生命保険に加入するときは、契約期間や保険料だけでなく「誰を受取人にするか」で迷うことも多いものです。

税金対策の目的や相続時のトラブル回避のためにも、保険の仕組みは押さえておきたいポイントです。

そこで本記事では、受取人にできる範囲と、受取人の違いで変わる税金の種類を整理したうえで、生命保険の非課税枠と相続税の基礎控除の計算方法を解説します。

生命保険を、必要な場面で無理なく活用できるようにしていきましょう。

あなたは該当?生命保険受取人になれる続柄

生命保険は、加入者に万が一のことがあったときに、残された家族の生活を守ることを目的としています。そのため、保険金を必要とする度合いが高い人から順に、受取人として指定できる範囲が設けられています。

加入者の一存で誰でも指定できるわけではなく、受取人として指定できる範囲は保険会社の取扱いによって異なります。

受取人の優先順位(原則)

一般的に、受取人として優先度が高いのは配偶者と、親・子どもといった一親等の親族です。

次に、祖父母・兄弟姉妹・孫などの二親等の親族が続きます。二親等内の親族がいない場合は、保険会社によって違いはあるものの、叔父・叔母、甥・姪などの三親等内の親族まで指定できることがあります。

親族以外が受取人になるケース

受取人は血族に限られるわけではありません。たとえば内縁関係の場合でも、同居期間や双方の婚姻状況など、保険会社が定める条件を満たせば受取人として認められることがあります

婚約者を受取人にする場合も、一定期間内の婚姻予定など、所定の条件が求められるのが一般的です

また、2015年に渋谷区で「パートナーシップ証明書」の発行が始まったことを契機に、同性パートナーを受取人として取り扱う保険会社も増えてきています。

通常と異なる事情がある場合は、必要書類や取扱いの確認を含めて、保険会社に相談しておくと安心です。

受取人を複数にする場合の注意点

保険金の受取人は、1人に限りません。たとえば子どもが2人いる場合は、2人とも受取人にして、受け取る割合を指定することもできます。

ただし、保険金請求の手続きでは、受取人全員の書類が必要になります。印鑑証明書や保険金受取請求書などが揃わないと、支払いまで時間がかかることがある点に注意しましょう。

受け取り時の手続きを簡素にしたい場合は、2,000万円の契約で受取人を2人にするのではなく、1,000万円の契約を2本に分ける、といった考え方もあります(受取人を1人ずつにできるためです)。

受取人の変更手続き

生命保険は加入期間が長くなりやすく、途中で事情が変わることも珍しくありません。受取人の変更は基本的にいつでも可能なので、必要が生じたら保険会社に連絡しましょう。

受取人の承諾は不要ですが、被保険者の承諾は必要になるのが一般的です。変更には、保険会社所定の受取人変更書類と本人確認書類などが求められます。新たな受取人が記載された保険証券の再発行ができる場合もあるため、必要に応じて依頼しましょう。

なお、受取人の変更を遺言で行うことも可能ですが、遺言書が法律上有効な形式であることが前提となります。通常より手続きに時間がかかることがあるため、可能であれば生前に変更手続きを済ませておくと安心です。

種類が変わる!受取人と税金の関係

生命保険金には税金がかかる場合がありますが、誰が契約者(保険料負担者)で、誰が受取人かによって、課税関係が変わります。

たとえば、契約者が夫で被保険者も夫、受取人が妻または子どもの場合は、相続税の対象になります。

一方、契約者が妻で被保険者が夫、受取人が妻または子どもの場合は、状況により贈与税が関係します。さらに、契約形態によっては所得税(一時所得等)が関係するケースもあります。

生命保険の契約時は、保険金額だけでなく「受取時にどの税目が関係するか」まで見通しておくことが大切です。

相続税の計算では、法定相続分が前提になる場面があります。参考として代表的な相続分は以下のとおりです。

配偶者血族相続人の相続分
父母兄弟姉妹
1/21/2
2/3
1/3
3/4
1/4

なお、生存給付金は、被保険者本人が受け取る形であれば非課税です(例:三大疾病保険金、介護保険金、身体障害保険金、リビングニーズ特約保険金など)。

ただし、被保険者が死亡した場合は、死亡保険金から生存給付金を差し引いた残額が相続財産として残る点には注意が必要です。

税金を見通すためには、「誰が保険料を実質的に負担したか」「誰が保険金を受け取るか」を整理しておくことが重要です。

被保険者は保障の対象となる人物であり、健康状態等を前提に引受判断がされるため、契約後の変更ができないのが一般的です。別の人に保険をかけたい場合は、新たに契約を結び直す必要があります。

契約者と被保険者は同じであることが多いものの、妻が契約者、夫が被保険者といった形もあります。税務上は、名義だけでなく保険料の資金の出どころ(実質的な負担者)が論点になる点も押さえておきましょう。

生命保険金は、被保険者が死亡した場合に現金として比較的早く受け取れる点も特徴です。相続では預金口座が凍結され、引出しに相続人全員の手続きが必要になることがありますが、生命保険金は受取人固有の請求権として扱われるため、資金確保の手段になりやすい側面があります。

どのような契約が必要か、受取時の税金や相続をどう考えるかは、家族で話し合って決めておくと安心です。

生命保険非課税分と基礎控除分の計算方法

死亡保険金は、相続税法上「みなし相続財産」として扱われます。

相続税の課税対象になり得る一方で、相続人の生活保障に配慮し、一定の非課税枠が設けられています。生命保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」です。

たとえば夫が亡くなり、配偶者と子ども2人が相続人であれば、法定相続人は3人のため、1,500万円まで非課税となります。

相続税には、生命保険の非課税枠とは別に、基礎控除があります。相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で、この範囲を超えた部分が課税対象になります。

なお、生命保険金の非課税枠は、あくまで要件を満たす相続人が受取人であることが前提です。子どもがいるのに孫を受取人にしている場合などは、非課税の対象外となることがあります。

また、被保険者が夫、契約者が妻、受取人が子どもの場合は、妻から子どもへの移転とみなされ、贈与税が関係することがあります。

贈与税には年間110万円の基礎控除があり、超えた部分に税率(10%~55%)が適用されます。受取人にどの程度の税負担が生じ得るか、事前に整理しておきましょう。

さらに、契約形態によっては所得税(一時所得等)が関係するケースもあります。税金が発生するのは原則として利益が出ている場合で、支払保険料と受取額の差(利益)が小さい場合は課税されないこともあります(一般的に一時所得には特別控除があり、一定額までは課税されません)。

また、保険金の受取に伴う申告時期は「支払事由が発生した時期」ではなく「実際に受け取った年」を基準に扱われることが多い点も、契約形態に応じて確認しておくと安心です。

一般的には配偶者か子どもが妥当

生命保険は、万が一のときに残された家族の生活を支える仕組みです。一方で、誰が保険料を負担し、誰を受取人にするかによって、税金が関係する場合があります。

契約時は、死亡時に受け取れる保険金額だけでなく、受取時の税目や非課税枠も踏まえて検討することが大切です。一般的には、受取人を配偶者か子どもにするケースが多いでしょう。

必要以上に高額な保険は、家計を圧迫する原因になります。また、受取人側の税負担が増える可能性もあるため、生命保険の非課税枠や相続税の基礎控除を意識しながら、必要額を試算しておくことが重要です。

重要なのは、契約者だけで決め切らず、家族でよく話し合っておくことです。財産を受け継ぐのは残された家族であり、納得感のある形で整理しておくことが、相続時のトラブル回避にもつながります。

状況に応じて、弁護士など外部の専門家の意見も交えながら、ご家庭に合った保険のプランを検討してみましょう。

\ 経営に役立つ保険プランを提案! /
法人保険比較.netの
専門家マッチングサービス
法人保険のプロに無料で相談できます!
法人保険のプロに無料で相談
  • 法人保険を経営に活用したい
  • いま加入している保険を見直したい
  • 退職金制度や福利厚生を導入したい
  • 事業承継や相続について考えたい
  • 税金対策や財務戦略を相談したい
中小企業から大企業まで幅広く対応!
法人領域を専門とするコンサルタントが、業界の傾向や各種法規も踏まえて
"無料"で貴社に最適な保険プランを提案します。
お申込はこちら