最近、地震や台風、豪雨災害などの災害は、企業にとっても悩みの種です。
「もし災害がここでも起こったら、うちの会社はどうなる?」
「もしものとき、オフィスや工場の復旧に保険はおりるのか?」
オフィスビルや工場、倉庫だって、会社の財産。建物内の機械設備や備品なども、重要な経営資源と言えます。
これらが災害などによって損壊した場合、経済的な損失が発生します。
災害リスクが気になる昨今、損失にどう備えるべきか悩み、保険を選択肢として考える方も多いはずです。
今回は、自社の財産を守る手段の一つとして企業財産包括保険を取り上げ、特徴や補償内容の考え方を解説します。
災害はいつ起こるかわかりません。
いざという時に備えるために、このページを参考にしながら、必要な補償を整理してみてはいかがでしょうか?
会社の財産を守る!企業財産包括保険の特徴とは?
会社の施設や備品は、会社の財産。
万が一の損害に備える手段の一つが、損害保険の一種である企業財産包括保険です。
企業財産包括保険を理解するうえでは、補償対象(保険の対象)の範囲と、損害原因(補償する事故)の範囲の2つのポイントを押さえておくことが重要です。
補償対象となる財産の範囲
企業財産包括保険では、契約で定めた事業用財産(建物・設備・什器備品・商品/原材料など)が補償対象となるのが一般的です。
例えば、オフィスや工場、倉庫などの建物はもちろん、工場内に設置されている製造設備や計測器、事務所で使用されている自社所有のコピー機やデスク・チェア、さらに、製品や商品、原材料などが対象となるケースがあります。
ただし、保険の契約条件によっては、在庫金額を定期的に申告(通知)する必要がある場合もあるため、保険内容の確認が必要です。
たとえば、時期によって変動が大きい商品や製品などは、定期的に在庫金額を通知する運用となることがあります。
また、預かり品(第三者から預かった財物)については、特約などで補償対象とする形になっているケースもあります。
企業財産包括保険の特約については、後ほど詳しく解説します。
なお、企業財産包括保険の補償範囲は、契約時に設計(選択)できる場合があります。補償対象を必要な範囲に絞ることで、保険料とのバランスを取りやすくなることもあります。
損害が発生する原因の範囲
会社の財産が損壊する理由は、災害によって壊れたり、盗難に遭ったりするなど、さまざまです。
損害原因(補償する事故)の範囲は、保険会社・商品・プランや特約によって異なります。
たとえば、火災・落雷・破裂/爆発・風災/雹災/雪災などを補償対象とするタイプが一般的です。
一方で、地震・噴火・これらによる津波を原因とする損害は、主契約では補償対象外(免責)となり、特約等で補償する形が多いため、契約内容の確認が必要です。
また、盗難や、不測かつ突発的な事故(破損・汚損等)まで含められるタイプもありますが、免責金額や支払限度額、対象外となるケースの有無などは契約条件によって変わります。
さらに、災害等で操業が止まった際の利益の減少や営業継続に必要な費用に備える補償(休業補償等)は、主契約ではなく特約等で付帯する形となることがあります。必要性は、事業規模や業種、固定費の大きさなどを踏まえて検討するとよいでしょう。
以上が、企業財産包括保険を理解するうえでの2つのポイントでした。
会社財産が損害を受けた場合は、修理や再取得をしなければ営業を続けにくくなります。いずれの場合も、資金が必要になります。
必要な資金手当の一助として保険金を活用できる可能性があることが、企業財産包括保険を検討する理由の一つです。
ただし、どんな場合にも保険金が支払われるわけではありません。補償対象外(免責)や支払限度額が設定されることもあります。
たとえば、会社内にある財物であっても、個人所有のものや動植物、通貨や有価証券などは、補償対象外となる、もしくは補償が限定されるケースが一般的です。
「すべてが補償される」とは限らないことを前提に、契約条件を確認しておきましょう。
企業財産保険との違い
企業財産包括保険と似た名称として、企業財産保険が挙げられることがあります。
ただし、名称の使われ方は保険会社・商品によって異なるため、「名前が似ている=補償内容が同じ」とは限りません。加入検討にあたり、考え方の違いを押さえておきましょう。
一般に、企業の財産に備える保険は、建物・機械装置・備品・商品/製品などの損害を補償対象とし、火災等の事故による損害に備える設計が多いです。
そのうえで「包括型」と呼ばれるタイプは、複数の事業用物件(工場・事務所・倉庫など)を1つの契約でまとめて補償できる点が特徴として挙げられます。
一方で、補償対象や補償原因、休業補償の付け方、免責金額や支払限度額の設定などは商品ごとに異なります。名称だけで同一視せず、どの財産を、どの事故まで、どの条件で補償するかを確認することが重要です。
企業財産を守る保険に加入する場合は、拠点数や設備・在庫の規模、災害リスク、事務手続きの負担感などを踏まえて、どの設計が合うか判断するとよいでしょう。
どんな会社に必要な保険?
ここでは、どんな会社が企業財産包括保険を検討しやすいかを、改めて説明します。
企業財産包括保険は、複数の施設を所有している会社で検討されることが多い保険です。
複数の施設を所有している会社では、1契約で複数拠点をまとめて管理できる設計が、運用面でメリットになる場合があります。
複数施設を包括的に一つの契約でカバーできると、施設間の設備移動などで補償対象の管理が煩雑になりにくいことがメリットとして挙げられます。
また、契約更新や保険料の支払い、保険金請求などの手続きを一本化しやすい点も、負担軽減につながることがあります。
これから財産に関する保険に加入する場合はもちろん、すでに企業向けの火災保険等に加入している場合も、現在の契約内容(補償範囲・免責金額・水災や地震の扱い・休業補償の有無等)を確認したうえで、包括型を含めた見直しを検討するのも一つです。
一方、所有している建物が一つで、対象となる会社財産も比較的少ない場合は、包括型のメリットを活かしにくいこともあります。
補償範囲を広げるほど保険料が上がることもあるため、必要な補償と保険料のバランスを見ながら、包括型以外の選択肢も含めて検討するとよいでしょう。
どんな時に企業財産包括保険が適用される?
ここからは、企業財産包括保険の補償内容のイメージを整理していきます。
まずは、どんな場合に補償対象となり得るかを見ていきましょう。
補償される事故(損害原因)は契約によって異なりますが、例として下記が挙げられます。
- 火災
- 落雷
- 事故による破裂・爆発
- 自然災害(風災、雹災、雪災、水災など)
火災や落雷、破裂、爆発による財産の損壊は、補償対象となるケースが多いです。
また、落雷に伴う設備トラブルや、物体の衝突・飛来などについても、商品によって補償対象となる場合があります。ただし、設備の種類や事故態様によっては対象外となる可能性もあるため、契約時に確認しておきましょう。
なお、地震・噴火・これらによる津波は、主契約では補償対象外(免責)となることが多く、補償するには特約等が必要となるケースがあります。
次に水災についてですが、こちらは建物立地によっては被害が大きくなる可能性があるため、重要な検討ポイントです。
水災(洪水・高潮・土砂崩れ等)については、補償の有無や支払要件、自己負担額(免責金額)などが契約条件で変わります。ハザードリスクが高い立地(浸水想定区域など)ほど、補償範囲と支払要件を約款・重要事項説明書で確認しておくことが大切です。
また、水害だけでなく、消火活動に伴う水濡れ等の損害も、契約内容によっては補償対象となる場合があります。補償対象事故の範囲や免責金額は商品により異なるため、契約条件の確認が必要です。
さらに、利益喪失や営業継続に必要な費用については、主契約に含まれないことも多く、特約等で補償対象となる場合があります。必要な範囲を整理して検討しましょう。
なお、それぞれの項目については免責金額が設定されている場合があります。
標準的な免責金額が設定されているケースもありますが、契約時に変更できる場合もあるため、補償と保険料のバランスを考慮して設定するとよいでしょう。
休業を強いられた場合も補償される!
企業財産包括保険は、建物・設備などの損害に備えるだけでなく、休業に伴う損失(利益の減少や営業継続費用)に備える目的で検討されることもあります。
ただし、休業補償がどこまでカバーされるかは契約内容によって異なり、特約等の付帯が必要となる場合があります。
災害などで建物や機械設備が使えなくなった場合、修理や再購入の資金だけでなく、操業停止期間を乗り切るための資金繰りが課題になることがあります。
というのも、売上が落ち込む期間でも、人件費や店舗の賃貸料などの固定費が発生することがあるためです。
操業停止中でも、従業員の給与などの支払いが必要になるケースがあります。このための人件費の支出を止めるのは簡単ではありません。
また、操業停止となっていても店舗の賃貸料などは請求されるため、支払いを継続する必要があります。
このような状況に備えて、契約内容によっては、経常費や仮店舗費用、喪失利益などに関する補償を付けられる場合があります。
操業停止の影響を最小限に抑えるためにも、どのような補償が付けられるのかを事前に確認しておくことが大切です。
次の章では、保険金の種類(考え方)を説明していきます。
どんな保険金がおりるの?
企業財産包括保険で受け取れる保険金は、財産の損害に対する保険金だけではありません。
損害に付随して発生する費用を補償する「費用保険金」がセットされる場合もあります。
費用保険金とは、保険対象の損害そのものではなく、復旧や対応の過程で発生する費用を補償する保険金のことです。
費用保険金の種類や名称、支払限度額、支払要件は商品・契約条件によって異なります。以下は代表例です。
残存物取片付け費用保険金
損害を受けた保険対象の残存物の撤去・片付け等にかかる費用が、条件に応じて補償される場合があります。
支払限度額(損害保険金に対する一定割合、一定の上限額など)は契約条件によって異なります。
修理付帯費用保険金
損害を受けた保険対象の復旧に関して、損害原因の調査費用などが一定の限度額内で補償される場合があります。
損害拡大防止費用保険金
火災などの事故の際に、損害の発生・拡大を防ぐために支出した費用(消火薬剤等の再取得費用など)が補償対象となる場合があります。
失火見舞費用保険金
火災等により近隣の所有物などに損害が生じた場合の見舞費用として、一定の条件で支払われる場合があります。
地震火災費用保険金
地震等を原因とする火災に関する費用補償が、契約内容によっては付帯される場合があります。支払要件や支払額(保険金額に対する一定割合など)は商品・契約条件で異なります。
請求権の保全・行使手続費用保険金
保険対象が損害を受け、その損害を第三者に請求できる可能性がある場合に、権利保全や行使手続きにかかる費用が補償対象となる場合があります。
このように、費用保険金は、財産そのものの損害だけでなく、復旧に向けた対応を幅広く支える目的で設計されていることがあります。具体的な内容は契約条件で確認しましょう。
企業財産包括保険でつけられる特約
企業財産包括保険は、主契約の内容や付けられる特約が、保険会社・商品・プランによって異なります。
より自社のリスクに合わせて補償範囲を広げたい場合は、特約の付帯を検討することがあります。
特約を付けることで、主契約ではカバーしきれない損害や費用に備えられる場合がありますが、補償範囲・免責金額・支払限度額などの条件もあわせて確認が必要です。
ここでは、特約として検討されやすい内容の例を紹介します(名称や取扱いは商品により異なります)。
安定化処置費用補償特約(例)
火災や水災で損害を受けた建物・設備等について、腐食などによる損害拡大を防ぐための応急的な処置(安定化処置)にかかる費用が、条件に応じて補償される場合があります。
業務用通貨等盗難補償特約(例)
現金・預貯金証書・貴金属・美術品などは、主契約では補償対象外または補償が限定されることがあります。これらの盗難リスクに備える補償を、特約等で手当できる場合があります。
借家人賠償責任補償特約(例)
火災などが発生して借用物件に損害が生じた場合、貸主に対して法律上の損害賠償責任が生じることがあります。特約により、賠償責任に関する補償を付けられる場合があります。
家賃補償特約(例)
賃貸用の建物が火災等で損害を受けた場合、家賃収入が減少する可能性があります。家賃収入の減少に備える補償を付けられる場合があります。
食中毒・特定感染症利益補償特約(例)
飲食店・宿泊業・食品製造業などでは、食中毒事故や特定感染症の発生を契機に営業が休止し、売上が減少するリスクがあります。こうした休業に伴う損失に備える補償を付けられる場合があります。
会社のビジネスや立地リスク、固定費の大きさなどに合わせて、どの補償が必要か検討するとよいでしょう。
ただし、特約を付けるとその分保険料が上がるため、優先順位をつけて選ぶことが大切です。
施設の万が一に備えて加入を検討しよう
災害などによって工場や事務所の設備が使えなくなってしまうと、営業活動を続けることが難しくなります。
場合によっては、操業停止に追い込まれるおそれもあります。
そういったリスクに備える手段として、企業財産包括保険を選択肢に入れておくと安心です。
契約内容によっては、損壊した建物を修理・再取得するための費用に備えられるほか、休業中に発生する人件費などの経費に関する補償を付けられることもあるため、メリットが期待できます。
さまざまなリスクに備えることも、経営において欠かせない視点です。
ニュースで起きている災害も、他人事とは限りません。万が一に備えて、必要な補償を検討してみましょう。
補償内容や、どんな特約を付けるべきかは、会社によってさまざまです。
少しでも疑問がある場合には、損害保険代理店などに相談し、補償対象・免責金額・支払限度額・水災や地震の扱い・休業補償の有無などの条件をそろえたうえで、自社に合った損害保険を選びましょう。
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