その他税金対策
法人の節税商品とは?おすすめ10選の活用方法と注意点を解説

節税商品を使えば法人税を軽減できる!上手に活用してキャッシュフローを改善しよう

法人の節税商品とは?おすすめ10選の活用方法と注意点を解説

法人が節税のために利用する商品を「節税商品」と言います。節税商品を活用することで、経費計上による課税所得の軽減や、将来の利益につながる投資が可能です。

本記事では、法人向けの代表的な節税商品10選と活用方法を詳しく解説。併せて、税金対策で商品やサービスを選ぶときに注意すべきポイントをお伝えします。

「自社のキャッシュフローを安定させたい」「税金を減らして事業を拡大させたい」など、税金対策で頭を悩ませている経営者の方は、ぜひ最後までご覧ください。

法人の節税商品とは「税負担を軽減しつつ財務戦略に役立つ商品やサービス」のこと

法人の節税商品とは「税負担を軽減しつつ財務戦略に役立つ商品やサービス」のこと<

法人の節税商品は、税負担の軽減を目的に購入・利用する商品やサービスを指します。

節税商品の購入や利用にかかる費用を損金(経費)とすることで、課税所得を減らすという仕組みです。また、かけた費用が将来的に戻ってきたり、法人の利益につながったりすることもポイントです。

つまり、節税商品はただ消費するものではなく、財務戦略(経営目標を達成するための資金調達や運用)の一環として選択・活用できるものといえます。

法人向けの代表的な節税商品10選

法人向けの代表的な節税商品10選

ここでは、法人向けの代表的な節税商品として以下の10個を紹介します。

  1. 法人保険
  2. 経営セーフティ共済
  3. 中小企業退職金共済
  4. 確定拠出年金(企業型DC)
  5. 福利厚生
  6. 広告宣伝
  7. 不動産(建物や設備)
  8. 社用車
  9. 自動販売機
  10. オペレーティングリース

各商品の具体的な活用方法を紹介していきます。

①法人保険

法人保険は、法人が契約者となる保険商品全般を指します。

節税商品としての法人保険は、解約返戻金(解約時に保険会社から払い戻されるお金)のある生命保険に加入し、保険料を損金として計上するスキームが一般的です。

保険料を損金計上することで課税所得を減らしつつ万が一に備え、さらに解約返戻金を事業拡大や事業保障の支出に充てられるので、一度で3つのメリットを得られます。

ただし、保険料の損金計上によって減少した法人税は、解約返戻金や保険金の受取時に課税されます。そのため、永続的に法人税を減らす方法ではなく、あくまで課税の繰延(課税時期の調整)である点は注意しましょう。

また、解約返戻率(支払保険料に対する解約返戻金の割合)によって、損金計上できる割合に上限があります。保険に加入する際は、経理処理のルールを理解しておくことが大切です。

②経営セーフティ共済

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)は、取引先の倒産による連鎖倒産や経営難に備えるための共済です。

取引先が倒産したとき、掛金総額の10倍までの資金を、無担保・無保証人で借りられます。

掛金は毎月5,000円〜20万円の範囲で自由に設定でき、全額を損金計上できます。最大の20万円に設定すれば、年間240万円の節税が可能です。

解約時には「解約手当金」として、掛金の8割~10割が手元戻ります。解約手当金は課税対象なので、法人保険と同じく課税の繰延効果を得られる節税商品です。

③中小企業退職金共済

中小企業退職金共済(中退共)は、中小企業のために設立された退職金の共済制度です。

自社で退職金制度を持つことが難しい中小企業が加入でき、掛金の一部に助成があるなど国の支援を受けられます。

掛金は従業員1人につき月額5,000円〜3万円で、全額を損金として計上できます。退職金は中退共から従業員へ直接支払わられるため、支払時に法人への課税もありません。

福利厚生を充実させつつ、掛金の損金計上により法人の利益を減らす方法として有用です。

④確定拠出年金(企業型DC)

確定拠出年金(企業型DC)とは、企業が掛金を拠出し、加入者である従業員が資産運用を行う制度です。掛金は全額損金算入が可能で、法人税の課税所得を減らせます。

中小企業退職金共済と比較すると、従業員本人の考えで老後資産を形成できる点に違いがあります。また、制度設計次第によっては役員も加入可能です。

一方、制度の設計や管理がやや複雑であったり、運用に伴うリスクを従業員が負う必要があったりなどのデメリットもあります。

⑤福利厚生

福利厚生も、費用を経費として損金計上が可能なので、節税商品の一種といえます。

健康保険や厚生年金などは法律で義務付けられたものですが、それ以外にも企業が任意で実施できる福利もあります。以下はその一例です。

  • 家賃補助
  • 通勤手当
  • 健康診断補助
  • 社員食堂
  • レジャー施設
  • 社員旅行
  • 結婚や出産の祝い金

福利厚生を充実させることで、節税しつつ従業員のモチベーションアップにもつながります。

ただし、福利厚生費を経費計上するためには、「全従業員が利用できること」「現金もしくは換金性の高いものでないこと」以下の要件を満たす必要があるため注意しましょう。

⑥広告宣伝

広告宣伝にかかる費用も、課税所得を減らしつつ将来的な売上リターンが見込めるため、節税商品の一種といえます。

広告宣伝費の特徴は、他の経費と比較して計上できる範囲が広いという点です。例を挙げると、以下のような支出ができます。

  • 各メディアに広告掲載する費用
  • イベントやノベルティにかかる費用
  • Webサイトの制作費・運営費
  • お客様アンケートの実施費用

一括計上が可能なので、大きな利益が上がりそうな時など、必要に応じて課税対象額を調整できます。

⑦不動産(建物や設備)

不動産は、減価償却による課税所得の減額ができる節税商品です。

減価償却とは、固定資産の購入にかかった費用を、資産ごとに設定された使用可能期間で分割して損金計上する会計処理です。

例えば耐用年数が5年で5,000万円のマンションを購入した場合、5年にわたり毎年1,000万円ずつを課税所得から差し引けます。

購入した不動産は、貸し出して収益化したり、社宅として役員や従業員に提供したりといった活用方法があります。

⑧社用車

法人の社用車は、購入費や維持管理費を経費計上できる節税商品です。

経費にできるのは新車や中古車、リース契約を問わず、維持管理費は以下の項目が該当します。

  • ガソリン代
  • 駐車場代
  • 車検・メンテナンス費用
  • 自動車税
  • 自動車重量税
  • 自賠責保険
  • 任意保険

社用車を購入した場合は、減価償却という形で経理処理を行います。

新車を例にすると普通車の耐用年数は6年、軽自動車は4年です。

決算直後に社用車を購入すれば、1年間フルに減価償却費を計上できます。

⑨自動販売機

自動販売機は、近年多くの法人に注目されている節税商品です。特に、IoT技術(モノとインターネットを接続する技術)を活用した最新自動販売機の数が増えています。

IoT自動販売機は、オンラインでの在庫管理や利用データ収集などが可能であり、効率的な運営が可能です。取り扱える商品も飲み物だけでなく、トレーディングカードや文具などにも対応できます。

また、中小企業経営強化税制(A類型)※という優遇措置の対象であり、購入時の費用を全額即時償却できるため、決算直前でもすぐに節税できる商品です。

⑩オペレーティングリース

オペレーティングリースは、航空機・船舶・大型設備などの高額資産の「リース事業」に匿名組合(TK)などを通じて出資し、事業から得られる損益を按分で受け取る投資手法です。

出資初期に大きな減価償却費が発生することにより、課税所得が圧縮され、節税につながります。数百~数千万円の赤字を初年度に計上できる場合もあり、特に利益が大きく出る年や、資金に余裕がある企業が一時的な課税所得の圧縮に使える節税商品です。

初年度から2~3年で減価償却が終わったあとは、徐々に黒字配当が受け取れます。また、リース期間満了後は対象物件が売却され、その売却益が出資者に還元されます。

配当金や売却益は課税対象となので、節税効果としては法人保険などと同じく「課税の繰延」となります。

税金対策で商品やサービスを選ぶときのポイント

税金対策で商品やサービスを選ぶときのポイント

法人が節税商品のを活用するときは、知っておくべき事前知識や注意点があります。

適切な税金対策となるよう、ポイントをしっかりと押さえておきましょう。

節税商品の効果は「繰延型」と「永久型」がある

節税商品の効果は「繰延型節税」と「永久型節税」に分かれます。

節税対策をする際は、どちらに該当するかを理解したうえで実施しましょう。

繰延型節税

費用を支払うタイミングを先送りにする節税方法です。節税商品としては、法人保険や各種共済、オペレーティングリースなどが該当します。

繰延型課税の目的は納税時期をコントロールすることにあり、大きな利益が出た年に相殺することでキャッシュフローを安定させることが主な効果です。

「トータルで課税額が変わらないなら意味がないのでは?」と思うかもしれませんが、繰越によって得られた余剰資金は、設備投資や事業拡大など企業の成長原資に使えます。

特に中小企業では「利益はあってもキャッシュがない」問題が多いため、繰延によって資金流出を抑える効果は極めて重要です。

永久型節税

永久型節税は、本来支払うべき税額を永続的に減額する方法です。節税商品としては、福利厚生や広告宣伝などが挙げられます。

繰延型と違い、トータルの課税額を減らせるため、非常に強力な節税方法です。

ただし、キャッシュアウト(現金の流出)を伴う方法が多かったり、制度適用に厳格な要件があったりといった注意点もあります。

法人が節税するときは、繰延型と永久型を上手に組み合わせて効果を最大化することが大切です。

キャッシュフローへの影響を考慮する

節税商品を利用するときは、キャッシュフローの悪化に注意が必要です。

節税を追い求めるあまり、手元の資金が減りすぎては本末転倒です。損金計上できるからといって、不必要に高額な商品に手を出すのは避けましょう。

費用対効果を含めて、自社のキャッシュフローに影響がないか慎重に検討する必要があります。

違法な節税に注意する

法人が節税対策をするときは、不適切な節制にならないよう注意が必要です。

例えば、売上を隠したり、架空経費を計上したりといった手法は明確な違法行為であり、追徴課税や刑事罰の対象となります。

また、税法で明確に禁止されていない手法でも、税制改正によって違法化されるリスクがあります。

節税は、税務調査が入ったときに問題とならないようにすることが大切です。税法のルールは複雑なので、専門家のアドバイスも受けつつ慎重に実行しましょう。

まとめ

まとめ

本記事で紹介した法人向けの節税商品は、以下の10個です。

  • 法人保険
  • 経営セーフティ共済
  • 中小企業退職金共済
  • 確定拠出年金(企業型DC)
  • 福利厚生
  • 広告宣伝
  • 不動産(建物や設備)
  • 社用車
  • 自動販売機
  • オペレーティングリース

上記以外にも、さまざまな節税商品があります。

「自社にとって有益な節税商品なのか」「法に触れていないのか」という判断が難しい場合は、迷わず専門家に相談することをおすすめします。

自社の事業規模や経営戦略などを考慮し、最善の方法で税金を軽減しましょう。

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