施設・建物に関する法人保険

損害保険

施設賠償責任保険は必要?保障内容を解説

法人向けの損害保険のひとつとして、「施設賠償責任保険」があります。

事業活動のため、施設を保有している経営者の方も多いのではないでしょうか。こちらの損害保険は、そのような企業の経営リスクに備えた保険です。

一般的に、火災保険の特約としてこの施設賠償責任保険に加入をすることができますが、施設賠償責任保険単独で保険契約を行うこともできます。

商品によりますが、施設賠償責任保険のメリットは高額な補償に対し、保険料が安いこと。契約条件によっては、最大5億円の補償を年間数千円の保険料で得ることも可能です。
特に、個人で物件を持っている大家などはこの施設賠償責任保険への加入を一度は検討するべきだと言えます。

また、賃貸物件以外にも事業活動のため、工場や事務所、商業施設などの建物を保有している経営者の方も多いかと思われます。
日々、どれほど経営者が保有している施設の管理や業務の遂行に注意を払っていたとしても、予期せぬ事故が発生してしまう可能性はゼロではありません。

建物の欠陥や管理の不備から事故が起きた場合、数億円もの賠償金を請求されることも考えられます。

そのため、被害者に対する補償はもちろん、ひいては会社を守るためにも、法人を対象とした損害保険に加入することを考えておくことが大切です。

こちらでは、施設賠償責任保険の基本的な特徴と補償内容、加入することのメリットとデメリットについて、詳しく解説をしていきます。


はじめに:施設賠償責任保険とは

施設賠償責任保険の概要 まず施設賠償責任保険とは、法人や個人事業主が管理する施設や建物で発生した賠償事故に対して、補償を行ってくれる損害保険を指します。

施設賠償責任保険の保障内容
  • 建物や施設の構造上の欠陥・管理不備によって事故が発生し、第三者が損害を受けた場合
  • 施設内外で行われる生産、サービス、販売業務での第三者への損害が発生した場合

  • 施設賠償責任保険は、保険会社や保険商品などによって、対象となる補償の範囲や補償額は異なってくるものの、多種多様な業種で加入メリットがあることが特徴です。

    また、被害者に対する補償を行うだけでなく、訴訟になった際の弁護士費用や訴訟費用も施設賠償責任保険の保険金が支払われる対象となります。

    ただ、あくまでも施設賠償責任保険は社外の相手に対する補償を行う保険であって、社内の人間を守るためのものではありません。

    会社が被った損害や従業員がケガなどをした場合には、別の保険で補う必要がある点にも注意をしなければいけません。


    ■施設賠償責任保険の補償対象例
    施設賠償責任保険の保障対象例
    施設賠償責任保険が適応される例としては、自動車で商品を配達中に通行人と衝突してケガを負わせてしまった場合や、施設の壁が崩れて外部の人にケガを負わせてしまった場合などが挙げられます。

    また、飲食店で接客担当者がお客さんにお茶をこぼして服を汚してしまったときや、インストラクターが講習中に生徒をケガさせてしまった場合にも施設賠償責任保険を適用することが可能です。

    保障内容を確認すると特に、不特定多数の人の出入りがある職場において、施設賠償責任保険は役立つといえます。


    さらに、施設賠償責任保険は、内容によりますが、補償内容の大きさと比較して、保険料が割安であるのもメリットです。

    他にも、施設賠償責任保険の補償対象となる施設は、事業の用途として使う場所であれば、工場・事務所・倉庫・資材置き場・映画館・プール・ロープウェイ・リフトなど、幅広い種類の施設が挙げられます。


    特に、イベント会場やレジャー施設の運営など手広くビジネスを展開している場合には、不測の事故が発生する可能性も上がります。

    施設や建物の管理側は、たとえ過失でなかったとしても第三者に損害を与えた時点で賠償責任を負ってしまう可能性があるので、施設を利用する事業を行う場合は、施設賠償責任保険に加入しておくことがおすすめです。

    事業計画を立てる際は、早い段階で施設賠償責任保険への加入を検討しましょう。


    具体的な補償内容と事故例

    第三者に対する保障内容
    施設賠償責任保険は保険商品にもよるものの、基本的に補償範囲はどの商品もほぼ同じものです。

    法律上発生する損害賠償金や、賠償責任に関する訴訟費用や弁護士費用、求償権の保全などの損害防止軽減費用などを保険金として受け取ることができます。

    また、事故が起きて第三者がケガをし、応急手当などの緊急措置費用が発生してしまった時や、保険会社の要求に伴った協力費用なども施設賠償責任保険でカバーしてくれます。

    実際の補償額は、契約内容によって変化し、保険料も施設の規模や業務内容などによって異なります。

    注意点として、施設賠償責任保険は、国内で発生した事故を想定しているため、海外にある施設で起こった事故は保険の対象外となる点が挙げられます。

    海外で事業を展開している場合は、現地の保険に加入する必要があるでしょう。


    施設賠償責任保険に多くの補償内容をつけてしまうと、それだけ保険料も割高になってしまいがち。

    会社の事業内容をよく踏まえたうえで、本当に補償が必要だと思われる部分をしっかりと検討しましょう。

    あらかじめ業務上で想定されるリスクを考えておくことも、安定した経営を行っていくためには必要だと言えます。


    施設賠償責任保険の特約

    加入する保険の種類によって異なるものの、施設賠償責任保険にはさまざまな特約をつけることが可能です。


    借用イベント施設損壊補償特約
    イベントのために借りた施設や施設内の備品を突発的な事故によって、破損または汚損したときに保険金が支払われるものです。

    1回の事故あたりの支払限度額が決められているものの、火災や爆発、水漏れなどのときは免責金額が適用されずに保険金がそのまま支給されます。

    しかし、借用施設の修理工事や経年劣化による摩耗などには、保険金は支払われません。

    漏水補償特約
    給排水管などから蒸気や水が噴出して他人の財物を滅失・破損・汚損したときに保険金が支払われます。

    工事発注者責任補償特約
    被保険者が施設やエレベーターなどの修理・改造・取り壊し工事の発注者である場合の特約です。

    工事の手順や指示のミスによって、他人の生命を害したり、財産を滅失・破壊・汚損したりしたときに保険金が支払われます。

    飲食物危険補償特約
    お祭りやイベントといった場面で提供した飲食物が原因で、第3者の身体に障害を与えた場合に保険金が支払われるものです。

    被保険者側に重大な過失などがある場合には、保険金は支払われません。

    来訪者財物損害補償特約
    施設内で保管する来訪者の自動車やバイク以外の財物が滅失・破損・汚損もしくは、紛失・盗難に遭ったときに保険金が支払われるものです。


    実際の事故例

    施設不備または欠陥が原因となる事故では、どの程度の賠償請求が発生するのでしょうか。

    こちらでは、実際に起きた事故例を元に、業種・事故内容・賠償額をそれぞれご紹介いたします。


    ■施設賠償責任保険 実際の事故例
    ※この表は横にスクロールできます
    業種 事故内容 事故原因 分類 賠償額
    スキー場 スキー場で滑走中の客が転倒。後遺症が残った。 施設管理不備 対人 14,000万円
    不動産賃貸 ビルの配水管が詰まったことのより、汚水・雑排水が住宅部分とテナント数店に濡れ損を与えた。 施設管理不備 対物 13,000万円
    学校 校内で下駄箱が倒れ、清掃中の生徒が下敷きになり負傷した。 施設管理不備 対人 5,000万円
    小売り スポーツショップに立てかけられていたスキー板が倒れ、客にあたり負傷。後遺症が生じた。 施設管理不備 対人 3,000万円
    アミューズメント施設 施設内のアトラクションで客の体の一部が挟まれ後遺症が生じた。 施設構造の不備 対人 4,000万円

    このように、それぞれの事故で約4,000万円~1億4,000万円もの高額な賠償請求が発生しています。

    普段の定期的な施設メンテナンスだけでは賄えない事故・損害リスクは皆さんの想像以上に大きなものです。

    今一度、施設・建物を保有する法人・個人事業主といった経営者の方は、施設賠償責任保険に加入をしているかどうかの確認を行いましょう。


    保険加入のメリット

    施設賠償責任保険は、施設が原因となる事故によって会社が損害賠償責任を負う場合に、その損害を補償してくれる損害保険です。

    施設での思いがけない事故ともなれば、被害規模やその損害賠償額は非常に高額なものとなるでしょう。手元の資金だけでは賄えない可能性が考えられます。

    また、仮に賠償額を会社で補えたとしても、その後の経営にダメージを与えることも想定されます。

    保障内容については保険商品によるものの、たとえ1億円の補償額を設定したとしても、保険料が数千円程度で済むケースもあります。

    小さな支出で大きな補償が受けられる点が、施設賠償責任保険のなによりのメリットなのです。

    しかし、いくら施設賠償責任保険に加入しているからといって、施設内の定期的なメンテナンスを疎かにしてはいけません。普段から建物の保守管理を万全に行ったうえで、不測の事態に備え、損害保険に加入するというのが大切です。


    保険加入時の注意点

    1.保険で補償されない内容もある

    施設賠償責任保険に加入しているからといって、どのような事故でも保険金が支払われるわけではありません。

    保険会社や保険商品によって保障内容は異なるものの、施設賠償責任保険での保険金が支払われないケースについてはよく押さえておきましょう。


    ■補償対象外となるケース
    1. 被保険者が故意に事故を起こした場合
    2. 被保険者の同居親族に対して賠償責任が生じた場合
    3. 従業員に被害が生じた場合
    4. 施設外部からの雨・雪によって被害を受けた場合
    5. 施設内外で販売した飲食物の摂取を原因として食中毒被害を受けた場合
    6. アスベストなどの発がん性物質による被害
    7. 戦争や労働争議などの社会的な要因によって被害を受けた場合
    8. 地震・噴火・洪水・津波などの自然災害によって被害を受けた場合

    被保険者が故意に起こした事故については、他の損害保険同様、当然ながら保険金が支払われません。

    普段から保守管理や定期点検を行っていることが前提であるため、施設や建物管理には常に意識することが大切です。

    また、被保険者の同居親族に対する賠償責任に対しても施設賠償責任保険では保障されません。

    同居親族の他にも、施設賠償責任保険はあくまで外部の人間に対する補償を想定しているため、自社に努める従業員が業務中に受けた身体や精神への被害も補償されない点に注意をしておきましょう。

    しかし、施設賠償責任保険に特約をつけることで、補償を受けられる場合もあります。保険契約時には保険会社に保障の内容や特約について尋ねることをおすすめします。

    補償対象外となっている自然災害などに対しては、火災保険地震保険に加入するなどして、別の備えをとりましょう。

    施設賠償責任保険においては免責事項も数多くあるので、契約時に不明点がないようにしておくことが大切です。

    どのようなケースで保険金が支払われるのかを把握しておけば、不必要な特約を外して、月々の保険料を安くすることもできます。


    2.会社や従業員の損害は対象外

    施設賠償責任保険は、あくまでも「外部」の人間に対する補償を行う保険です。

    他者の身体や財産などを損壊させたときに補償されるものであり、自社や雇用している従業員に対する損害は別の保険で補う必要があります。

    したがって、業務内外での従業員の病気やけがのリスクに備える場合には、労災保険傷害保険への加入を検討しましょう。

    施設や建物といった場所では、外部の相手だけでなく自社の従業員も同時に被害に遭う大規模な事故が起こることも考えられます。

    従業員の安全や安心を確保しつつ、会社にとってもプラスになるような保険を検討していくことが大切です。


    施設賠償責任保険に入るべきケース

    施設賠償責任保険に加入するべき会社
    施設賠償責任保険に加入しておくべきなのは、不特定多数の人物が出入りする施設で事業活動を行っている業種です。

    個人事業主の場合でも、特に大家などの不動産管理などを行っている方は、保険加入をおすすめします。

    飲食店や小売店、イベント会場などはどれほど注意をしていても、思いがけない事故というのが発生しやすいもの。会社に過失なかったとしても、管理責任を問われ、多額の賠償金を請求されることにもなりかねません。

    また、施設には会社が所有する大型の機械や資材も含まれます。これらが第3者に危害を与えた場合にも、賠償責任は発生してしまいます。


    このように、施設賠償責任保険に加入することは、不慮の事故に備えるといった意味合いが強いものの、会社の利益面でもメリットがあります。

    なぜなら、法人保険に加入をした場合、保険料は税務上で損金として取り扱われるからです。

    損金が増えれば増えるほど会社の課税所得が圧縮されることになり、結果的に税制上のメリットを得ることができます。

    保険の補償を受けるとともに、法人の決算対策のひとつとして、施設賠償責任保険に加入することを1度は検討してみてはいかがでしょうか。

    また、必要な法人保険に無駄なく加入していれば、安全性の高い会社として対外的にアピールすることができます。

    会社で働く従業員としても、もしものときには保険が補償を行ってくれると知っているならば、安心して日常の業務に取り組むことができるでしょう。

    「万が一、事故が起こってしまったらどうしよう」と曖昧なまま不安を抱えてしまうのでなく、現状考えうるリスクに応じて適切な法人保険に加入することが大切だといえます。


    施設や設備に関係する会社は加入を検討するべき

    日ごろから不特定多数の人が施設内を利用する。あるいは、工場の機械や資材、スポーツ店などで販売している商品が少しでも危険と思われるならば、施設賠償責任保険に加入しておくべきだと言えます。

    利用客など、社外の人間がトラブルに巻き込まれる可能性があるならば、賠償責任に備えるためにも事前に対策を打っておくほうが無難です。

    よって、施設賠償責任保険へ加入することによるメリットがあると言えます。

    特約なども加えると、施設賠償責任保険は幅広い範囲で補償を行ってくれる損害保険です。会社の業務や事業活動と照らし合わせたうえで、必要な補償内容を考えましょう。

    また、同じような保険商品であっても、保険会社によって保険料や保険期間、補償内容などは異なってくるものです。

    複数の保険会社に見積り書を取るなどして、検討していくことが大切だといえます。


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