会社の福利厚生制度を充実させることは、所属する従業員の満足度を高めるうえでも重要です。
誰しも「会社から大切にされている」といった意識が生まれることで、仕事に対するモチベーションも大きく変わってくるでしょう。
ただし、制度を導入するにあたっては、従業員のニーズをうまく汲み取る必要があります。多くの資金を投入して制度を整えても、利用されなければ意義が薄くなってしまうものです。
そこで、ここでは従業員満足度につながりやすい福利厚生を7つ紹介します。優先順位は従業員属性や働き方(出社/在宅)によって変わるため、社内アンケートなどでニーズを確認しながら検討するとよいでしょう。
それでは早速見ていきましょう。
働きやすい会社はESが高い!おすすめ福利厚生7選
従業員満足度向上のために欠かせない福利厚生。自社でも福利厚生を充実させたいけれど、どれが良いのかわからない…という方も多いでしょう。
今日では、各社ユニークな福利厚生を導入し、従業員満足度を高める努力をしています。
※ES:従業員満足度(Employee Satisfaction)のこと。
企業にとって欠かせない福利厚生には大きく以下の2つがあります。
「法定福利厚生」
→雇用保険、労災保険、健康保険などを会社が一部負担するもの
「法定外福利厚生」
→住宅手当や通勤費など、企業が任意で提供する福利厚生
今回は後者の法定外福利厚生の中から、導入しやすく利用されやすい例を7つ紹介していきます。
① 住宅手当

住居の安定化を図りたい従業員は意外と多いものです。住宅手当や家賃補助といった制度を設けることで生活の安定につながり、結果的に業務パフォーマンスの向上が期待できます。
税務上の取扱いとしては、住宅手当(現金支給)は給与とみなされるため、課税対象となる点には注意が必要です。各種手当は法律によって定められたものではないため、金額の大小や名称などに一律の決まりがあるわけではありません。
一律同額にする、上限額を設ける、家賃の一定割合までとするなど、支給ルールを決めて運用している会社が多いといえます。
また、従業員が自ら借りた住居への手当だけでなく、社員寮・社宅(借上社宅を含む)という形で支援する方法もあります。社宅・寮の貸与は、従業員から一定額の家賃を受け取るなど要件を満たすことで、給与課税の取扱いが変わる場合があるため、社宅規程や家賃設定も含めて検討しましょう。
社員寮・社宅を設けるメリットは、職場に近い場所に設置できるため、業務上の問題が発生したときに従業員が職場に駆けつけやすい点が挙げられます。
さらに、職場に近い場所に社員寮・社宅を設けることで、通勤手当を圧縮できるケースもあります。
ただし、通勤手当は一定の範囲で非課税となる一方、住宅手当(現金支給)は課税になりやすいため、どちらをより手厚くするかはバランスを考える必要があります。従業員の意見も聞きながら、自社に合った仕組みを検討してみましょう。
② 昼食補助

毎日の昼食代は、従業員にとって意外と負担になりやすいポイントです。
職場の近くに飲食店が少なければ、昼食の選択肢が限られ、食事内容に偏りが生まれやすい面もあります。そうしたときに、格安あるいは無料で昼食を食べられる社員食堂があると便利でしょう。
また、昼食補助があることで助かると感じる従業員は少なくありません。従業員の健康面に配慮し、栄養バランスを考えた食事を提供することは、福利厚生としてシンプルで取り組みやすい施策です。
税金や社会保険料の負担が増えると手取りが減るため、毎日かかる昼食代を抑えたいと考える従業員も一定数います。食費負担への配慮は、経営者として押さえておきたいポイントだといえるでしょう。
昼食補助の経理処理と注意点
昼食補助は、内容によっては経理上「社内飲食費」(福利厚生費)として扱える場合があります。
社内飲食費として取り扱うためには、従業員自身が食事価格の半分以上を負担していることなどの要件があります。会社負担額は、1か月当たり3,500円(消費税および地方消費税の額を除きます。)以下であることが目安です。
これらの要件を満たすことで福利厚生費として計上できる可能性が高まります。経理処理が適切でない場合、税務調査で指摘を受け、追徴課税につながるおそれがあるため注意しましょう。
また、社内飲食費に該当するのは社内食堂などで支給する食事の材料費や、会社が購入して用意する仕出し弁当などの購入代金が中心です。弁当代として現金支給を行った場合は、給与とみなされるため福利厚生費として計上できない点に注意が必要です。
従業員が外食すること自体はあり得ますが、社内飲食費として扱うには原則として現物支給である必要があります。
従業員が食事代を立て替えた場合には、領収書を預かって精算を行うなど、運用ルールを決めておくと安心です。社員食堂の整備が難しい場合は、弁当宅配サービスや代行業者サービスの利用も検討するとよいでしょう。
③ 法定外の健康診断
会社が年に一度行っている健康診断とは別に、人間ドックなどの検査を実施したい場合、法定外の健康診断として費用を支援することもできます。
法定外福利厚生とは、法律で義務づけられているもの以外で、会社が任意で用意する福利厚生のことです。会社としても、従業員の健康面に配慮することは、長期的に見れば有益になり得ます。
健康診断の検査費用を高額だと感じる従業員は多いため、会社として費用を補助することで、満足度の向上につながることがあります。
特に、働き盛りである中高年の従業員が多い職場では、健康面に気を配っておくことは大切です。定期健康診断ではカバーしにくい部分を法定外の健康診断で補うことで、安心して働ける職場環境づくりにもつながります。
※人間ドック等の費用補助は、対象者が特定の人に偏る場合などは課税関係が問題になることがあります。対象範囲や支払方法(会社から医療機関へ支払う等)も含め、税務上の取扱いを確認して運用しましょう。
④ 法定以上の育児・介護休暇
従業員が育児休業や介護休業を取得できることは、法律によって定められています。育児・介護休業法では、所定外労働や時間外労働の制限、短時間勤務制度、深夜業の制限などが規定されています。
女性従業員だけではなく、男性従業員の制度活用も進んでおり、事業者側は要件を満たす申出があった場合に対応が必要となります。また、制度利用を理由とした解雇や不利益取扱いは認められません。
法律は最低限の基準を設けているため、それ以上の休暇日数や独自の支援制度を設けることは、会社の判断で行えます。従業員のニーズに合わせて制度を整えることで、満足度の向上につながるでしょう。
最新の要件を確認し、就業規則・社内制度に反映する
育児・介護休業法は改正が続いており、企業に求められる対応(制度の周知、取得しやすい環境づくり等)も更新されています。施行時期や企業規模で対応が変わることもあるため、最新情報を確認したうえで、就業規則や社内制度を整備しましょう。
⑤ 特別休暇
特別休暇制度は、会社が独自の理由を設けて従業員に付与する休暇のことを指します。従業員が仕事とプライベートを両立しやすくすることが、制度の趣旨として重要です。
特別休暇は法定外休暇にあたるため、福利厚生制度の一環といえるでしょう。特別休暇は会社によって種類も異なりますが、代表的なものとして以下が挙げられます。
- バースデー休暇
- リフレッシュ休暇
- 教育訓練休暇
- ボランティア休暇
- 裁判員休暇
十分な休暇を確保できると、仕事に対するモチベーション向上にもつながりやすくなります。
特別休暇は、法律で定められている年次有給休暇とは異なるため、運用ルールも会社ごとに設計できます。取得時期・利用目的・賃金の支払い・勤続年数への反映・次年度への繰り越しなどについて、社内で方針を決めて運用していきましょう。
会社独自の特別休暇を設けるときには、「なぜ導入するのか」といった目的を周知し、利用しやすい形で運用することが大切です。
⑥ 医療保障
従業員の健康面を意識する施策として、法人保険の福利厚生プランを検討する方法もあります。会社として保険に加入することで、従業員の医療費負担の軽減につながる場合があります。
医療保障を福利厚生に組み込む際のポイントやメリットをまとめました。
税務上の取扱いを踏まえると、コスト設計の選択肢になり得る
法人保険を福利厚生として活用する場合、保険種類や契約形態、対象者の範囲などによって、保険料の税務上の取扱い(損金算入の可否・計上方法)が変わります。
条件を満たす設計であれば、保険料をコストとして計上できる場合があり、結果として税負担の見通しを立てやすくなることがあります。
一方で、制度設計が特定の人に偏ると福利厚生として認められにくいこともあるため、対象者の範囲や社内規程の整備も含めて、税理士などの専門家に確認しながら検討しましょう。
掛け捨てタイプの医療保険であれば、月々の保険料を抑えやすく、会社としての負担を調整しやすいでしょう。もしものときに給付金や保険金が支払われる制度を整えておけば、従業員だけでなくその家族にとっても安心材料になり得ます。
社内規程の作成も同時に行う
医療保障を福利厚生として運用する場合は、安心して働ける職場づくりにつながり、業務に集中しやすい環境づくりにも役立ちます。
また、法人保険を福利厚生として活用する際は、社内で慶弔規程などを整備しておくと運用がスムーズです。給付金や保険金の受け取りが会社となる場合、見舞金の支払い方法や支払い時期などを明文化しておくことが大切です。
特に、死亡保険金の取扱いなどは、規程が不十分だと従業員の遺族とトラブルになることがあります。制度目的や運用が客観的に説明できるよう、規程と運用ルールを整備しておきましょう。
法人保険に加入する際は、従業員だけでなく経営者自身や役員のリスクにも目を向ける必要があります。経営者や役員に万が一のことがあれば、会社に与える影響は大きいでしょう。
不測の事態に備え、必要に応じて保障や資金準備の手段を確保しておくことは心強いものです。解約返戻金のある保険であれば、状況によって事業資金の選択肢になる場合もあります。加入目的や引退時期などを見極めたうえで、必要な保障を検討しましょう。
万が一の契約者貸付制度
法人保険によっては、必要なときに「契約者貸付制度」を利用できる場合があります。契約者貸付制度とは、解約返戻金の範囲内で保険会社から融資を受けられる仕組みです(上限や条件は契約・保険会社により異なります)。
取引先の倒産などで経営環境が悪化したときに、資金繰りの選択肢として検討されることがあります。利用条件や金利、返済方法は契約内容によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
解約返戻金の一部解約
会社の業績が振るわず赤字決算が見込まれるとき、保険の一部解約により解約返戻金を受け取るといった方法が選択肢になる場合もあります。
法人保険は福利厚生の充実だけでなく、状況によっては資金面の備えとして活用できることがあります。ただし、税務上の取扱い・解約返戻金の水準・解約時の影響などは契約により異なるため、定期的に内容を確認しながら検討することが大切です。
⑦ 社内イベント
社内イベントを定期的に行うことで、従業員同士の交流を図ることができます。業務以外での親睦を深めていけば、社内のモチベーション向上にも役立つはずです。
具体的な内容としては、社員旅行や社内運動会、バーベキュー大会やボウリング大会などが挙げられます。
また、会社が主導で決めるだけでなく、従業員の意見を取り入れて企画するのも一つの方法です。社内イベントを行うことで、年齢の異なる従業員同士の交流が生まれ、結果的に普段の業務でもコミュニケーションが円滑になるなどのメリットが期待できます。
なお、イベントへの参加・不参加は自由とし、できるだけ多くの従業員が参加しやすい内容を企画してみましょう。
7選を参考に福利厚生を考えてみよう!
ここまで紹介してきた福利厚生を参考にしながら、自社にとってどのような福利厚生制度が必要なのかを考えてみましょう。
大切なポイントは、従業員と会社の双方にとってプラスになるような制度設計を行うことです。経営陣が意欲的に導入した制度であっても、使い勝手が悪ければ本来の目的を果たしにくくなります。
また、福利厚生制度は原則として全従業員を対象とするため、財務面や規程の作成といった事務面も含め、運用まで見据えて準備しておきましょう。
自社の実情に合った制度を整えることが従業員満足度の向上につながり、業務パフォーマンスの改善も期待できます。
法人保険比較.netの
専門家マッチングサービス

- 法人保険を経営に活用したい
- いま加入している保険を見直したい
- 退職金制度や福利厚生を導入したい
- 事業承継や相続について考えたい
- 税金対策や財務戦略を相談したい
法人領域を専門とするコンサルタントが、業界の傾向や各種法規も踏まえて
"無料"で貴社に最適な保険プランを提案します。




















