法人保険の節税商品が見直しへ

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【節税保険が販売停止】国税庁の新ルールを解説

「節税保険」とは基本的に、法人を契約者とする定期保険のことを指しますが、2019年2月14日に国税庁が「解約返戻率が50%を超える法人向け定期保険」「法人向け第三分野商品(がん保険等)」の税制上の取扱いルールの変更を検討していることを各保険会社に通達したことで、各生保会社は法人保険の定期保険のうち、解約返戻率が50%を超える商品の販売を一時停止しています。

決算対策の一つの手段となっていた「節税保険」でしたが、今後は節税効果が下がるような措置が取られると予想されてきました。

そして、2019年4月11日、国税庁が法人保険のルール改正案を公表しており、これに対する意見公募(パブリックコメント)が行われて2019年6月28日に当初の改正案を修正した通達改正が出されました。

やはり、今後、法人保険は節税対策として効果が小さいく改正されており、経営者にとって影響が出ることは否定できない内容となっています。

この記事では国税庁が公表した新ルール(通達改正)の解説を行いますので、法人保険を検討している経営者や企業の経理担当の方はぜひ参考にしてください。


損金取扱いと返戻率を理解して法人保険の仕組みを知る

国税庁が定めた法人定期保険の新たな税務ルールは通達改正により以下になりました。

定期保険のピーク時解約返戻率と資産と損金の取扱い概要一覧

ピーク時の返戻率 項目 取扱
50%以下 資産計上不要(全額損金算入)
50%超
70%以下
資産計上
期間
保険期間開始~前半4割期間
※一被保険者の年換算保険料合計額が30万円以下の場合は資産計上不要
資産取り崩し
方法
前半3/4期間経過後から均等取り崩し
資産計上
割合
支払保険料×0.4(6割損金算入)
70%超
85%以下
資産計上
期間
保険期間開始~前半4割期間
資産取り崩し
方法
前半3/4期間経過後から均等取り崩し
資産計上
割合
支払保険料×0.6(4割損金算入)
85%超 資産計上
期間
① 保険期間開始~解約返戻率ピーク時まで
② 1の期間経過後において、年換算保険料に対する解約払戻金の増加割合が0.7を超える期間があれば、保険期間開始からその期間の終わりまで
③ 1または2の期間が5年未満の場合は、5年間
(保険期間10年未満の場合は、保険期間の1/2期間)
資産取り崩し
方法
解約返戻率のピーク年度経過後から均等取り崩し
資産計上
割合
当初10年間:支払保険料×ピーク返戻率×0.9
11年目以降:支払保険料×ピーク返戻率×0.7

国税庁が公表した新ルール案は、生命保険などの「定期保険」について保険料の損金算入割合を、解約返戻金のピーク時の返戻率によって決めるというものになりました。

そして、損金算入されない部分は資産計上を行い、規定に従い取り崩していく必要があります。

定期型法人保険の最高解約返戻率によって損金処理できる金額や期間が異なるので注しましょう。

なお、解約返戻金のない定期保険は、純粋な保障のみを目的とした商品であるため、保険料は全額損金計上が可能です。

解約返戻金のある定期保険は新たに資産計上が必要になったので、経理処理の場合で不明点がある場合は、顧問先の税理士等に確認して下さい。

通達改正についてより詳しく知りたい方は国税庁の公式ホームページで確認することも可能ですが、文章は分かりにくいので法人保険や税金のプロに相談するほうが無難です。


通達改正で短期払いの第三分野保険(終身保障)も追加

2019年6月25日に国税庁は、法人契約のがん保険や医療保険など第三分野商品について、全額損金算入できる保険料の範囲を1契約当たり年間30万円までに制限することを通達しました。

今まで法人が加入する終身契約のがん保険や医療保険は、保険料の支払い期間を2年や5年などに短く設定することで年間の保険料が数百万円にも及び、全損により多額の損金を算入することで節税効果を高めていました。

全額損金の算入範囲が年間の保険料で30万円に制限されることで、保険料を極端に短期払いするメリットは少なくなることは間違いありません。

また、超短期払いが不可能になったことで、医療保険の名義変更で法人名義から経営者個人名義に変えるケースを防ぎたい国税庁の意図も見て取れます。

国税庁の当初案では、年間保険料は20万円とされていましたが、パブリックコメントの意見を反映して30万円までに緩和されています。


販売停止となる法人保険の商品は?

全額損金計上できる商品は通達改正に該当する理由で販売停止

上記で紹介した通り、国税庁による通達改正によって保険料を損金100%として計上できなくなったので、今まで節税対策として活用されてきた返戻率が50%超の逓増定期保険などの商品は販売停止となります。

実際、日本生命など多くの生保会社では、国税庁の通達改正が出る前の早い段階で節税商品の販売停止を行って、新ルールの動向を見守っていました。

また、販売停止とならない場合でも、ピーク時の解約返戻率によって保険料を損金と資産に分けて計上しないといけなくなります。

したがって、節税対策として利用されてきた高い解約返戻率の法人保険は今後はニーズが無くなっていくため、新ルールに対応した商品へと変わっていくでしょう。


既に解約返戻率50%超の法人保険に加入している場合の対策方法

では、既に損金100%とで計上してきた節税保険はどうなるのか、中小企業の社長にとっては心配になりますよね。

販売停止になれば、自分たちの加入している法人保険も廃止されてしまうのか。

それとも、新たなルールに適用した税務処理が求められるのか。

これについては、国税庁は既契約の節税保険については、通達改正を適用しないと発表しました。

詳しく確認していきましょう。


新ルールは過去の契約には遡及されないと国税庁が発表

各保険会社がルール変更で気にしていたことの一つとして、過去に契約した法人保険にも新ルールが適用されるのか、それとも今まで通りの損金算入割合が認められるのか?ということでした。

今回の国税庁の通達改正によると、税制改正は過去の契約に遡及して適用されません

したがって、過去に契約した法人保険んであれば、継続して同様の経理処理および税務処理が可能となります。

なお、「最高返戻率による保険料の取扱い」と、「第三分野に関する短期払い終身保険」の2つは、基準日が異なるので注意してください。

法人保険 新ルールの適用日
最高解約返戻率に関する保険料の取扱い 2019年7月8日以降
第三分野の短期払い終身保険 2019年10月8日以降
以上のことから、新ルール適用日前までの法人保険については、従来通りの経理処理が認められることになります。


【まとめ】通達改正に伴う保険会社の販売停止・新商品動向も要注意

国税庁の税制改正に伴う新ルールへの変更により、これまでのように決算対策で法人保険を利用する機会は減ることが予想されます。

今後は、節税対策の効果が期待できなくなるからです。

今ままで節税法品として人気の高かった商品は販売停止となっていくことが予想されます。

次に注目したいことは、「各保険会社がルールの変更にどのように対応するのか?」という動向もチェックしておきたいところです。

これまでも、国税庁と保険会社の間では節税効果のある商品が販売と規制を繰り返してきた過去があります。

現在は、上記に関係する法人保険の募集を停止している保険会社もありますが、通達改正に対応した新たな節税商品が順次発売されていくと思います。

税務処理や経理処理で2019年から2020年は変更処理で混乱が生じることが予想されますが、当サイトでは引き続き有益な情報を発信していくので、ぜひ参考にしてください。
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