チャブ保険は個人向けの保険商品だけではなく、法人・団体向けにもさまざまな損害保険を取りそろえている保険会社です。
業務災害安心総合保険や団体総合補償制度費用保険、一般用自動車保険、企業財産総合保険、労働災害総合保険など、目的に応じたラインアップが用意されています。
それぞれの補償内容や特約(オプション)を踏まえたうえで、必要な補償を整理しながら加入を検討してみることが大切です。
今回は、チャブ保険に対する評価も含めて、法人向けの保険商品について詳しく解説します。
チャブ(Chubb)保険ってどういう会社?
チャブ保険の正式名称は、「Chubb損害保険株式会社」(旧名:エース損害保険株式会社)です。
設立は1996年で、世界各地で事業展開する「チャブ・グループ」の日本法人という位置づけの保険会社です。また、グループ会社にはChubb少額短期保険株式会社があり、個人向け・法人向けの保険商品を提供しています。
ソルベンシー・マージン比率(災害など不測の事態が起こったときの支払余力を示す指標)は971.0%(2025年3月末時点)と公表されています。
日本での実績は、外資系損害保険会社として最長の100年を超える歴史を有している点も特徴です。
では次に、チャブ保険が取り扱う主要な法人向け保険商品をみていきましょう。
チャブ保険の保険商品とは?
チャブ保険は、法人・団体向けの損害保険のラインアップも豊富です。ここでは代表的な商品を取り上げ、特徴を整理します。
業務災害安心総合保険
チャブ保険の業務災害安心総合保険は、労災上の経営リスクに備えるための保険です。
労災事故が発生してしまった場合に、従業員のケガの補償・精神疾患の休業補償・賠償責任などに備えられる設計が可能です。
特徴としては、役員や従業員といった補償対象者別に補償プランを設計できるため、補償内容に無駄や不足が出にくいことです。業務従事中のケガについては、労災認定を待たずにご契約者へ保険金を支払う仕組みが用意されています(※一部の疾病や自殺行為等は労災認定が必要となる場合があります)。
また、高額な賠償金支払い義務に備えられるよう、弁護士費用等を補償する設計も可能です。従業員に関するものでは、業務上のケガだけでなく業務上の疾病まで幅広くカバーできるため、経営上の不測の支出に備えやすくなります。
そして、労災認定された精神疾患による休業を最大で730日まで補償する仕組みも特徴です。
さらに、不当解雇やハラスメントなどが原因で訴訟となった場合の対応も可能とされており、雇用リスクに備えたい企業にとって検討材料になります。
付帯サービスとしては、「安否確認サービス」「ストレスチェックサービス」「心の相談サービス」などがあり、「24時間緊急医療・健康相談サービス」も提供しています。
人事担当者向けの「人事ヘルプダイヤル」を設けている点も特徴だといえるでしょう。日々の経営を進めていくうえでは、思いがけない事故やトラブルが発生した場合に備えておくことが肝心です。
チャブ保険の業務災害安心総合保険であれば、業務災害が発生してしまったときの補償を幅広く検討できるため、経営の安定化に役立つでしょう。
団体総合補償制度費用保険
団体総合補償制度費用保険は、従業員が被った傷害や特定の疾病に見舞金を支払うなどしたときの負担費用を補償する保険です。
団体専用という点が特徴であり、個別ではなく包括的に補償を検討できる点がメリットです。「業務中プラン」「労働組合プラン」「施設プラン」など種類も用意されています。
また、業種によって学習指導協力者プラン・学校法人プラン(スチューデント・ケア)・医療介護プラン・動物病院プランといったプランも用意されています。
補償範囲(ケガ・疾病・感染症・天災等の取扱い)はプランや特約によって異なるため、必要なリスクに合わせて設計内容を確認しましょう。
そして、特約を設けることによって各種プランでは、活動時間等に基づいた合理的な保険料設定ができる場合があります。
保険料確定特約を付帯することによって、原則として確定精算が不要となる設計もあり、事務の簡素化や負担の軽減につながります。
一般用自動車保険
チャブ保険の一般用自動車保険には4つの特徴があります。
ロードサービスは保険に加入することで自動セットとなるサービスがあり、無料リペアサービス・レッカーサービス・ガス欠サポートサービス・遠隔地トラブルサポートサービスなどが用意されています。なお、レッカーけん引・搬送等は距離や金額の上限、対象条件が定められているため、契約内容で確認しましょう。
また、ロードサービス対象車種で人身傷害保険にセットで加入をすると、事故時プラスサポートサービスも受けることが可能です。
このサービスでは、担当者が事故現場に駆けつけて、事故の相手や警察との対応をサポートしてくれるので、事故時の不安な気持ちを和らげてくれるはずです。
さらにロードサービスや事故時プラスサポートサービスは、24時間365日対応してもらえるので、いつ事故が発生しても安心できます。
そして、健康相談SOSホットラインも自動セットとなるため、医療・健康・介護相談を気軽に行えます。これは、経験豊富な医師たちが健康面のアドバイスをしてくれるサービスで、日ごろ不安に感じている症状の解決につながるでしょう。
続いて、チャブ保険の一般用自動車保険では、「弁護士費用補償特約」と「車両地震保険」という2つの特約が用意されています。
弁護士費用補償特約は、弁護士費用等を500万円まで補償してくれるものであり、要望によって日本弁護士連合会から事故事案に適した弁護士を紹介してもらえるものです。
車両地震保険は、車両の全損に限らず、少額の修理費用で済んだ分損についても補償の対象になります。
そして、地震・噴火・津波などによる損害であっても、お支払いする金額を削減等することなく保険金額まで損害補償に対応している点が特徴です。この補償があれば、自動車の修理費用や新規で自動車を購入する費用などにあてることができるでしょう。
車をリースすることもあるでしょう。仮にリースした車が天災によって損害を受けたときには、通常の車両保険では補償されないケースもあります。その場合は、リース料などの残債が残ってしまう恐れもあるのです。
ですが、車両地震保険の特約をつけておけば、リースした車に対する損害も補償してもらえるので安心だといえます。
企業財産総合保険
企業財産総合保険は、法人が所有・使用する建物や設備、什器などの財物リスクに備えるための保険です。
全物件付保方式(国内に複数の物件を所有している場合に、対象となる物件をまとめて付保する考え方)で契約をした場合には、国内に複数の物件を所有していても、そのすべてに対して補償を検討できます。
また、全物件付保方式を適用した場合の割引の有無や水準は契約条件によって異なるため、見積時に確認しておくとよいでしょう。企業財産総合保険では、リスクに合わせた支払限度額の設定や免責金額の設定ができるので、必要な補償を選びつつ、保険料を調整することが可能です。
さらに、補償内容を拡充できる「地震危険補償」などの特約(オプション)を付帯できる商品もあります。
「地震危険補償」では、地震・噴火・津波による財物の損害を補償対象にできる場合があります。
この保険の対象となる主な事故は、火災・落雷・風災・水災などに加え、プランにより盗難や車両の衝突なども補償対象となることがあります。思いがけない事故や災害が発生したときに備えるためにも、補償範囲と免責事項を確認しておきましょう。
保険金の支払いについては、財物補償として損害保険金・費用保険金が支払われるほか、商品設計により利益補償や営業継続費用補償などを組み合わせることも可能です。
どれくらいの保険金を受け取れば万が一のリスクを回避できるかを踏まえたうえで、保険プランを検討してみましょう。
また、保険業界には保険契約者を保護する仕組みとして「損害保険契約者保護機構」があります。
保険会社が経営破たんした場合、保険種目や契約者区分(個人・小規模法人等)により補償の考え方は異なりますが、自動車保険や火災保険等では、破たん後3か月間に発生した事故に関して保険金が全額支払われる取扱いが示されており、3か月経過後は補償割合が一定割合となる場合があります。詳細は加入中の契約条件と、損害保険契約者保護機構の案内で確認しておきましょう。
労働災害総合保険
労働災害総合保険は、「法定外補償保険」と「使用者賠償責任保険」の2種類があります。
法定外補償保険は、死亡給付金・後遺障害給付金・休業補償給付金が支払われる仕組みです。しかし、死亡給付金と後遺障害給付金は同時に受け取ることはできず、どちらか高いほうの金額が上限額になります。
休業補償給付金は、事由が生じたときから4日目以降について給付金が支払われるものです。従業員が業務中もしくは通勤中に「死亡」「後遺障害を負う」「休業」といった場合に、賠償責任の有無にかかわらず補償されます。
そして、日本政府が運営する労災保険(政府労災)から給付が行われたときには、本人やその家族に対して一時金が支給される仕組みです。
一方、使用者賠償責任保険は、労災事故が発生して従業員が死傷した場合に、使用者が負う法律上の損害賠償責任に備えるためのものです。
従業員が労災事故に遭ってしまったときは、政府労災保険の給付だけではカバーできない部分も多くあります。
ですので、チャブ保険の労働災害総合保険は、政府労災保険に上乗せする形で備えておくことがおすすめです。実務的には、労働災害に伴う補償額は巨額になってしまうこともあり、場合によっては会社の自己資金だけではまかなえないこともあるでしょう。
また、補償金の支払いのために借り入れを行ったとしても、会社の資金繰りを悪化させてしまう要因にもなってしまいます。
労働災害にまつわる損害保険をうまく活用することで、経営リスクを少しでも減らしておくようにしましょう。
労働災害が起こったときの使用者責任は、政府労災保険に加入しておくことで労働基準法上の補償責任は免れることになっています。
しかし、使用者に過失があったときには民法上の損害賠償責任を負う可能性もあるのです。ただ、使用者が政府労災保険に加入しているときは、民法上の損害賠償額から労災保険の支給額を差し引いた金額が、使用者の責任負担となります。
また、従業員との間で災害補償規定を結んでいるときは、その規定の範囲内で補償責任を負うことを理解しておきましょう。
労働災害総合保険に加入するメリットは、労災事故が起こったときの仕組みをあらかじめ整えておくことによって労使関係がスムーズになる点です。
安全に働ける職場環境を提供すれば、従業員の仕事に対するモチベーションも向上するでしょう。会社側としても不測の事故によって補償問題が発生してしまうことを避けられるので、会社の対外的な信用力を保てます。
そして、支払う保険料は事業に必要な範囲で損金として計上されるため、税務上も整理しやすい点がメリットになります。ただし、保険期間が1年を超える契約などでは未経過分を前払費用として処理するなど、計上方法が変わる場合があるため注意しましょう。
労働災害総合保険は、全従業員を対象とした設計が可能なため、個々の事務処理の負担を抑えやすい点も特徴です。従業員の中途入社や中途退社、臨時雇いの従業員がいる場合であっても、運用ルールを整えておけば業務負担が増えにくいでしょう。
チャブ保険の評価は良い?
チャブ保険に対する評価は、以下のような良い評価がありました。
「保険料が安くて安心できるチャブ保険を選んだ」
「1時間以内にレッカー車を手配していただきました」
「初期対応は丁寧で、分かりやすく説明してもらいました」
また、「認知度が低く宣伝活動などの広告費があまりかかっていなさそう」といった知名度に関する評価もあるようです。(※引用元:価格.com)
※口コミは投稿者の主観であり、補償内容・免責・見積条件、事故対応の状況によって受け止め方は変わります。加入前は補償内容と条件を確認したうえで比較検討しましょう。
法人保険に強みのあるチャブ保険を選ぼう!
チャブ保険は、国内では社名を見かける機会が限られる一方で、法人・団体向けに幅広い補償を提供しています。
法人向けの補償内容も充実しており、最適な商品を選ぶにあたりチャブ保険を検討する価値は十分にあるといえます。
法人保険に加入をするときは、「どのような目的で入るのか」といった点を明確にしておくことが重要です。保険料や補償内容(免責・支払限度額・特約の要否)に納得してから、契約手続きを進めるようにしましょう。
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