金など、様々な要素をいっぺんに考える必要があります。この複雑さが、皆様の頭を悩ませる大きな原因でしょう。

当サイトでは、そんな皆様のお悩みを解決するため、保険や税の専門知識をもつ法人保険のプロが、本当に最適な保険を選ぶための力になります。ぜひご活用ください。


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