近年多くの会社に広がっているテレワーク。以前はスタートアップやベンチャー企業などで導入されていることが多く見られましたが、新型コロナの感染拡大に応じて導入する会社も増えています。
しかし、リモート業務となると、どうしてもネックになるのがセキュリティ問題。特に、サイバー攻撃やウイルス、情報漏えいへの対策が問題です。
この状況に対応するために開発されたのが、損害保険の1種であるテレワーク保険。
新しい保険のため認知度が高くないテレワーク保険ですが、最近では三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保が新たなテレワーク保険プランを販売するなど、改善が進んでいます。
この記事では、テレワーク保険の概要や補償内容、具体的な保険商品を紹介します。
現在販売されているテレワーク保険は2商品
現在販売されているテレワーク保険は、下記の2つです。
- テレワーク総合補償プラン
(三井住友海上火災保険株式会社とあいおいニッセイ同和損保) - テレワーク保険
(マイクロソフトと東京海上日動火災保険)
テレワーク保険は2018年に販売が開始された新しい保険商品ということもあり、販売されている商品の数が少ないです。
しかし、だからといって補償内容が不十分ということはなく、特に三井住友海上とあいおいの「テレワーク総合補償プラン」はセキュリティリスク・業務リスクに広く対応できる補償内容になっています。
では、それぞれの商品を細かく見ていきましょう。
三井住友・あいおいのテレワーク総合補償プラン
三井住友海上火災保険株式会社とあいおいニッセイ同和損保が販売を開始した「テレワーク総合補償プラン」は、セキュリティリスク、パソコンの財物損害、労務リスクに備えることができるテレワーク保険です。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴いテレワークが増加した状況をうけ、2020年5月に新たに発売されました。
両社がすでに販売しているサイバー保険や動産総合保険、企業の賠償責任保険を組み合わせてテレワーク保険としてパッケージ化した商品で、企業のテレワーク推進を後押しするものとされています。
テレワーク総合補償プランの補償内容
テレワーク総合補償プランは、下記の4つのケースに備えることができます。
情報漏えい
パソコンに対するサイバー攻撃、業務用パソコンの持ち出し時の紛失・盗難、自宅・会社外で作業をした際の覗き見などによって発生した情報漏えい。
会社よりもセキュリティ対策が甘い環境で業務を行うと、PCをのマルウェア感染や、通信の盗聴などが発生する可能性もあります。
財物損害
社外に持ち出した業務用パソコンやタブレット等の破損、盗難による損害。
業務用のスマートフォン、携帯電話も補償の対象になります。
使用者賠償責任
テレワーク中に従業員が肉体的・精神的苦痛を負い、心身に害が発生した場合の従業員からの損害賠償請求。
普段とは違う環境で業務をすることでストレスが増し、精神疾患になってしまった。常にチャットで在席管理をされ、業務時間を超えても仕事を終えられないことが続き身体を壊した。
こういった場合に、従業員から損害賠償を請求されるリスクに備えることができます。
雇用慣行賠償責任
ハラスメント、差別、不当解雇などを理由に行われる従業員からの損害賠償請求。
テレワークになると、自宅でweb会議ツールなどを利用して会議を行うため、自宅や私服の様子が映ることがあります。その際、自室の様子を言いふらされてプライバシーの損害を受けた、「パジャマ姿を見たい」とセクハラを受けたなどのトラブルが発生する可能性があるのです。
こういった場合の従業員からの損害賠償リスクに備えることが可能です。
テレワークで備えるべきは、セキュリティ上の問題だけではありません。会社とは違った環境で仕事をすることに起因する損害賠償リスクにも備えておく必要があるのです。
従業員から賠償責任を請求されれば、問題によっては賠償金額がかなり高額になってしまう危険も。あらかじめテレワーク総合補償プランに加入をして、万が一のリスクに備えておきましょう。
パソコン付帯型!マイクロソフトと東京海上日動のテレワーク保険
こちらは、マイクロソフトと東京海上日動火災保険が共同で開発したテレワーク保険です。
正式名称は「特定危険担保特約付帯サイバーリスク保険」と言い、Windows 10を搭載している特定の法人向けモバイルPCが補償の対象です。
所定のモバイルPCを購入すればテレワーク保険に加入できる仕組みになっており、わざわざ保険会社でテレワーク保険の手続き・契約をする必要はありません。
決められたPCを選ばなくてはいけないという条件はあるものの、テレワーク保険加入の手間もかからないため、従業員が多い企業にはおすすめのテレワーク保険です。
テレワーク保険の補償内容
テレワーク保険の補償が適用されるのは、下記のケースです。
- 会社から貸与されたモバイル PC を利用している際に発生した情報漏えいに起因する損害に対し、損害賠償金や原因調査費用等が発生した場合
- 保険金は、モバイルPC⼀台あたり50万円、もしくは⼀企業あたり500万円のうち、いずれか低い⾦額を限度として支払われる
マイクロソフトと東京海上日動火災保険が開発したテレワーク保険では、セキュリティに関する損害補償が主になります。
このテレワーク保険では業務リスクや従業員からの損害賠償請求リスクには対応していない点に注意しましょう。
テレワーク保険を付帯したPC
テレワーク保険を搭載したパソコンは、Lenovo(レノボ)から発売されているThinkPadシリーズ。「あんしんテレワークPC」と呼ばれ、毎年新たなモデルを販売しています。
テレワーク保険を付帯したPC
(2020年発売)
ThinkPad X1 Carbon Gen 8、ThinkPad X1 Yoga (Gen 5)、ThinkPad T14s Gen 1 AMD、ThinkPad T14s Gen 1 Intel、ThinkPad X13 Gen 1 AMD など
現在はレノボから販売されているPCがテレワーク保険の対象となっており、その他のPCにはテレワーク保険が搭載されているものは無いようです。
今回説明したように、マイクロソフトと東京海上日動が開発したテレワーク保険は、特定のパソコンを購入することで補償を得られます。
会社のパソコンを買い換える・買い増す際にはぴったりですが、選べるパソコンの種類をが限られるため、企業にとって利便性が高いテレワーク保険とは言えないこともあるでしょう。
そういった場合には、こちらのテレワーク保険ではなく、先に紹介した三井住友海上とあいおいのテレワーク保険を検討してみることをおすすめします。
まとめ:テレワーク保険でセキュリティ・労務リスクの回避を
近年、ITに関する保険は企業からの人気や期待が高まっています。その中でも2020年現在の状況に最も必要とされているのがテレワーク保険と言えます。
テレワーク自体は、業務効率や従業員満足度が上がり、企業にとって十分にメリットがあります。しかし、セキュリティリスク・業務リスクの対応に困っている企業の方が多いのも事実です。
今回ご紹介したテレワーク保険の中でも、三井住友海上火災保険株式会社とあいおいニッセイ同和損保の「テレワーク総合補償プラン」はセキュリティリスクだけでなく業務リスクにも一手に備えられるため、ぜひ活用してみてください。
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