法人保険の導入や見直しを進める際、明治安田生命は、経営者向け保障から従業員向けの団体保険、企業年金まで幅広い商品・サービスを取り扱っている保険会社です。

経営者の万一への備えだけでなく、従業員向けの福利厚生制度や退職金・年金制度まで幅広く扱っているため、自社の経営課題や希望する保障内容に応じて複数の商品・サービスを比較できます。

本記事では、明治安田生命の会社概要をはじめ、主な商品ラインナップや特徴を解説します。どのような企業に合っているかも整理するので、他社と比較するときの参考にしてください。

明治安田生命の会社概要

明治安田生命は、2004年に明治生命と安田生命が合併して誕生した国内大手の生命保険会社です。個人向け・法人向けの双方で幅広い商品・サービスを展開しています。

会社名明治安田生命保険相互会社
(Meiji Yasuda Life Insurance Company)
本社所在地〒100-0005
東京都千代田区丸の内2-1-1
代表者取締役 代表執行役社長 永島英器
営業拠点支社・マーケット開発部105
営業部・営業所等1,026
法人部19
代理店推進部3
従業員数48,656人
(うち営業職員「MYリンクコーディネータ等」37,405人)
基金総額(資本金に相当)9,800億円
※基金償却積立金を含む
事業内容生命保険業
社員(契約者)数5,965,701名
総資産48兆217億円
指標グループESR:208.7%(2026年3月末時点)
グループ業務利益:7,602億円(2025年度)
格付:AA(JCR)、AA(R&I)、A1(Moody’s)、A+(S&P)(2026年5月1日時点)

※総資産、基金総額、社員数、従業員数は2026年3月末現在、営業拠点数は2026年4月1日現在

信頼性・客観的な評価

法人保険は長期にわたる契約になることもあるため、保険会社の財務健全性は判断材料の一つです。財務健全性を確認する際は、単一の数値だけでなく、複数の指標を組み合わせて見ることが重要です。

代表的な指標の一つが、自己資本の厚さを示すESR(経済価値ベースのソルベンシー比率)です。明治安田生命を含む明治安田グループでは、標準モデルESRと内部モデルESRのうち低い方を「グループESR」として健全性の判断に用いており、2026年3月末時点では208.7%と公開されています。

また、保険会社の信用力を客観的に確認する指標として、格付会社による評価があります。明治安田生命の格付は、2026年5月1日時点でJCRとR&Iが「AA」、Moody’sが「A1」、S&Pが「A+」です。

グループ全体のESR208.7%に加え、複数の格付会社から高い格付を取得していることから、財務健全性と信用力の両面で高い水準にあると評価できます。

ESRとは?
「Economic Solvency Ratio」の略。保険会社が抱えるリスクに対して、どの程度の自己資本を確保しているかを示す。法令上の標準モデルESRでは100%が行政介入の目安とされている。
格付とは?
格付会社が保険会社の財務内容や債務・保険金の支払能力などを評価したもの。格付会社ごとに評価基準や表示方法が異なる。

法人向け事業の傾向

法人保険とは、法人が契約者となって加入する保険を指す呼称です。生命保険や第三分野保険を指すことが一般的ですが、広義の意味では損害保険も含みます。

※第三分野保険:生命保険にも損害保険にも該当しない保険商品の種類。医療保険、がん保険、介護保険など。

明治安田生命が法人向けに提供している主な商品・サービスは、次のように整理できます。

  • 企業・団体向け福利厚生制度関連商品:
    従業員・所属員の死亡、医療、就業不能などに備える団体保険
  • 経営者向け生命保険:
    事業保障資金や死亡退職慰労金、生存退職慰労金などの準備に活用できる生命保険
  • 商品付帯サービス:
    従業員の健康増進や介護支援など、団体保険等に付帯するサービス

上記のほか、企業年金(確定拠出年金など)に関するサービスも展開しています。

経営者向けの商品だけでなく、従業員向けの団体保険、各種福利厚生支援まで幅広く提供しており、法人の経営課題や制度設計に応じて検討できる点が特徴です。

損害保険(リスクマネジメント関連)は明治安田損害保険の取扱い

企業のリスクマネジメントに関する商品・サービスは、グループ会社の明治安田損害保険が提供しています。

事業用の建物・動産が対象の普通火災保険や、役員の賠償責任を補償する会社役員賠償責任保険、売掛債権の回収不能に対する取引信用保険などがあります。

損害保険は経営活動で生じ得る損害に備える保険です。生命保険とあわせて、自社のリスクに合った商品を検討するとよいでしょう。

主な法人保険・法人向けサービス一覧

法人向けの保険は、同じ会社の商品でも、備えるリスクや保険金を活用する目的によって選び方が異なります。商品を比較する際は、保障内容だけでなく、誰を被保険者とするのか、どのような場合に保険金・給付金を受け取れるのか、保険期間や保険料なども確認することが重要です。

また、法人では経営者の万一への備えと従業員の福利厚生では、必要となる保障の考え方が異なります。明治安田生命の商品についても、単純に商品数の多さで比較するのではなく、自社が解決したい課題に合わせて検討すると選択肢を整理しやすくなります。

以下では、明治安田生命が法人向けに提供・案内している主な商品を、目的ごとに見ていきます。

経営者向け商品

明治安田生命では、法人または個人事業主を契約者とし、経営者・役員・従業員などを被保険者とする経営者向け生命保険を取り扱っています。事業保障資金や死亡退職慰労金・弔慰金、生存退職慰労金などの準備を目的として検討できる商品です。

主な商品は以下のとおりです。

商品名主な保障・特徴主な活用目的
「保障選択制」定期保険(生活障害保障タイプ)死亡に加え、所定の日常生活制限状態に備える経営者不在時などの事業保障資金の準備
「保障選択制」定期保険(がん保障タイプ)死亡に加え、所定の悪性新生物(がん)と診断された場合に備える経営者の闘病・不在時などの事業保障資金の準備
新逓増定期保険事業の発展に伴って大きくなる経営者の責任に合わせて死亡保障を準備する事業保障資金、死亡退職慰労金・弔慰金などの準備
新定期保険E契約当初から一定金額の死亡保障を確保する事業保障資金、死亡退職慰労金・弔慰金などの準備
新養老保険E死亡保障に加え、満期時には満期保険金を受け取れる退職金や弔慰金などの財源準備

※「保障選択制」定期保険は第1保険期間、新逓増定期保険は逓増率変更年度、新定期保険E・新養老保険Eは保険期間によって契約可能年齢が異なります。

経営者向け商品は、死亡保障だけでなく、一定の状態になった場合への備えや、将来の退職金財源の準備など、商品によって役割が異なります。必要な保障額や保障期間、解約返戻金の推移なども確認し、自社の加入目的に合った商品を検討することが重要です。

企業・団体向け商品(福利厚生関連)

明治安田生命では、従業員や所属員の在職中・退職後の生活を支えるため、団体保険や企業年金、財産形成に関する商品を幅広く取り扱っています。死亡・医療・がん・就業不能などへの備えに加え、企業の弔慰金・退職金制度や、従業員自身の自助努力による保障・資産形成を支える商品も用意されています。

法人向けの福利厚生保険には、会社が保険料を負担して制度を整備する商品と、従業員・所属員が個人で保険料を負担する自助努力型の商品があります。契約内容や対象となる従業員、希望する保障を整理したうえで、自社の福利厚生制度に合う商品を選ぶことが重要です。

主な商品は以下のとおりです。

商品名主な保障・特徴主な活用目的
総合福祉団体定期保険従業員・所属員などの死亡・所定の高度障害に備える1年定期の団体保険弔慰金・死亡退職金・障害見舞金などの財源準備
団体定期保険従業員・所属員とその家族が、死亡・所定の高度障害などに自助努力で備える従業員・所属員の死亡保障の充実
医療保障保険(団体型)病気やケガによる入院時に、所定の入院給付金を受け取れる従業員・所属員の医療保障
団体就業不能保障保険病気やケガによって働けなくなった場合に備える休業時の賃金保障などに必要な財源準備
団体がん保障保険がんに関する保障を提供し、治療と仕事の両立などを支援する従業員のがん保障、復職支援や企業のがん対策費用への備え

このほか、新・団体定期保険、無配当総合福祉団体定期保険、無配当団体医療保険、団体総合就業不能保障保険なども取り扱っています。明治安田生命では、退職後の保障や財産形成、企業年金に関連する商品も用意しており、福利厚生制度全体を踏まえて検討できます。

また、商品によっては、加入資格に該当すれば医的診査なしの簡単な告知や、企業・団体による一括告知で契約できるものがあります。加入条件や保障内容、各種手続きは商品によって異なるため、制度を導入する際は対象となる従業員の範囲や保険料負担も含めて確認しましょう。

商品付帯サービス

法人保険を比較する際は、保険金や給付金といった保障内容だけでなく、契約に付帯するサービスも確認したいポイントです。明治安田生命では、団体保険などの加入者や企業・団体を対象に、健康増進や介護、万一の場合の遺族支援などに関するサービスを提供しています。

こうしたサービスは、保険事故が発生した場合の金銭的な保障とは異なり、従業員やその家族の日常生活、企業の健康管理などを支援する役割があります。福利厚生制度を検討する場合は、保険そのものの保障と付帯サービスを分けて比較すると、それぞれの役割を把握しやすくなります。

主なサービスの内容は以下のとおりです。

サービス分野主な内容
健康増進支援従業員・所属員やその家族の健康増進を支援するサービス
企業・団体の健康管理支援企業・団体による健康増進に向けた取り組みや、従業員・所属員の健康管理を支援
介護関連サービス介護に関する情報提供などを通じて、従業員・所属員やその家族を支援
遺族向けサポート団体定期保険などの加入者に万一のことがあった場合に、遺族をサポート
高齢加入者向けアフターフォロー退職者用保険の加入者などを対象に、契約内容や請求、連絡先などを確認する取り組み

明治安田生命では、退職者用保険の加入者を対象とした法人版「MY長寿ご契約点検制度」も実施しています。対象者への請求確認や連絡先確認などを行い、必要に応じて死亡保険金の請求や受取人・住所変更などの手続きを案内する仕組みです。

ただし、すべての契約で同じ付帯サービスを利用できるわけではありません。利用できるサービスは加入する団体保険などによって異なるため、商品を比較する際は保障内容だけでなく、対象となる付帯サービスや利用条件も確認しましょう。

明治安田生命の特徴と強み

明治安田生命の法人向け事業は、経営者向け保障だけでなく、団体保険や企業年金、健康支援、契約管理まで幅広くカバーしている点が特徴です。

以下では、団体保険、企業年金・退職金制度、法人向けWebサービスの3つの観点から特徴を見ていきます。

団体保険の保障選択肢が広い

明治安田生命では、死亡、医療、がん、就業不能など、さまざまなリスクに対応した団体保険を取り扱っています。

企業が保険料を負担して福利厚生制度を整備する商品だけでなく、従業員・所属員が保険料を負担して保障を準備する自助努力型の商品もあるため、企業の目的に応じて検討できる点が特徴です。

また、総合福祉団体定期保険など、団体として加入することによるスケールメリットを活かした保険料設定の商品もあります。

企業年金・退職金制度もあわせて検討できる

明治安田生命では、生命保険だけでなく、確定給付企業年金や確定拠出年金に関する商品・サービスも提供しています。

企業年金に関しては、制度の運営に関するサービスのほか、退職金・年金制度の見直しに関するコンサルティングなども行っています。法人保険と企業年金の双方を相談できるため、保障と退職金・年金制度をあわせて検討できる点が特徴です。

ただし、一社にまとめることが必ずしも自社にとって最適とは限りません。保障内容や手数料、運用方法などを確認し、必要に応じて他社のサービスとも比較するとよいでしょう。

「MY法人ポータル」など法人向けWebサービスが充実している

明治安田生命では、法人向けに複数のインターネットサービスを提供しています。代表的なものが、企業保険の契約者向けの「MY法人ポータル」で、オンラインで契約情報の閲覧や各種手続き、データのダウンロードなどが可能です。

このほか、契約内容の照会や事務保全手続きに対応する「GW支援システム」や、従業員・所属員向けの「みんなのMYポータル」などがあります。

さらに、公式サイトでは確定給付企業年金オンラインサービスや確定拠出年金事業主Webなど、企業年金関連のWebサービスが案内されています。

利用できるサービスや機能は契約内容によって異なるため、導入時に自社で利用できる機能を確認しておくとよいでしょう。

明治安田生命の法人保険が自社に合っているかの判断基準

法人保険に求める保障や制度は、企業規模や従業員構成、既存の福利厚生制度などによって異なります。

以下のような企業は、明治安田生命の法人向け商品・サービスを検討する余地があります。

団体保険を活用して福利厚生を充実させたい企業
死亡、医療、がん、就業不能などに対応する複数の団体保険が用意されているため、目的に応じて制度を検討できます。
福利厚生制度を新設・見直したい企業
企業負担型だけでなく、従業員が保険料を負担する自助努力型の商品もあり、既存制度に合わせて検討できます。
企業年金・退職金制度もあわせて検討したい企業
確定給付企業年金や確定拠出年金に関する商品・サービスも扱っています。
法人向けのWebサービスを活用したい企業
「MY法人ポータル」や「GW支援システム」など、法人の事務担当者向けサービスが用意されています。
保険会社の財務健全性に関する情報開示を重視する企業
ESRをはじめとした健全性指標や保険金等の支払状況などが公表されており、検討時の参考にできます。

一方、次のような場合は、明治安田生命だけでなく他社の商品も含めて比較するとよいでしょう。

保険料を特に重視する企業
法人保険の保険料は商品や保障内容、年齢、加入人数などによって異なります。同程度の保障条件で複数社を比較することが重要です。
希望する団体保険の加入条件に合わない企業
団体保険には商品ごとに加入資格や契約条件が設定されています。希望する商品を利用できない場合は、他の商品や他社の制度も選択肢になります。
必要な保障が限定されている企業
死亡保障など特定の保障だけを求める場合は、商品数や付帯サービスの多さではなく、必要な保障と保険料を中心に比較したほうが判断しやすくなります。
すでに企業年金や福利厚生制度を他社で整備している企業
既存制度との重複や管理コストも確認したうえで、追加導入するメリットがあるか検討する必要があります。

明治安田生命が適しているかどうかは、企業規模だけで決まるものではありません。導入目的と必要な保障を整理し、同じ条件で他社の商品と比較することが大切です。

よくある質問

明治安田生命の法人保険を検討するときに気になりやすいポイントを、Q&A形式で紹介します。

明治安田生命の保険料は他社より安いですか?

法人保険の保険料は、被保険者の年齢や保障内容、保険期間など、さまざまな条件によって変わります。そのため、明治安田生命が一律に「他社より安い」「高い」と判断することはできません。

自社にとって条件のよい保険を選ぶには、できるだけ保障条件をそろえたうえで複数の保険会社から見積もりを取り、保障内容と保険料を比較する方法があります。

複数社の商品をまとめて比較したい場合は、複数の保険会社を取り扱う保険代理店などに相談する方法もあります。

高齢者でも加入できる商品はありますか?

経営者向け生命保険のなかには、60歳以上でも契約年齢の範囲に含まれる商品があります。たとえば、新定期保険Eの被保険者の契約年齢範囲は16歳~90歳、新養老保険Eは16歳~75歳、新逓増定期保険は18歳~70歳です。

ただし、新定期保険E・新養老保険Eは保険期間、新逓増定期保険は逓増率変更年度によって契約可能年齢が異なります。また、商品によっては健康状態や職業などの告知が必要であり、年齢条件を満たしていれば必ず加入できるわけではない点に注意しましょう。

保険のシミュレーションはできますか?

法人向け生命保険については、明治安田生命の担当者などに相談し、希望する保障内容に応じた保険料や保障内容を確認できます。個別の条件によって保険料や解約返戻金の推移が変わるため、条件を具体的にしたうえで試算することが重要です。

また、複数の保険会社を取り扱う保険代理店に相談すれば、同程度の条件で複数社の設計内容を比較しやすくなります。保障内容や保険料、解約返戻金の違いを整理しながら検討したい場合は、こうした代理店を活用するのも一つの方法です。

まとめ

明治安田生命は、経営者向け保障だけでなく、団体保険や企業年金、各種法人向けサービスまで幅広く扱っています。ただし、商品やサービスの多さだけで、自社に合う保険会社かどうかが決まるわけではありません。

法人保険を選ぶうえで大切なのは、「どの商品がよいか」を先に考えるのではなく、経営上どのリスクに備えたいのか、従業員にどのような福利厚生を提供したいのかを整理することです。目的が明確になれば、必要な保障内容や契約条件も見えやすくなり、他社との比較もしやすくなります。

まずは自社に必要な保障と予算、既存の福利厚生・退職金制度を整理してみましょう。そのうえで明治安田生命を含む複数社の商品やサービスを同じ条件で比較し、必要に応じて保険会社や代理店へ相談すると、自社に合った選択肢を絞り込みやすくなります。

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