法人保険に加入する際には、支払った保険料を当期の損金に算入できる範囲(全額か一部か)によって、課税所得への影響が変わる場合があります。
日本生命ではさまざまな法人保険を取り扱っており、経営者の万が一の際や退職金への備え、従業員や役員の福利厚生などのために活用できる商品がありますが、保険料を全額損金算入できる商品はあるのでしょうか。
この記事では、日本生命が取り扱っている法人保険のうち「全額損金算入になり得るか」という観点で、経理処理の考え方を中心に解説します(実際の取扱いは契約内容・設計により異なります)。
関連:日本生命の企業概要・各商品の保障内容・活用方法はこちら!
日本生命には全額損金算入できる法人保険はある?

日本生命ではさまざまな保険商品を取り扱っていますが、法人保険もその中のひとつとして活用されています。
法人保険に加入する際には、支払った保険料が全額損金算入できるか、一部のみの算入になるのかによって、税務上の取扱いが変わることがあります。
法人保険は、主に「経営者のための法人保険」と「従業員のための法人保険」とがあり、支払保険料の取扱い(損金算入/資産計上)は契約類型や設計条件によって区分されます。
なお、2019年7月8日以後契約分の取扱いでは、定期保険・第三分野保険等について、最高解約返戻率等に応じて当期の損金算入と資産計上(前払保険料)の割合が定まる類型があります。
最高解約返戻率が50%超の契約は資産計上が必要となることがありますが、最高解約返戻率が70%以下で、かつ年換算保険料相当額が1被保険者あたり合計30万円以下の場合など、契約条件により取扱いが異なります。
では、経営者・従業員それぞれのための法人保険に加入した場合、保険料が全額損金算入となるのか、それとも一部のみの算入となるのか、経理処理の考え方を確認していきましょう。
経営者のための保障

経営者のための法人保険の役割として、主に次のふたつのことが挙げられます。
- 経営者に万が一のことがあった場合の、会社存続のための準備をしておく
- 経営者の退職金準備のための準備をしておく
日本生命には、こういったリスクに備えるための法人保険が用意されており、会社経営をサポートする目的のために活用されることがあります。
経営者のための保障として、具体的に日本生命には次のような法人保険があります。
- 長期定期保険
- 傷害保障重点期間設定型長期定期保険
- 逓増定期保険
ではそれぞれの法人保険に加入した場合、保険料が全額損金算入となるのか、商品の内容とあわせて見ていきましょう。
日本生命の法人保険①:「長期定期保険」は全額損金算入できる?
日本生命の法人保険「長期定期保険」は、その名の通り保険期間が長期間の定期保険です。長期にわたって死亡保障がつけられ、退職金などの財源準備として活用されることもあります。
日本生命の法人保険「長期定期保険」には、次のような特徴があります。
【経営者の万が一の際の事業保障資金や事業承継資金として活用できる】
経営者に万が一のことがあった場合に、死亡保険金を事業保障資金や事業承継資金として検討できることがあります。
社長が死亡してしまうと事業が停滞してしまう可能性があるため、死亡時の資金不足リスクに備える観点で検討されます。
さらに、経営者が死亡すると新しい経営者に事業承継することになりますが、その際に会社の資産などについて相続税がかかることが考えられます。その場合の財源も準備しておくことで事業承継をスムーズに進めることができます。
【経営者や役員の退職金の準備ができる】
長期定期保険は、設計によっては解約返戻金が生じることがあります。加入年齢や保険期間にもよりますが、加入してから10~30年程度で返戻率のピークを迎える設計となる場合があります。
退職時期に合わせて設計することで、退職金の財源準備として検討されることがあります。なお、ピーク期間が長い設計もあるため、退職の時期が多少前後する場合でも対応しやすいことがあります。
【責任準備金(保険料積立金)の水準】
長期定期保険は保険期間が長期にわたる設計のため、保険料の一部が積立てに充てられる場合があります。責任準備金(保険料積立金)の水準は設計によって異なり、将来の受取見込みにも影響する要素の一つです。
【契約貸付制度を利用できる場合がある】
長期定期保険では、契約貸付制度を利用できる場合があり、会社の運営上一時的にまとまった資金が必要になった場合の資金手段として検討されることがあります。
契約貸付制度とは、法人保険を解約することなく、解約払戻金相当額の所定の範囲内で借り入れできる制度です。
ただし、利用可否や上限額は契約内容によって異なり、借入である以上、利息が発生します。利用条件や注意点は契約内容で確認しましょう。
日本生命の法人保険「長期定期保険」は、保険料の払い込み期間によって次のふたつの種類があります。
- 契約者が法人で保険料払込みが保険期間全体の場合:「スーパーフェニックス」
- 契約者が法人で保険料払込みが短期間の場合:「ジャストターム」
「長期定期保険」は全額損金算入になりにくいケースがある
長期定期保険は、設計によって解約返戻金が生じるため、契約類型・最高解約返戻率等に応じて、支払保険料の一部を資産計上(前払保険料)する取扱いとなることがあります。
そのため、保険料の全額を当期の損金算入とできないケースがあります。実際の区分は設計書に基づいて判定されるため、加入前に経理処理を確認しておきましょう。
日本生命の法人保険②:「傷害保障重点期間設定型長期定期保険」は全額損金算入できる?
日本生命の法人保険「傷害保障重点期間設定型長期定期保険(プラチナフェニックス)」は、長期にわたって傷害死亡保障をつけることができ、退職慰労金などの財源準備として活用されることもある商品です。
「傷害保障重点期間設定型長期定期保険(プラチナフェニックス)」は、保険期間を第1保険期間と第2保険期間に分け、第1保険期間は傷害以外の原因で死亡した場合の保険金を抑制することで保険料を抑える設計となっています(詳細は契約内容により異なります)。
主な特徴は、次のように長期定期保険と同様の点が挙げられます。
- 傷害死亡保険金を事業保障資金の財源として検討できる
- 解約返戻金を退職慰労金として活用する設計がある
- 契約貸付制度を利用できる場合がある
「傷害保障重点期間設定型長期定期保険」は全額損金算入になりにくいケースがある
プラチナフェニックスについても、契約類型や最高解約返戻率等により、支払保険料の一部を資産計上(前払保険料)する取扱いとなることがあります。
そのため、保険料の全額を当期の損金算入とできないケースがあります。具体的な取扱いは設計書に基づいて確認しましょう。
日本生命の法人保険③:「逓増定期保険」は全額損金算入できる?
日本生命の法人保険「逓増定期保険」は、支払う保険料は一定ですが、保険金額が増加していく設計の定期保険です。
事業の拡大に伴い必要保障額が増える場面で、保障額の増加を見込める点や、退職慰労金等の財源準備として活用する設計がある点が特徴です。
「逓増率」とは死亡保険金額が逓増する割合のことをいい、逓増率変更年度の直前の保険年度までは年0%なので保険金額は一定となります。
そして、逓増率変更年度以後は年50%複利となり保険金額が逓増していきます(基本保険金額の最大5倍まで)。
そのほかの特徴は、前出のふたつの法人保険と同様に、経営者が死亡した際の事業保障資金や退職慰労金などに活用できることや契約者貸付金が利用できるといったことがあります。
「逓増定期保険」は全額損金算入になりにくいケースがある
逓増定期保険についても、契約類型や最高解約返戻率等により、支払保険料の一部を資産計上(前払保険料)する取扱いとなることがあります。
そのため、保険料の全額を当期の損金算入とできないケースがあります。具体的な取扱いは設計書に基づいて確認しましょう。
従業員のための保険

ここからは、日本生命で取り扱っている法人保険のうち、従業員の福利厚生に関連する考え方を見ていきましょう。
従業員向けの福利厚生を目的とする場合でも、保険料の損金算入の可否・範囲は、契約形態(被保険者の範囲や受取人の指定)や商品性、最高解約返戻率等によって異なります。
「福利厚生目的で加入すれば一律で全額損金算入」とは限らないため、設計書等で取扱いを確認し、必要に応じて顧問税理士等にも相談したうえで検討しましょう。
日本生命の法人保険で全額損金算入できる商品はある?のまとめ
日本生命の法人保険のうち、経営者の万が一のときや退職金の準備を目的として加入する場合は、契約類型や最高解約返戻率等の条件により資産計上が必要となることがあり、保険料の全額を当期の損金算入とできないケースがあります。
また、従業員や役員の福利厚生を目的とする場合でも、全額損金算入となるかどうかは契約条件で変わります。
会社が支払った保険料の取扱いを確認したい場合は、契約前に設計書等で経理処理の前提を確認し、税務上の論点も含めて検討を進めることが大切です。
■おすすめ関連記事:
法人保険で税金対策!節税の仕組みと効果について詳しく解説
法人保険比較.netの
専門家マッチングサービス

- 法人保険を経営に役立てたい
- いま加入している保険を見直したい
- 退職金制度や福利厚生を導入したい
- 事業継承や相続について考えてたい
- 税金対策や財務戦略を相談したい
法人領域を専門とするコンサルタントが、業界の傾向や各種法規も踏まえて"無料"で最適な保険プランを提案します。



















