
近年、多くの会社に広がっているテレワーク。以前はスタートアップやベンチャー企業などで導入されていることが多く見られましたが、新型コロナの感染拡大をきっかけに導入する会社も増えました。
しかし、リモート業務となると、どうしてもネックになるのがセキュリティ問題です。特に、サイバー攻撃やウイルス、情報漏えいへの対策は多くの企業で課題になりやすいポイントです。
一方で、テレワークで想定すべきリスクは、セキュリティだけに限りません。社外に持ち出した端末の破損・盗難や、働き方の変化に伴う従業員対応(労務面)など、対面勤務とは異なるトラブルが起こることもあります。
そこで検討されるのが、テレワークで起こりやすいリスクに備えるための保険(例:サイバー保険、機器(動産)の補償、各種賠償責任保険など)です。本文では、こうした保険を総称してテレワーク保険として紹介し、補償の考え方や代表例を解説します。
テレワーク保険は「リスク別」に考えるのが基本
テレワークの保険を検討するときは、「テレワーク専用の商品があるか」だけでなく、どんなリスクに、どの補償で備えるかを整理すると選びやすくなります。主に次のような観点があります。
- サイバー・情報漏えい:マルウェア感染、ランサムウェア、誤送信、端末紛失等に起因する損害・対応費用
- 端末(機器)の破損・盗難:社外へ持ち出したPCやタブレット、スマートフォンの損害
- 対外的な賠償:業務上の過失による第三者への賠償(取引先・顧客等)
- 従業員対応(労務面):勤務環境の変化に伴うトラブルなど、社内対応が必要になるケース
この考え方を踏まえたうえで、テレワーク向けとして案内されてきた代表例を見ていきましょう。
代表例①:複数の補償を組み合わせて提案する「テレワーク向けプラン」
テレワークで問題になりやすいリスクは幅広いため、保険会社では既存の保険(サイバー保険、動産の補償、賠償責任保険など)を組み合わせて、テレワーク向けに提案するプランが案内されることがあります。
たとえば、三井住友海上火災保険株式会社とあいおいニッセイ同和損保では、テレワーク増加の状況を踏まえたプランとして「テレワーク総合補償プラン」が発表されています(取扱い・内容は時期や契約条件により異なります)。
テレワーク向けプランで想定される補償例
以下は、テレワーク向けに案内されるプランで想定されやすい補償の例です。実際の補償範囲・支払限度額・免責(対象外となる事由)などは契約内容によって変わるため、見積・約款等で確認しましょう。
会社よりもセキュリティ対策が行き届きにくい環境で業務を行うと、PCのマルウェア感染や、通信の盗聴などが発生する可能性もあります。
業務用のスマートフォン、携帯電話などが対象に含まれる場合もあります(対象機器は契約内容で異なります)。
普段とは違う環境で業務をすることでストレスが増し、精神疾患になってしまった。常にチャットで在席管理をされ、業務時間を超えても仕事を終えられないことが続き身体を壊した――など、働き方の変化に伴うトラブルが起こり得ます。
テレワークではWeb会議ツール等を利用して会議を行うため、自宅や私服の様子が映ることがあります。その際、プライバシー侵害やセクハラにつながる発言・行為など、トラブルが発生する可能性もあります。
テレワークで備えるべきは、セキュリティ上の問題だけではありません。会社とは違った環境で仕事をすることに起因する賠償リスクや従業員対応も含めて、自社の働き方・端末運用に合う補償を検討するとよいでしょう。
代表例②:パソコン付帯型(対象端末の購入で補償が付帯する仕組み)
もう1つの代表例として、特定の法人向けモバイル端末の購入により、サイバーリスクに関する補償が付帯する仕組みがあります。
このタイプは、端末の購入ルートや提供条件に沿って手続きを進めることで利用できるケースがあり、個別に「テレワーク保険」という名前で契約手続きをする流れと異なることがあります。対象端末の条件(OS要件を含む)や取扱いは、提供時期・販売チャネル等により異なるため、最新の案内で確認しましょう。
補償の対象になりやすいケース(例)
テレワーク保険(付帯型)の補償は、主に情報漏えいなどのサイバー事故対応を中心に設計されることがあります。たとえば、以下のような説明がされるケースがあります。
- 会社から貸与されたモバイルPCを利用している際に発生した情報漏えいに起因する損害について、損害賠償金や原因調査費用等が発生した場合
- 支払限度額が設定されており、例として「モバイルPC1台あたり50万円」「1社あたり500万円」のいずれか低い額を限度とする案内がされることがある
付帯型は、サイバー事故対応を中心に設計されることが多いため、端末の破損・盗難や、従業員対応(労務面)の賠償などは別途検討が必要になる場合があります。自社で想定するリスクと照らして、必要な補償が揃うかを確認しましょう。
テレワーク保険を付帯したPC(例)
付帯型の代表例として、Lenovo(レノボ)のThinkPadシリーズの一部モデルが「あんしんテレワークPC」として案内され、対象モデルは年次で更新されています。
なお、同様の考え方(端末・サービス契約等に補償が付帯する形)は、提供者や販売形態によって異なる場合があります。導入時は「自社が備えたいリスク」と「付帯する補償の範囲」を照らし合わせることが大切です。
テレワーク専用に限らない「現行の選択肢」も押さえておく
「テレワーク保険」という名称の専用商品・専用プランだけでなく、テレワークで問題になりやすいリスクは、法人向けのサイバー保険や賠償責任保険、端末の補償などで備えることが一般的です。
たとえばサイバー保険は、情報漏えい・サイバー攻撃に起因する費用や賠償への備えとして、多くの保険会社が法人向け商品を案内しています。テレワークの導入状況(端末の持ち出し頻度、クラウド利用、委託先との連携、個人情報の取扱いなど)に応じて、補償の要否や範囲を検討するとよいでしょう。
まとめ:テレワークの実態に合わせて「リスク別」に備える
テレワークは、業務効率や従業員満足度の向上など、企業にとってメリットが期待できます。一方で、セキュリティ(情報漏えい等)に加え、端末の持ち出しや働き方の変化に伴うトラブルなど、想定すべきリスクも広がります。
そのため、「何に備えたいか」を整理したうえで、サイバー保険・端末(動産)の補償・各種賠償責任保険などを組み合わせて検討することが重要です。代表例として、複数の補償を組み合わせたテレワーク向けプランや、対象端末の購入で補償が付帯する仕組みもありますが、取扱い・条件・補償範囲は変わり得るため、導入前に最新の案内で確認しましょう。
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