生命保険の法人契約を考えるときには、まずどんなメリットがあるのかをおさえておく必要があります。

よくある失敗例も理解したうえで、法人保険を捉えていく姿勢を持つことが大切です。法人保険として扱われるものの種類や、加入時の注意点についても把握してみましょう。

自社に適した生命保険に加入をすることは、企業存続にとって重要な施策です。企業経営者にとって、どんなときに法人保険が役立つのかを詳しく解説していきます。

6つのメリットをもつ生命保険の法人契約

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法人保険に加入するメリットは複数あり、自社の状況に合わせて活用していくことが大切です。

1. 経営者・役員に万が一が起きたときの死亡保障

法人保険は、経営者や役員に万が一のことが起こったときの死亡保障になります。

特に中小企業においては、経営陣に事故が起こった場合に経営そのものが不安定になりやすく、将来的なリスクに備えておくことが大切です。

2. 退職金の準備に活用できる

退職金制度を整える方法はいくつかあるものの、法人保険に加入しておけば解約返戻金を退職金にあてられる点もメリットです。

ただし、解約返戻金の水準は商品や解約時期で変わるため、資金の使い道(出口)と合わせて検討しましょう。

3. 課税の繰延ができる(損金算入)

法人が支払った保険料は損金に算入できるため、当期の課税所得を圧縮できます。

解約返戻金とセットで考えれば、「貯蓄しながら当期の税負担を減らす」という状況を作れます。

ただし、解約返戻金や保険金は益金として課税されるため、あくまで「課税タイミングの先延ばし」である点には注意が必要です。

また、保険の種類や契約内容によって損金算入ができないもしくは制限される(損金ではなく資産計上する)ので、加入前に確認しておきましょう。

4. 従業員の保障をまとめて備えられる

法人保険のなかには従業員向けの保険商品もあります。従業員が死亡した際に弔慰金が支払われる団体保険です。

従業員の家族の生活をサポートする仕組みを用意することで、安心して働ける環境づくりにつながります。採用や定着の観点でも検討しやすい点がメリットです。

加入条件(告知・診査の扱い、加入年齢、対象範囲など)は商品・保険会社で変わるため、見積り時に条件を確認しましょう。

5. 資金繰りの選択肢を増やせる(契約者貸付制度)

法人保険は、安定的に事業を継続していくための備えとして活用できる場合もあります。一時的な要因で会社の資金繰りが悪化したときに、資金調達方法のひとつの手段となるためです。

保険会社によっては「契約者貸付制度」を設けている商品があります。解約返戻金の範囲内で資金を借りられる仕組みで、条件次第では通常の借入より有利な条件で借りやすい点がメリットです。

ただし、貸付の上限や利率、返済方法は保険会社・契約内容で変わります。利用前に契約内容(約款・しおり等)で条件を確認しましょう。

6. 事業承継の資金準備に役立つ

法人保険は、事業承継の局面で必要になりやすい資金の確保に役立ちます。

事業承継では、後継者に自社株を買い取ってもらうなど、まとまった資金が必要になります。資金調達がうまくいかないと、経営権を移譲するタイミングもずれ込んでしまうかもしれません。

たとえば、後継者が自社株等をまとめて相続するために、ほかの相続人へ代償交付金を支払う必要が出てくるケースもあります。法人保険の設計次第では、代償交付金の支払いに備える選択肢にもなります。

あらかじめ法人保険に加入して解約返戻金を用意しておくことで、資金需要に備えやすくなります。

後継者の負担が相続時に大きくならないようにするためにも、法人保険の仕組みを目的に合わせて活用してみましょう。

デメリットを理解するのも重要

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法人保険はさまざまな種類があり、保険会社によって仕組みも異なっています。

目的が曖昧だと、メリットを活かしにくい

たとえば、逓増定期保険は解約返戻金のピークをどこに設定するかによって、備えとして用いる意味合いも違ってきます。

「とりあえず、法人保険に入っておけば大丈夫」といった考えで加入をしてしまうと、保険のメリットを活かせないばかりか、かえって経営の負担になる場合もあります。

保険選びを間違えないためには、「加入する目的」を明確にしておくことが欠かせません。

法人保険に加入する目的としては退職金の積立や事業承継への備えなど、さまざまな目的があるでしょう。

自社を取り巻く経営環境を把握したうえで、「何が一番、経営リスクとなるのか?」を考えてみることが大切です。

保険料負担と資金繰りのバランス

万が一のときのための保険なので、不測の事態が起こったときにうまく機能するようにしておきましょう。

一方で、法人保険は掛け金も高額になりやすいため、自社の財務基盤が耐えられるのかを検証することも重要です。

無理のない範囲の掛け金で、自社の経営リスクをできるだけ取り除く保険選びを心がけてみましょう。

解約返戻金の受取りタイミングと税務

保険を損金算入している場合、解約返戻金を受け取るタイミングで繰延べた税負担がまとめて課税される場合があります。

解約時の課税負担を抑えるためには、解約タイミングと資金用途を明確にしておくことが大切です。

「10年後には後継者に事業を譲りたい」「引退後の退職金として保険を活用したい」といった目的があれば、出口設計と合わせて検討しやすくなります。

よく使われる保険とは?

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法人契約の保険は多くの種類があるものの、代表的な保険についておさえておくことは肝心です。

退職金準備を意識するなら

まず「養老保険」は生命保険の一種であり、死亡保険金と満期保険金の2つの性質を帯びているのが特徴だと言えます。

満期保険金の受け取りを想定するなら、将来に向けた退職金として備える考え方もあります。

法人契約で養老保険に加入したときの経理上の処理は、死亡保険金受取人と満期保険金受取人を誰にするかで変わるため、契約時に取扱いを確認しましょう。

なお、受取人の設定や契約形態によって、保険料の扱いは異なります。福利厚生として設計する場合は、規程整備や運用実態も含めて検討することが大切です。

万が一の事業保障を厚くするなら

「逓増定期保険」は保険期間の満了までに、保険金額が増加する設計を持つ定期保険です。

退職金の準備や会社の財務基盤の安定を意識して検討されることがあり、引退のタイミングや資金用途などを踏まえて設計します。

保険料の損金算入割合は、契約内容(最高解約返戻率など)によって扱いが変わるため、加入時に取扱いを確認しましょう。

また、解約返戻率のピークを過ぎると受け取れる金額が目減りしていくため、出口設計を合わせて考えることが大切です。

福利厚生や医療リスクに備えるなら

「がん保険」は、がんの治療に特化した保険です。

がんと診断されたときの一時金に加えて、手術費用や入院費用、通院費用などが保障されます。税務上の取扱いは契約形態や商品で変わるため、加入時に確認しましょう。

また、解約返戻金の有無や水準も商品によって異なります。福利厚生として導入する場合は、保障内容と保険料負担のバランスを見て検討しましょう。

安心して働ける環境を整えることは、業務に対する意欲を高めることにもつながります。

一口に法人保険と言っても多くの種類があるため、「どういった経営課題に備えるのか?」という視点を持っておくことが大切です。

必要以上に保険に加入すると保険料負担が重くなってしまい、逆に何も備えていないと万が一のときに身動きが取りづらくなる場合もあります。

自社を取り巻く経営環境を見定めたうえで、無理のない形で法人保険を捉えていくことが重要です。

いろいろ役立つ生命保険の法人契約

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労災・傷害保険も含めて備える

会社はビジネスを行う場所であり、労務に関わる範囲も広くなります。業務上の責任について、経営者がすべてをカバーするのは簡単ではありません。

従業員は万が一のときに労災保険で補償を受けられますが、「経営者や役員は基本的に労災保険の適用範囲から外れているため、独自に対応していく必要があります。

中小企業であれば、経営者や役員も労災保険に特別加入をすることができます。ただ、いくつかの要件を満たす必要があり、労災保険料のほかに入会金や年会費といった費用が発生する場合もあります。

役員を守る保険の選択肢

国が行っている労災保険とは別に、民間の保険会社が行う役員傷害保険というものがあります。労災保険の特別加入で費用対効果が薄いと感じる場合には、加入を検討してみるのもいいでしょう。

労災保険と同等か、それ以上の補償を設計できる商品もあり、経営者や役員に何らかの事故が発生した場合の備えとなります。

最後は「自社に合う形」で選ぶ

企業にとって、経営者や役員は欠かせない存在です。補償がないまま労働災害に遭ってしまうと、会社経営そのものに大きなダメージを与える可能性もあります。

従業員の雇用を守るという意味でも、経営者や役員自身の補償もしっかりと考えておくことが大切です。

民間の保険会社が行う役員傷害保険では、労災保険にはないさまざまなメリットを受けることができます。特に労務や税務に関する無料相談やストレスチェックなど、経営者や役員をサポートする付帯サービスが充実している保険会社もあります。

さらに、労災保険に上乗せした補償を行うことで、従業員にとっても福利厚生の充実につながる設計が可能です。

たとえ現在、労災保険の特別加入に入っていたとしても、民間保険を比較してみることは有益です。

保険料や受けられる保障内容を確認したうえで判断していく姿勢が重要です。経営者や役員の勤務実態や負担可能な保険料などを多角的に見ながら、必要な保険の加入を検討してみましょう。

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