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損害保険
役員賠償責任保険

D&O保険の概要と必要性を解説

役員賠償責任保険

役員は会社経営を進めていくうえで重要な役割を担っているため、法律などで定められている責任範囲も広いです。

役員が安心して職責を果たすためには、損害賠償責任を負うリスクに備えておくことが必要になってきます。そのリスクをカバーする方法としては、「役員賠償責任保険」に加入することが有効な手段の一つ。

役員賠償責任保険とは、損害賠償責任を負った場合のリスクについて広くカバーしてくれる保険です。

今回は、会社役員のための「役員賠償責任保険」の特徴や加入するメリットなどについてお伝えします。

どんな補償?役員賠償責任保険の概要

役員賠償責任保険とは、会社の経営に責任がある役員が損害賠償請求を求められた場合に、賠償金や弁護士費用などをカバーする保険で、D&O保険と略されることもあります。

D&Oとは、「Directors and Officers」の略で、取締役や監査役などの役員のことを指す言葉です。保険期間中に選任された役員も補償対象に含まれます。

役員に就任した場合は、役員賠償責任保険に加入することを検討しましょう。

この保険の概要を理解するためには、まず賠償責任保険について知っておくことが必要です。保険にはさまざまな種類があり、大きく「第一分野の生命保険」、「第二分野の損害保険」、「第三分野の医療保険等」にわけられます。

生命保険は、被保険者が死亡した場合に受取人になっている遺族などに保険金が支払われるタイプの保険で、遺族などの生活を守っていく役割があります。

損害保険としては、火災保険や自動車保険などが有名です。被保険者自身や被保険者が保有している財産などに損害が発生した場合に、その損害を保険金でカバーできます。

損害保険には、地震保険や傷害保険などに加えて賠償責任保険も含まれます。

第三分野の保険としては、がん保険を含む医療保険や働けなくなった場合に収入補填として使える収入保障保険などがあげられます。

その中でも役員賠償責任保険は損害保険のひとつで、被保険者が日常生活中や業務遂行中などによって第三者に対して法律上の賠償責任を負った場合に、支払うべき賠償金などについて保険金が支払われるものです。

被保険者を会社役員に限っている点がこの保険の最大の特徴でしょう。

一般的な賠償責任保険とは別に役員賠償保険が用意されている理由は、会社役員の損害賠償リスクが大きく、顧客や取引先などから損害賠償を求められる事態になった場合の賠償金が多額になる可能性があるからです。

役員は、会社を適切な経営判断を行って事業を進めていく責任があります。業績を伸ばすことはもちろん、会社の損失を最小限に抑えるために手を尽くすことも求められています。

役員が果たすべき3つの責任

  • 善管注意義務
  • 利益相反取引回避義務
  • 監視・監督業務

会社役員が会社に対して負っている責任は、役員として相当な注意を尽くして業務遂行すべきという善管注意義務や、取締役会の承認なしに会社と売買を行ったり、会社に自らの借金の保証人になってもらったりするなどの利益相反取引回避義務、自分以外の取締役が法令や会社のルールを守っているかを監視する監視・監督業務などがあげられます。

また、取引先や株主などの第三者に対する責任もあります。範囲は広く、重責を担っている立場だと言えます。

そのため、損害賠償責任を問われた場合は、役員個人の資力では対応できない賠償金の支払いを求められる可能性があるのです。

ですので、役員賠償責任保険は、役員個人の財産や生活を守るために大きく役立ちます。

役員の賠償責任が問われるシチュエーション

役員賠償責任保険に加入する場合は、役員として損害賠償金の支払いが必要となるケースを理解しておくことが重要です。

役員は、株主や取引先などの第三者、そして会社などに対して責任を負っています。それぞれについて、具体的に賠償責任が問われる状況を把握しておきましょう。

まず、株主から賠償責任を問われるケースです。代表的な例としては、株主代表訴訟を受けるケースがあげられます。

株主代表訴訟とは、会社に代わって株主が会社に損害を与えた役員を訴えるものです。特定の役員の行為によって会社が損害を受けた場合、会社がその役員に対して責任を追及します。

しかし、役員同士の仲間意識などによって責任追及を十分に行わないこともありえます。また、役員同士が結託して会社に損害を与えている場合は、役員同士の監視は機能しないでしょう。

そういった場合に、株主が会社に代わって訴訟を起こすことになります。株主代表訴訟は、会社法に定められている株主保護制度のひとつで、訴訟件数は増加傾向にあるといわれていますので、役員賠償責任保険に加入して訴訟リスクに備える必要があるでしょう。

続いて、第三者から賠償責任を問われるケースです。第三者の範囲は広く、得意先や仕入先、融資を受けている金融機関などだけでなく、商品やサービスを購入した顧客や自社の従業員なども含まれます。

また、株主代表訴訟によらず投資家個人が訴えるケースや近隣住民からの訴えを受けるケースも第三者に含まれます。第三者は、役員の故意や過失に対して民法上の不法行為責任を問うことが可能です。

さらに、役員は会社法上の特別責任も負っており、一般の従業員よりも責任追及を受けやすい立場にあります。

ただし、商品やサービスそのもの欠陥によって顧客が損害を受けた場合は、生産物賠償責任法の対象となり、生産物賠償責任保険で損害賠償に関する補償を受けることになります。

その場合は、役員賠償責任保険の対象外です。第三者の範囲の広さを考慮すると、役員が訴訟を受けるリスクは常に存在しているといっても過言ではありません。それでも思い切った経営判断が求められることもあります。

役員として安心して職責を果たすためにも役員賠償責任保険に加入して訴訟リスクに備えることが重要です。

ただし、株主代表訴訟のリスクに関しては、特約で補償することになる契約が多いため、株主からの訴訟に備えるためには、特約を付けておくようにしましょう。

最後は、会社から損害賠償責任を追及されるケースです。特定の役員による一定の行為によって会社が損害を被った場合、その役員は取締役会などで追及されることになります。取締役には監視義務があるからです。

その結果、取締役を解任されるだけでは済まず、役員個人の財産による賠償を求められることもあります。一般的に、会社の取引によって生じる損害は、個人が生活で負うことになる損害よりも多額です。

役員賠償責任保険の基本補償では、会社が自社の役員を訴える場合については対象外となっているケースが多いです。

そのため、役員自身が会社から訴えられた場合に備えるためには、会社からの訴訟も補償範囲に含める保険契約を選んで契約する必要があります。この場合、会社が加入するのではなく役員個人が加入する可能性もあるでしょう。

この保険でカバーできる範囲とは?

賠償責任保険は株主や第三者、そして会社からの訴訟リスクに備えることができる保険です。しかし、万能ではありません。

加入する前に、役員賠償責任保険でカバーできる範囲を把握しておくことも大切になります。補償範囲に関して理解すべきポイントは4つあります。

ポイント4つ

  • 支払われる金額の範囲
  • 補償金額の上限や役員対象範囲に関すること
  • 一般的な役員賠償責任の場合、全世界が対象となる
  • 損害賠償の原因となる行為が保険加入前であっても対象となる

1つ目は、支払われる金額の範囲です。損害賠償責任を負った場合に支払うことになる損害賠償金が補償対象になります。

敗訴した場合に確定する損害賠償金だけでなく、示談が成立して訴訟が取り下げられた場合に支払う示談金や和解金なども補償対象です。いずれの場合も、法律上の損害賠責任を負っていることが保険金の支払い条件になります。

また、賠償金などだけでなく、訴訟に関する付帯費用も補償の対象です。あらかじめ保険会社に同意を得ている場合は、初期対応費用や訴訟対応費用に対しても保険金が支払われるのが一般的です。

訴訟を受けた場合は、弁護士に対応を依頼することになります。その場合の報酬や着手金などが補償対象です。

さらに、訴訟になる前段階のクレーム対応や弁護士への相談費用など解決や応訴のために負担したさまざまな費用が補償されることになります。

2つ目のポイントは、補償金額の上限や役員対象範囲に関することです。補償上限は保険会社や契約によって異なります。

一般的な契約の場合、役員全員で10億円程度に設定されているケースが多いです。ただし、賠償金が高額化する傾向にあるといわれていますので、特約によって数十億円まで引き上げることが可能な契約を用意している保険会社もあります。

また、各役員の報酬に基づいて上限が設定される場合もあることを知っておきましょう。さらに、社外取締役を含めるのか否かについても特約によって含められるケースがあります。

上限金額や補償対象者の範囲については、自社に合ったものにするように、加入前に検討する必要があります。

3つ目は、一般的な役員賠償責任の場合、全世界が対象となることです。

個人向けの賠償責任保険は、国内だけに補償対象を限っていることが多いですが、役員賠償責任保険の場合は、国外からの訴訟を受けた場合でも補償対象となります。グローバルに活動している会社の役員の場合は、心強い味方となってくれるでしょう。

4つ目は、損害賠償の原因となる行為が保険加入前であっても対象となることです。

役員に就任した途端に株主代表訴訟を受けた場合、損害の原因となる行為が自分以外の役員にあり、就任前の行為だったとしても、役員として連帯責任を問われる可能性があります。

そういった場合でも、役員賠償責任保険による補償を受けることが可能です。保険契約によって原因となった行為についてどのぐらいの期間さかのぼって有効とするかの条件は違います。

契約によっては、10年以内とするものもありますが、無制限とされている場合もあります。ただし、契約前の行為について損害賠償請求が行われた場合について免責とする契約もありますので、契約内容をよく確認することが重要です。

要注意!保険適用外のケース

役員賠償保険に加入した場合でも保険金が支払われないケースがありますので、免責条件については注意しておく必要があります。まず、役員の行為内容です。保険適用の対象外となる主なケースは5つあります。

役員の行為内容

  • 役員が私的な利益などを違法に受けた場合
  • 役員の犯罪行為や法令違反だと認識しながら行った行為
  • 役員に対して違法に役員報酬や役員賞与などが支払われた場合
  • インサイダー取引等に該当する行為
  • 違法な利益供与を行った場合

4つ目は未公表の情報によって違法に自社の株式等の売買を行った場合は保険金支払いの対象になりません。5つ目は政治団体や取引先役員・従業員に対しての贈賄などが行われた場合は保険適用の範囲外となります。

続いて、保険期間との関係で適用対象外となるケースですが、こちらは3つのケースを理解しておきましょう。

保険期間との関係

  • 保険期間開始日前にすでに会社に対する訴訟が行われていた場合
  • 保険期間終了後に訴訟があった場合
  • 損害賠償請求を受けるおそれがあったことを役員が知っていた場合

1つ目は、保険期間開始日前にすでに会社に対する訴訟が行われていた場合です。契約によっては、訴訟の原因となる行為が保険期間開始前でも適用対象とする場合があります。

役員の行為、保険期間関係以外でも適用対象外となるケースが2つをご紹介しておきます。

上記以外

  • 環境汚染や原子力危険に関連する損害賠償請求
  • 自社の役員を会社が訴える場合

1つ目は、賠償額が巨額になる可能性が高く特殊なケースであるため、別の保険などでカバーすることになります。

2つ目は、自社の役員を会社が訴える場合で、契約によって補償対象外となる場合があります。基本補償しかカバーしていない契約の場合は対象外となっているのが一般的です。

そのほかにも免責となるケースはあります。契約内容はよく確認しておきましょう。

役員賠償責任保険は損金算入可能

役員賠償責任保険は、役員が損害賠償請求を受けることについて広くカバーしてくれる保険です。

この保険に加入することによって、役員が安心して役割を果たすことができる環境を整えることができます。

大企業の場合は、損害賠償金が多額になることが多いため加入は必須でしょう。しかし、中小企業の場合でも株主代表訴訟などが増加している傾向があるといわれています。

そのため、規模にかかわらず会社として役員賠償責任保険に加入することは有効なリスク管理の方法です。

幸いなことに保険加入によって生じる保険料は、法人税法上の損金として認められます。

賠償の訴訟リスクに備えながら、結果的に税金対策にもつながる点がメリットです。

いざ訴訟を受けたときになって「役員賠償責任保険に加入しておけばよかった」と後悔することがないように加入をしておきましょう。

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