「従業員の退職金を準備したい」「自社の福利厚生を充実させたい」と考えている経営者にとって、養老保険は検討されることの多い選択肢の一つです。
その中でもソニー生命の特殊養老保険は、死亡・高度障害の保障に加えて、満期に向けた資金準備を両立したい場合に検討されます。
この記事では、ソニー生命の特殊養老保険について、商品概要からポイントまで解説していきます。契約例(モデルケース)もあわせて紹介するので、養老保険を検討している方は参考にしてください。
ソニー生命 特殊養老保険
ソニー生命の特殊養老保険は、保険期間の前半は基本保険金額のまま推移し、後半は保険金額が基本保険金額の2倍に達するまで毎年増加(逓増)する仕組みが特徴です。
養老保険は、満期保険金の受取りを見据えた資金準備と、万が一(死亡・高度障害)への備えを両立したい場合に、福利厚生として従業員や役員の退職金原資づくりなどで活用されることがあります。
特殊養老保険は、後半に保障が増える設計のため、必要保障額が大きくなりやすい時期に備えたいケースでも検討しやすい商品です。
なお、解約返戻金・満期保険金の受取りは、契約年齢や経過年数、払込方法などで変わります。途中解約の場合は、解約時期によって返戻率が変動し、払込保険料累計額を下回る可能性もある点に注意しましょう。
では、実際どのような保険内容になっているのか、まずは概要から見ていきましょう。
基本内容
| 商品名 | 特殊養老保険 |
|---|---|
| 引受 保険 会社 |
ソニー生命 |
| 契約 形態 |
契約者:法人 被保険者:従業員/役員 満期保険金受取人:法人/被保険者 死亡保険金受取人:法人/被保険者の遺族 ※受取人の組み合わせ(契約形態)は設計により異なります。 |
| 保険 期間 |
満了年齢を設定(例:60歳満了/65歳満了/70歳満了) ※所定要件を満たす場合、満了年齢の延長が可能なことがあります。 |
| 契約 年齢 |
0歳~78歳 (契約年齢によって 保険期間・払込期間は変化します。) |
| 取扱 保険 金額 |
基本保険金額:50万円~4億9,995万円 |
| 保険料 払込 回数 |
月払・半年払・年払から選択 |
| 保険料 払込 期間 |
保険期間満了まで |
| 付加 できる 特約 |
・平準定期保険特約(喫煙リスク区分型含む) ・無解約返戻金型平準定期保険特約 ・無解約返戻金型収入保障特約(無配当) ・逓減定期保険特約 ・災害死亡給付特約 ・傷害特約 ・がん特約 ・リビング・ニーズ特約(04) ・5年ごと利差配当付年金支払特約 ・買増権保証特約(92) |
支給される保険金
| 死亡 保険金 |
被保険者が保険期間中に 死亡したとき |
|---|---|
| 高度 障害 保険金 |
傷害または疾病が原因で 所定の高度障害状態に なったとき |
| 満期 保険金 |
保険期間満了まで 生存していたとき |
付加できる特約
平準定期保険特約(喫煙リスク区分型を含む)
被保険者の死亡・高度障害状態を一定期間保障する特約です。健康状態や喫煙状況など所定の基準を満たす場合、保険料が割安になる「喫煙リスク区分型」を選択できることがあります。
無解約返戻金型平準定期保険特約
平準定期保険特約と同様の保障内容で、保険期間を通して解約返戻金がないタイプです。その分、保険料負担を抑えたい場合に検討されます。
無解約返戻金型収入保障特約(無配当)
被保険者が死亡・高度障害状態になった場合に、所定の条件のもとで年金形式(毎月)で保障を受け取れる特約です。収入減少への備えとして検討されます。
逓減定期保険特約
保険期間の経過に応じて、保険金額が段階的に減少する特約です。必要保障額が時間とともに減っていく場合などに、合理的な保障設計として検討されます。
がん特約
所定のがんと診断されたときや、がんによる所定の入院・手術の際などに給付金が支給される特約です。死亡保障だけでなく、がんに重点を置いて備えたい場合に検討されます。
リビング・ニーズ特約(04)
被保険者が医師により余命6ヶ月以内と判断されたとき、死亡保険金の一部または全額を生前に受け取れる特約です。請求できる範囲や条件は、約款・重要事項説明書等で確認してください。
災害死亡給付特約
不慮の事故など所定の支払事由に該当した場合に保険金が支払われる特約です。支払事由・対象期間などは商品ごとに定められています。
傷害特約
不慮の事故により所定の期間内に死亡したときなどに保険金が支払われる特約です。また、不慮の事故により所定の身体障害状態になったときには、障害の状態に応じた給付金が支払われます。
5年ごと利差配当付年金支払特約
死亡保険金・高度障害保険金・解約返戻金相当額などを、確定年金や保証期間付き夫婦年金などの形で受け取れる特約です。受取方法や年金種類は所定の範囲で選択します。
買増権保証特約(92)
被保険者の健康状態にかかわりなく、将来新たに保険を買い増す権利(買増権)を一定の範囲で保証する特約です。買増対象となる保険種類などに制限があります。
※特約の付加にあたっては所定の制限があり、付加できないこともあります。
ソニー生命 特殊養老保険のポイント
ここからは、特殊養老保険について、ポイントを3つに分けて解説していきます。
ポイント①
満期に向けた資金準備と、死亡・高度障害保障を両立
ソニー生命の特殊養老保険は、満期保険金による資金準備と、死亡・高度障害保障を同時に確保したい場合に検討されます。
特徴は、満期倍率を「2倍」で設計した場合、満期時に基本保険金額の2倍の満期保険金を受け取れる仕組みであること(※払込保険料累計額の2倍を意味するものではありません)。
また、保険期間の後半は保障が毎年増加し、最大で基本保険金額の2倍まで逓増するため、必要保障額が増えやすい時期に合わせた設計がしやすい点もポイントです。
ポイント②
税務上の取扱い(損金算入・資産計上の考え方)
養老保険の保険料の税務上の取扱いは、契約形態(死亡保険金・満期保険金の受取人など)によって異なります。
下記に、契約形態と保険料の代表的な経理処理の考え方をまとめました(実務では個別事情により取扱いが変わることがあります)。
| 被保険者 | 死亡 保険金 受取人 |
満期 保険金 受取人 |
保険料の 経理処理(目安) |
|---|---|---|---|
| 従業員・ 役員 |
法人
|
法人
|
全額資産計上
|
| 従業員・ 役員 |
被保険者の遺族 | 被保険者 | 全額を給与(損金) (会社:給与として費用計上/個人:課税対象) |
| 従業員・ 役員※ |
被保険者の遺族 | 法人 | 1/2資産計上+1/2損金算入 (いわゆる福利厚生プラン等) |
| 特定の 従業員・ 役員※ |
被保険者の遺族 | 法人 | 1/2資産計上+1/2を給与(損金) (対象範囲・実態により取扱いが変わることがあります) |
※役員や部課長など特定の使用人(これらの者の親族を含む)のみを被保険者としている場合など、契約の実態により、上記の「損金算入部分」が給与として扱われることがあります。
また、給与扱いとなる場合は、個人の所得税・住民税や、会社負担分を含む社会保険料の影響が出ることがあるため、設計目的とあわせて確認が必要です。
税務上の取扱いは、契約形態だけでなく、対象者の範囲(福利厚生としての位置づけ)や社内規程の整備状況なども含めて判断されます。実際の経理処理・税務判断は、税理士・所轄税務署等へ確認してください。
ポイント③「契約者貸付制度」と「払済保険への変更」
養老保険には、契約者貸付制度や、払済保険への変更など、資金繰りに配慮した制度が設けられています(利用には所定の条件があります)。
契約者貸付制度
契約者貸付制度は、解約返戻金の所定の範囲内で、保険会社から資金の貸付を受けられる制度です。
急遽まとまった資金が必要になった場合、保険を解約して解約返戻金を受け取る選択肢もありますが、解約すると保障は終了します。契約者貸付を利用すれば、保障を維持したまま資金を確保できる可能性があります(貸付には利息がかかり、返済状況により契約内容へ影響する場合があります)。
払済保険への変更
払済保険への変更は、ある時点で以後の保険料払い込みを停止し、その時点の解約返戻金等をもとに、保障内容を見直した形で契約を継続する取扱いです。
一般に、変更後は保険金額が少なくなるなどの注意点があり、特殊養老保険の特徴である後半からの逓増が継続しない場合もあります。資金状況や目的に合わせて、担当者と条件を確認しながら検討するとよいでしょう。
なお、特殊養老保険には、似た制度として「延長保険への変更」が用意されていることもあります。こちらは、変更時点の保険金額を維持する代わりに、解約返戻金等をもとに保険期間が再設定されるなど、取扱いが異なります。
保険料と解約返戻金
ここからは、実際に契約した場合に保険料と解約返戻金・満期保険金がどのように推移するか、モデルケースをもとに見ていきましょう。
保険料・解約返戻金の契約例(モデルケース)
契約例:35歳男性 基本保険金額:500万円
満期保険金倍率:2倍(満期保険金:1,000万円)
保険期間・保険料払込期間:65歳満了(65歳まで払込)
月払保険料:29,120円(個別扱の例)
|
年齢
|
経過年数
|
支払
保険料 累計(概算) |
解約
返戻金(推定) |
解約
返戻率(概算) |
|---|---|---|---|---|
| 45歳 | 10年 |
349.4
万円 |
308
万円 |
88.1%
|
| 51歳 (逓増開始) |
16年 | 559.1 万円 |
506 万円 |
90.5% |
| 55歳 | 20年 | 698.9 万円 |
641 万円 |
91.7% |
| 65歳 (満期) |
30年 | 1,048.3 万円 |
1,000 万円 |
95.4% |
このモデルケースでは、満期時に満期保険金(1,000万円)を受け取れる一方、保険料総額は払込方法や保険料率等により満期保険金を上回ることもあります。途中解約の場合も、時期によって返戻率は変動するため、「いつ資金を使うか」まで含めた設計が重要です。
こんな方におすすめ
ソニー生命の特殊養老保険は、たとえば以下のような企業・経営者に向いています。
- 福利厚生として、従業員・役員の退職金原資を計画的に準備したい
- 死亡・高度障害への備えと、満期に向けた資金準備をあわせて検討したい
特殊養老保険は、保障が後半に向けて増加する設計のため、必要保障額の山に合わせた備えを検討したい場合にも選択肢になります。
また、税務上の取扱いは契約形態によって異なり、福利厚生プラン等として設計する場合に「1/2損金(+1/2資産計上)」となるケースがあります。いずれにしても、目的(福利厚生・退職金準備・保障)に合った設計になっているかを優先し、実際の処理は専門家に確認することが大切です。
特殊養老保険を検討する場合は、まずは設計書で保険料、解約返戻金の推移、満期倍率、特約の付加可否などを確認し、他の選択肢も含めて比較検討すると安心です。
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