日頃出入りしている保険会社の営業に、「セミナーに参加してみませんか?」と誘われたけれど、忙しい中参加してメリットがあるかわからないので参加を決めかねているという経営者の方はいませんか?
こちらの記事では法人保険に関連するセミナーとは、どのような内容なのか?また、法人保険セミナーに参加するメリットとデメリットについて解説しています。
当記事の監修者:金子 賢司
- CFP
- 住宅ローンアドバイザー
- 生命保険協会認定FP(TLC)
- 損保プランナー
東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。
以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。
趣味はジャザサイズ。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・情報発信しています。
法人保険のセミナーとは?
法人保険のセミナーといってもさまざまな形態があり、法人保険セミナー主催者によって特徴が異なります。
主に、法人保険向けセミナーの主催は、生命保険会社が加入しているもの、生命保険の募集人や代理店が主催しているもの、税理士やFPといった士業が開催しているものに分かれます。
こちらでは下記の運用主体別に、法人保険セミナーの特徴について解説しています。
- 生命保険会社主催のセミナー
- 保険代理店や募集人が主催するセミナー
- 税理士やFPが主催するセミナー
生命保険会社主催のセミナー
法人保険を取り扱っている保険会社が主催しているセミナーです。会費などを払うことなく参加できるケースがほとんどです。
必ずしも主催している保険会社の法人保険に加入している必要はありません。
法人保険を扱っている全ての保険会社で主催しているとは限りませんが、セミナーを主催しているとしても、あまり大きな告知はされることなく公式ホームページで法人保険に関連するサービスの一環として記載されている程度です。
そのため、生命保険会社主催のセミナーは、普段から会社に出入りしている保険募集人から案内を受けることがほとんどです。
年会費などは無料で会員登録をして、会員同士のビジネスマッチングをおこなったり、経営に関する情報などを会報誌のような形式でお知らせをしたりするサービスや、税理士やFPといった専門家との経営相談サポートの取次ぎなどをしてくれます。
保険代理店や募集人が主催するセミナー
法人保険を扱っている大元の保険会社ではなく、法人保険を販売している保険代理店や個人の募集人がセミナーを開催していることがあります。
こちらも保険代理店や募集人から法人保険を加入している必要はありません。承諾さえあれば参加をすることができます。
セミナーの存在を知る経路としては、会社に出入りしている保険代理店の営業や保険募集人からの案内の他、FacebookやTwitterなどのSNSを通じてセミナーの存在を知ることもあります。
主なセミナー内容としては、法人保険に関する情報の他、経営者に関連する最新の税制や、経営に関する基礎講座や、生命保険営業が講師となり営業としての販売ノウハウなどを提供しているケースなどがあります。
税理士やFPが主催するセミナー
顧問税理士や専業FP(ファイナンシャルプランナー)などが主催しているセミナーです。
顧問税理士や専業FPから直接案内を受けるか、保険代理店や募集人が主催するセミナーと同様、SNS上の告知で見かけることが多いでしょう。
内容は、法人保険に関連した情報も含め、税理士の専門性を生かした税制や、FPが持っている社会保障制度改正の情報など、経営者が知っておきたいトピックについて取り上げているケースが多く見られます。
税理士や専業FPが独自で主催しているセミナーは、生命保険会社や保険代理店、募集人が主催しているセミナーほど営業色が強くなく、有益な情報を身に着けられる反面、多くが有料で開催されています。
税理士や専業FP主催のセミナーが無料で主催されている場合、主催が保険会社や保険代理店、募集人となっている可能性があり、セミナーを聞いたあとに法人保険の勧誘を受けざるを得ないケースがあります。
法人保険の勧誘を受けたからといって、必ず加入しなければいけないというわけではありません。
ただ、何か知識をつけたい目的で参加をするだけで、法人保険の勧誘などを受けたくないという方は、税理士や専業FPが講師を務めるセミナーであっても、セミナーの主催者が保険会社や保険代理店、保険募集人になっていないかを確認しておきましょう。
参加者に提供される情報とは
法人保険に関するセミナーは、法人保険に関する内容に限らず経営者に役立つ情報や、マッチングの場を提供しているといったケースがあります。
法人保険セミナーの中で提供されている主な情報を紹介します。
事業承継に関する講座
主に中小企業の代表者は、後継者がいない、保有資産に自社株や不動産が多く、会社を引き継いだとしても後継者が相続税納税資金を準備できないなどの問題で頭を悩ませています。
こうした経営者向けに、後継者が引き継ぎたくなる会社にしていく方法や、法人保険をつかった納税資金準備方法や、自社株対策などの情報を提供するセミナーです。
人事体制・労務、税制など経営の基礎的な内容に関するもの
優秀な人材を獲得し、会社に長く働いてもらうための会社体制づくりや、入社後の教育、適切な評価方法や報酬体系といった人事に関するもの。
また、労働時間や企業としての安全配慮義務、セクハラやパワハラとの向き合い方といった多くの経営者が頭を悩ませる労務の問題。
そして、毎年目まぐるしく変わる税制改正などの情報が身に付くセミナーです。
保険の営業を講師として営業や販売手法、戦略に関するセミナー
保険会社の優績者を講師として招き、営業の極意を一般企業の経営者向けに提供するセミナーです。
販売が難しい生命保険の販売手法や戦略を講師から学び、本業の営業活動で成果をだしてもらうことを主旨としたセミナーです。
受講者のモチベーションアップさせる成功セミナー
経営者として事業を継続していると、いつの間にか財務などの資金繰りや営業活動に関する業務に忙殺され、本来の事業の目的を見失い、気力が低下することがあります。
コーチングを受けたり、成功者の成功談、実践談を共有したりすることで経営者のモチベーションをアップするためのセミナーです。
法人保険のオプションとして開催されるセミナー
保険会社や保険代理店が主体になって、セミナーで経営者に関心がある情報を提供し、その後、セミナー受講者同士の懇親会などでビジネスマッチングや異業種交流会を兼ねるスタイルのセミナーです。
顧客を多く持っている募集人が、個人で開催しているケースもあります。
経営者に必要な知識が身に付く上、経営者本人の営業活動の場にもつながる充実した内容となっています。
法人保険のセミナーは上手に活用
法人保険のセミナーは保険会社や保険代理店、税理士などセミナーを「開催している主体がどこか」によって特徴が異なります。しかし、セミナーの主催者がどこであっても、必ず何か目的があります。
セミナーを受けたからといって法人保険の加入を強制されることはありませんが、アンケートや受講後のメルマガなど、何らかの営業活動はあると考えておきましょう。
大切なのは、法人保険に関する情報源の1つとしてうまく活用することです。講師の言う事に振り回されすぎず、自身で受講内容や紹介された保険商品の善し悪しを判断しましょう。
なお、当サイトではFPがおすすめする法人保険の紹介記事もあるため、自社で加入を検討する際はぜひ参考にしください。
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