サイバー保険の導入を決めたものの、「申し込み手順がわからない」「見積もりの段階で何を準備しておくべきか整理できていない」と感じている方は多いのではないでしょうか。


サイバー保険は一般的な損害保険と比べて、セキュリティ対策状況の告知や補償条件の設計など、申し込み前に確認すべき事項が多い保険商品です。事前の準備が不十分なまま手続きを進めると、必要な補償が漏れたり、審査に想定以上の時間がかかったりすることもあります。


この記事では、サイバー保険の申し込みにおける一連の手順を段階的に解説。あわせて、見積取得に必要な情報の整理方法や、代理店・保険会社に確認すべきポイントについても整理します。


これからサイバー保険の見積もり依頼や契約手続きを進めようとしている担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

サイバー保険の申し込み手順フロー

サイバー保険の申し込みは、大きく分けて次の5つのステップで進みます。

  1. 自社リスクの確認と優先補償の整理
  2. 複数社への見積依頼
  3. 審査・告知
  4. 契約・証券確認
  5. 更新管理

全体の流れとしては、まず自社のリスク状況を把握して必要な補償の方向性を固め、複数の保険会社から見積もりを取得して比較検討したうえで、審査・告知を経て契約に至ります。以下、各ステップの詳細を順番に解説します。

手順1:自社リスクの確認と優先補償の整理

最初のステップは、自社にどのようなサイバーリスクがあり得るかを分析し、優先的にカバーすべき補償を整理します。この段階での検討が、後の見積もり依頼や補償設計の精度を左右します。


具体的には、以下のような観点で自社の状況を棚卸しします。

事業の基本情報
業種、年間売上高、従業員数など。
保有する個人情報・機密情報の量と種類
個人情報の件数やクレジットカード情報の取り扱い有無、取引先の機密情報の保有状況など。
現在のセキュリティ対策状況
ファイアウォール、EDR(エンドポイント検知・対応)、多要素認証(MFA)、バックアップ体制、従業員教育の実施状況など。

これらの情報をもとに、自社にとって優先度の高い補償種別(情報漏えい対応費用、業務停止損害、損害賠償、フォレンジック費用など)と、補償限度額の目安をまとめておきます。

手順2:複数社への見積依頼

自社のリスク状況と優先補償が整理できたら、見積もりを依頼します。この段階では、1社だけでなく複数商品の見積もりを依頼することが重要です。


サイバー保険は商品ごとに補償範囲や特約の設計、保険料の算定基準が異なります。複数の見積もりを比較することで、補償内容と保険料のバランスを客観的に評価できるようになります。


見積もりの取得は代理店を通じて行う方法と、保険会社に直接依頼する方法があります。複数社の商品を取り扱う代理店であれば、一度の相談で複数商品の見積もりを取得できるため効率的です。

手順3:審査・告知

見積もり内容を検討し、申し込む商品を決めたら、審査・告知のプロセスに進みます。保険会社が用意する告知書や質問票に対して、自社のセキュリティ対策状況や過去の事故歴などを正確に申告しましょう。


告知で問われる内容は保険会社により異なりますが、一般的にはセキュリティ対策の実施状況や過去のサイバー攻撃・情報漏えいの有無といった項目が含まれます。


告知内容をもとに保険会社が審査を行い、引受の可否や最終的な保険料が決定されます。審査にかかる期間は保険会社や案件の内容により異なりますが、数日から1カ月程度は要するのが一般的です。


なお、代理店経由で申し込む場合、申告内容や告知書作成についてサポートをしてもらえるため、よりスムーズに手続きできる可能性があります。

手順4:契約・証券確認

審査が完了し、保険会社から引受の承諾が得られたら、契約手続きに進みます。この段階では、重要事項説明書の内容をしっかり確認することが大切です。

  • 重要事項説明書で重要な項目
  • 補償対象(事故の範囲)
  • 免責事由(補償されないケース)
  • 保険金の支払い条件
  • 通知義務の内容

契約が成立したら、保険証券を受領します。証券の保管場所を社内で明確にするとともに、事故が発生した場合の連絡先(保険会社の事故受付窓口、担当代理店の連絡先など)を、情報セキュリティ担当者や経営層に共有しておきましょう。

手順5:更新管理

サイバー保険は多くの場合、1年ごとの更新契約です。契約後は、更新時期の管理と、事業内容の変化に応じた見直しが継続的に必要となります。


更新時期が近づいたら、前年の契約内容をあらためて確認し、自社の事業状況やリスク環境に変化がないかを点検します。事業拡大や取り扱う個人情報の件数が大幅に増加したといった変化があった場合は、補償内容や限度額を見直してみましょう。


また、契約期間中であっても、事業内容に重要な変更が生じた場合は、保険会社への届出が求められることがあります。届出を怠ると、変更後に発生した事故について補償が受けられない場合があるため注意が必要です。


更新のタイミングは、補償内容を見直したり、他社の商品と比較し直したりする良い機会でもあります。前年に利用しなかった特約の要否や、保険料とのバランスを再検討し、自社にとって最適な補償設計を維持していきましょう。

サイバー保険の申し込み時に必要な情報の準備

見積もりの依頼にあたっては、保険会社や代理店から一定の企業情報の提出を求められます。


必要な情報をあらかじめ整理しておくことで、見積もりの取得がスムーズになり、複数社への同時依頼も効率的に行えます。

提出が求められる主な企業情報

保険会社によって求められる情報の範囲は異なりますが、一般的に以下のような項目の提出を求められます。

基本的な事業情報
業種、主な事業内容、年間売上高、従業員数など。保険料算定の基礎的な要素となる。
個人情報・データの保有状況
個人情報の保有件数、クレジットカード情報の取り扱い有無、マイナンバーの管理状況など。保有するデータの量と機微性が高いほど、加入要件や保険料算定に影響する。
セキュリティ対策の実施状況
ウイルス対策ソフトやファイアウォールの導入状況、ログイン時の多要素認証の有無、データのバックアップ体制、従業員向けセキュリティ教育の実施状況など。一定要件を満たすことで保険料が割引される場合もある。
過去の事故歴
過去にサイバー攻撃や情報漏えいの被害を受けたことがあるかどうか、また発生した場合の規模や対応状況など。事故歴があると条件が厳しくなる場合がある。

これらの情報については、正確に申告することが極めて重要です。虚偽の内容や重要な事実の不告知があった場合は、告知義務違反として保険金が支払われなかったり、契約が解除されたりする可能性があります。

補償条件の事前整理

見積もりを依頼する前に、自社が希望する補償条件の優先順位を整理しておくと、保険会社や代理店とのやり取りが効率的になります。


とくに、以下の3要素は保険選びに大きく影響するため、しっかりと話を詰めておきましょう。

補償限度額
事故発生時に保険金として支払われる上限額。自社の事業規模や保有するデータの量・機微性を踏まえ、想定される最大損害額を参考に設定する。高く設定するほど保険料は上がるため、リスクと予算のバランスを考慮する。
免責金額(自己負担額)
事故発生時に自社が負担する金額。免責金額を高く設定すると保険料は下がるが、実際に事故が発生した場合の自己負担が大きくなる。
補償種別と特約の優先順位
情報漏えい対応費用、業務停止損害、第三者賠償、フォレンジック費用、危機管理コンサルティング費用など、複数の補償種別のなかで自社にとって優先度の高いものを明確にしておく。

これらの条件を明確にすることで、見積もりの比較がしやすくなります。

まとめ

サイバー保険の申し込み手順は「自社リスクの確認→複数社への見積依頼→審査・告知→契約・証券確認→更新管理」という5つのステップに分けられます。


一連の手順を通じていえるのは、事前の準備が整っているほど手続きがスムーズに進むという点です。自社のリスク状況やセキュリティ対策の現状を正確に把握し、希望する補償条件を明確にしたうえで見積もり依頼に臨むことで、自社に合った補償設計にたどり着きやすくなります。


次のステップとしては、まず見積もりに必要な情報(業種・売上・個人情報保有件数・セキュリティ対策状況など)を社内で整理することから始めてみましょう。そのうえで、複数の保険会社や代理店に相談し、補償内容と保険料のバランスを比較検討することをおすすめします。

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