生命保険は「相続」の場面でも活用されることがあります。

ただし、相続では「誰に、どれだけ残すか」をめぐって意見が分かれることがあり、事前の備えが重要です。

その代表的な考え方のひとつが「遺留分」です。

この記事では、生命保険と遺留分の基本関係を押さえたうえで、法人保険を含めた検討ポイントを解説します。相続や事業承継のトラブル回避のためにも、要点を確認しておきましょう。

相続における生命保険と遺留分の関係

相続とは、亡くなった方の財産を、配偶者や子どもなどが受け継ぐことを指します。

財産を残す方を被相続人、受け継ぐ方を相続人といいます。

相続では、「財産をどのように分けるか」に加えて、相続税の見通しや納税資金をどう用意するかも検討します。

生命保険の死亡保険金は、相続税の計算上、一定の非課税枠が使える場合があります(契約形態や受取人などの条件によって扱いが変わります)。

また、生命保険は、請求手続を経て比較的早い時期に保険金を受け取れることが多く、葬儀費用や当面の生活費、納税資金の確保を考えるうえでも検討されます。

相続財産の配分は、当事者の話し合い(遺産分割協議)や法律で定められた配分割合(法定相続分)を踏まえて決めます。

被相続人の意思を反映する方法として「遺言(ゆいごん、いごん)」があります。

一方で、遺言などで特定の人に財産が集中すると、他の相続人の生活基盤に影響が出る場合があります。

そのため、一定の相続人が最低限受け取れる取り分として「遺留分」が定められています。遺留分は、相続人の構成によって割合が異なります。

相続人と遺留分の割合

相続人 遺留分
配偶者のみ 配偶者:1/2
配偶者と子供 配偶者:1/4
子供:1/4
配偶者と父母 配偶者:2/6
父母:1/6
配偶者と兄弟 配偶者:1/2
兄弟:-
子供のみ 子供:1/2
父母のみ 父母:1/3
兄弟姉妹のみ なし

遺留分を侵害された相続人は、原則として金銭の支払いを請求します。これを遺留分侵害額請求といいます。

請求には期限があり、相続が開始したことや侵害を知った時から1年、相続開始から10年という制限があります。

遺留分への備えを進める際は、「誰に何を残すか」だけでなく、請求が金銭で来たときに支払えるかまで含めて考えることが重要です。

生命保険金は相続財産になるのか

生命保険の死亡保険金は、原則として受取人に直接支払われるため、相続財産には含まれず、遺産分割の対象にもなりません。

相続の場面でまず確認したいのは、保険証券や契約内容で「受取人」が誰になっているかです。受取人の指定が想定どおりかを確認したうえで、必要に応じて生前に見直しを検討します。

受取人の指定が重要になる理由

受取人が指定されている場合、死亡保険金は受取人の固有の財産として扱われるのが基本です。

そのため、遺産分割の協議とは別に、受取人が保険金を受け取る形になります。

受取人を変更したい場合は、生前に保険会社で手続を行う方法のほか、遺言で変更する方法もあります。

ただし遺言による変更は、相続開始後に保険会社への通知が必要となるため、手続面まで含めて準備しておくと安心です。

遺言を作成する場合の注意点

遺言は方式の不備で無効になるリスクがあります。自筆証書遺言を作成する場合でも、日付・署名・押印などの基本要件を満たしているかを確認しましょう。

また、遺言が見つからないと、内容どおりに進められないことがあります。確実性を重視する場合は、公正証書遺言の利用も含めて検討します。

法人保険と遺留分

生命保険には、個人が加入するタイプと、法人(会社)が契約者となる法人保険があります。

事業承継では、株式や事業用資産を後継者に集中させたい一方で、他の相続人の遺留分にも配慮が必要です。遺留分侵害額請求は原則として金銭で行われるため、請求が来たときに支払える原資をどう確保するかが論点になります。

法人保険は、万一のときに法人へ資金が入る設計にできるため、事業承継後の資金繰りの選択肢として検討されます。

「相続や事業承継における遺留分」まとめ

ここまで、相続や事業承継における遺留分の考え方と、生命保険との基本関係を確認しました。

遺留分侵害額請求は原則として金銭で行われるため、相続発生後に請求が来た場合の支払い原資まで含めて備えることが重要です。

まずは、保険証券で受取人を確認し、遺産の概算と支払いの見通しを立てましょう。必要に応じて専門家を交え、家族全体で方針を共有しておくと、トラブルを避けやすくなります。

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