その他税金対策
法人が投資信託で節税する方法は?メリットや注意点を解説

法人が投資信託で節税する方法を解説!メリットや注意点も

法人が投資信託で節税する方法は?メリットや注意点を解説

法人には様々な節税方法がありますが、その中に投資信託があることはご存知ですか?

実は、法人が投資信託を上手に使えば、節税につながる可能性があります。

この記事では、法人が投資信託する税制上のメリットから注意点、具体的な節税方法までを解説します。

自社の税金対策に悩む経営者や財務担当の方は、ぜひ参考にしてみてください。

法人が投資信託する税制上のメリット

法人が投資信託する税制上のメリット

法人が投資信託する税制上のメリットは、次の3つです。

  • 損益通算による節税ができる
  • 繰越欠損金で継続的に節税できる(赤字の繰越)
  • 分配金を益金不算入にできる

いずれも、課税所得を減らせる点がポイントです。

それぞれ詳しく解説します。

損益通算による節税ができる

法人が投資信託を始めた場合、損益通算による節税ができます。

損益通算とは、1年分の利益と損失を合算する経理処理です。

事業か投資信託の利益を、もう一方の赤字と相殺することで、課税対象額を少なくできます。

ただし、どちらも黒字の場合は合計額が全て課税対象額になるため、節税効果を得られない点に注意が必要です。

繰越欠損金で継続的に節税できる(赤字の繰越)

法人の場合、投資信託が赤字になった場合でも、その損失分を会社の損金として計上できます。

法人税制に沿って青色申告を行なっている企業は、計上した損失を翌年以降最大10年間繰り越しが可能です。

将来的に事業で利益が出たときも繰越欠損金で相殺できるため、10年間継続的に節税できます。

分配金を益金不算入にできる

投資信託を保有していると、定期的に分配金(運用益)を受け取れます。

通常は分配金も課税されますが、外国株価指数連動型以外の特定株式投資信託については益金不算入となります。

特定株式投資信託
構成銘柄が株式だけの投資信託で、上場投資信託(ETF)など上場しているもの。

益金不算入ができる投資信託なら、分配金の20%相当額が課税所得にならないため、節税につながります。

ただし、分配金の全てを益金不算入できない点や、一部の信託投資に限られる点には注意しましょう。

投資信託で節税するときの注意点

投資信託で節税するときの注意点

投資信託で節税する際は、以下の3つに注意しましょう。

  • 法人はNISAなどの優遇措置を受けられない
  • 一般口座しか使えないので納税額の計算が面倒
  • 勘定科目によっては保有だけで課税される

これらのポイントを押さえておけば、リスクを回避して運用できます。

法人はNISAなどの優遇措置を受けられない

法人にはNISAやつみたてNISAにあたる制度がないため、非課税枠がありません。

そのため、法人か個人かの2択で考えた場合、税制上は法人のほうが不利となります

経営者の方は、法人と個人の両方を運用して税制メリットの最大化をしましょう。

一般口座しか使えないので納税額の計算が面倒

法人は一般口座しか使えないので、納税額の計算が面倒になります。

特に、購入や売却の回数が多いと計算が煩雑になり、事務作業に時間がかかります

特別口座であれば投資で発生する損益を全て証券会社が計算してくれますが、法人は選択できません。

法人が投資信託を行う際は、ミス・漏れのないように年間取引報告書を作成しましょう。

勘定科目によっては保有だけで課税される

投資信託を売買目的有価証券で購入すると、有価証券の勘定科目を使用して資産に計上しなければなりません。

有価証券とは、株券や債券などに用いる勘定科目のことです。

売買目的有価証券は毎年決算期末にその時点での時価評価を行い、有価証券評価益・有価証券評価損を用いて評価差額を計算します。

有価証券の帳簿価格が時価より低いときは有価証券評価益、有価証券の帳簿価格が時価より高いときは有価証券評価損を用いるのがルールです。

評価差額を計算して含み益が発生した場合は、その含み益が課税対象となります。

法人の投資信託における経理処理

法人の投資信託における経理処理

ここからは、法人が投資信託するときの経理処理方法を解説します。

損失が出た場合でも、正しい処理方法を知っていれば節税につなげられるので、しっかり押さえておきましょう。

投資信託の購入時

投資信託を購入した際には、有価証券として資産計上します。

1,000,000円の投資信託を購入した場合、仕訳は下記のようになります。

借方 貸方
有価証券 1,000,000円 普通預金 1,000,000円

分配金を受け取ったとき

分配金の受取時は、普通分配金か特別分配金かで仕訳方が変わります。

また、益金不算入の対象だったときは、法人税申告時の経理処理が必要です。

普通分配金(課税対象となる分配金)の場合

普通分配金は収益として計上され、法人税の課税対象となります。

分配金が50,000円、税引き後の入金額が40,000円だった場合、仕訳は下記の通りです。

借方 貸方
普通預金 40,000円
法人税等 10,000円
受取配当金 50,000円

特別分配金(元本払戻金)の場合

特別分配金(元本払戻金)の場合は利益にならず、課税対象ではないため、取得価額を減額します。

例えば、分配金が50,000円だった場合は以下の通りです。

借方 貸方
普通預金 50,000円 有価証券 50,000円

益金不算入の場合

益金不算入だった場合、法人税申告時に課税所得の調整を行います。

法人税申告書の別表四で加算・減算処理を行い、課税所得を減額を受けましょう

投資信託の売却時

投資信託を売却したときは、益金もしくは損金を計上します。

下記は、益金が出たときの仕訳例(1,000,000円で購入、1,200,000円で売却)です。

借方 貸方
普通預金 1,200,000円
法人税等 10,000円
有価証券 1,000,000円
有価証券売却益 200,000円

反対に、損金が出たときの仕訳例(1,000,000円で購入、800,000円で売却)は下記の通りです。

借方 貸方
普通預金 800,000円
有価証券売却損 200,000円
有価証券 1,000,000円

まとめ

まとめ

法人の投資信託は、運用益の獲得や損益通算による節税や赤字の繰越など、様々なメリットがあります。

ただし、投資信託は元本が保証されないので、無理な投資は避け、資金状況に合わせて慎重に検討することが重要です。

上手に活用すれば節税だけでなく、運用による大きな利益も狙えるため、資金がある法人はぜひ投資信託を検討してみましょう。

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