企業が払う税金を抑える4つの方法

法人税の基本

知らないと損する!法人税の節税方法を徹底解説

会社の経営者であれば、法人税の節税について関心がない人はいないでしょう。

それほど会社に資金を残すことは重要だということです。資金力が養われることで、不測の事態に備えること、将来的な設備・人材へと投資すること、新たな事業を展開することも可能となります。

しかし、決算時期が近づけば法人税の支払いについて頭を悩ませる方も多いはず。

節税を考えるにあたって重要なポイントは、各種の節税方法の仕組みを理解することと、法人税そのものを減額できる節税と法人税の支払いを先延ばしする節税の2つの方法を知っておくことです。

そこで今回は、適切な節税対策を行うための必要な基礎知識についてご紹介致します。決算時期を間近にお悩みの経営者の方は、どの節税方法が会社にとって有利であるのかこちらの内容を参考にしながらお考え下さい。


節税対策がなぜ必要か

まず初めに、節税とはいったい何なのかを簡単にご説明します。

節税とは、「税法に則った合法的な行為」。これに対して、「税法に背く違法な行為」で法人税額を減らすのが脱税行為と呼ばれるものです。

また、税法が想定していない方法で法人税額を減少させる租税回避についても、訴訟リスクから気を付けなければなりません。

「今期の利益が出過ぎたから」「高すぎる法人税を抑えたいから」と言って安易な節税対策方法をとると、税務署からの否認リスクを背負うことになります。

ご自身では節税行為と思ったことでも、税務署や裁判所から脱税行為や租税回避と認められてしまうと、さらなる重課税を背負うことにもなりかねません。

このようなリスクを背負わずに法人税の節税を行いたいという方は、あらかじめ税理士や会計士にしっかりと相談を行いましょう。


知らないと損?法人税の効果的な節税方法

法人税を節税するためにはさまざまな方法がありますが、これらは大きく2つのタイプに分けることができます。

法人税そのものを減額できる節税方法
② 法人税の支払いを先延ばしにする節税方法


どの節税方法を利用するか考える際には、どちらのタイプに該当するかをしっかり理解しておくことが重要になります。

まずはこれらの節税方法がどういった仕組みのことを指しているのか、ご紹介します。


法人税そのものを減税できるタイプの節税方法

1つ目の「法人税そのものを減額できるタイプの節税」は法人税を減らす効果的な節税方法と言えます。

その理由は、法人税減額の適用を受けることによって、確実に減額分のキャッシュが増加することにつながるからです。たとえば、会社が支払った経費は法人税の計算上、一定の条件を満たすと損金に計上できます。

法人税の課税所得は、売上などの益金から経費などの損金を支払うことによって求める仕組みです。


■法人税の課税所得の求め方
課税所得=益金ー損金



そのため、会社の経費を損金として認められることができれば、課税所得を減少させて法人税の負担を減らすことが可能になります。

ポイントは、費用が損金として認められるための条件を理解しておくことです。

まず、会社の消耗品旅費交通費などの経費については領収書などを保存することが求められます。また、役員報酬などについては事前に税務署に申請しておくことが必要です。


また、税額控除の特例適用を受けることも有効な節税方法だと言えるでしょう。

税額控除とは法人税額が確定したのちに、そこからさらに一定の金額が差し引かれるもの。しかし、この税額控除の制度を利用するためには、それぞれ条件が設定されています。

例えば、企業の採用人数を増やしたり、従業員の給料を上げたりすることで法人税の税額控除ができる制度、あるいは設備投資を行うことで投資額の一部について税額控除を受けられる制度などが挙げられます。

こういった税額控除制度を積極的に活用することによって、法人税の負担を減らすことができるでしょう。

また、社長の個人資産を会社に貸し付けることで損金を増やすとともに、社長の所得税負担を減らすなどの方法もこのタイプに入ります。


法人税支払いを先延ばしにする方法

2つ目の方法である「法人税支払いを先延ばしにする方法」も、節税対策としては一定の効果はあります。

しかし、このタイプの節税は、①のタイプと比較すると有効とは言えない面もあります。

たとえば、翌事業年度に支出する予定だった必要経費を前倒しで支出することで、課税事業年度の損金を増やす方法があげられます。

この方法によって課税事業年度の法人税負担は増やせますが、その分の翌事業年度の損金額は減ってしまいます。
か つまり、法人税の支払い時期を延ばせる効果はありますが、2年間通算してみると結果的に法人税負担の減少にはつながらないということです。

課税事業年度の損金を増やそうとして無断な経費を増やしたとしても、結果的に会社にとってはプラスになりませんので、注意が必要です。

ただし、一時的に資金負担を減らす効果はありますので、状況に応じて利用する
とよいでしょう。

これら2つの節税タイプを踏まえた上で、さっそく法人税を抑えるための4つの方法をお伝えします。


4つの対策方法

法人税の決算対策や節税対策は調べてみると数多くの方法があります。

今回は、中小企業の節税対策としてよく用いられる4つの方法を具体的にご紹介します。


対策1.在庫評価の見直し

1つ目は、在庫評価の見直しです。法人税の課税対象となる所得を計算するにあたっては、企業が保有している棚卸資産の金額がいくらなのかを評価する必要があります。

棚卸資産とは、法人が購入したり製造したりした商品や製品などのうち、翌事業年度以降に販売する予定のものです。

前事業年度からの繰越金額と課税事業年度に購入・製造のために支出した金額の合計(=費用)から、在庫として残っている金額を引くことによって売上原価を算出します。

売上原価は損金として認められるため、在庫評価の金額が低ければ低いほど、多くの売上原価を損金として計上できる仕組みです。

ただし、在庫評価額は計算方法が税法で定められています。恣意的に在庫計上額を低く抑えることで不当に売上原価を増やすことを防ぐためです。

税法の規定の範囲内で在庫評価を下げる方法としては2つあげられます。


その1.計算方法を選ぶ

1つは、複数認められている棚卸資産評価方法のうち最も低い評価額となる計算方法を選ぶことです。

評価方法を変更することで在庫評価額を低く抑えられる可能性があります。評価方法の選択や変更については税務署に申請を行う必要がありますので注意が必要です。


その2.評価損を計上する

もう1つは、棚卸資産の評価損を計上して損金を増やす方法です。

災害などによって在庫が損害を受けた場合や、季節商品が売れ残って通常価格での販売ができない場合、さらには旧製品で定価での売却ができない場合などに一定の計算方法に従って通常の在庫評価額から減額して損金計上することが認められています。

破損や型崩れの場合でも、条件を満たせば評価損が計上可能です。

在庫の評価損を計上することによって損金計上額を増やし節税できるだけでなく、定価で販売できない商品や製品について早めに低価格での処分を後押ししてくれることにもつながります。


在庫の状態について確認することによって、有効な節税対策につながる可能性があることを知っておきましょう。


対策2.不動産貸付

有効な法人税対策の2つ目は、社長個人が所有している不動産を会社に貸し付ける方法です。

個人が所有している土地や建物には固定資産税がかかります。また、不動産購入にあたって融資を受けている場合は支払利息の負担も発生するでしょう。

その不動産を賃貸アパートや賃貸事務所として貸し付け、不動産に関わる支出をカバーできる賃貸料を受け取るなどして有効活用できていれば問題ありません。

しかし、有効活用できていない状態であれば、固定資産税や支払利息は持ち出しの状態になってしまいます。そういったケースでは、その不動産を社長の会社に貸し付けることが有効な節税対策につながります。

貸し付けを受けた不動産に関する賃貸料は、原則として会社の損金として計上できます。社長側では、受け取った賃貸料は所得税の課税対象です。不動産の賃貸料は不動産所得に該当します。

不動産所得は、総収入から必要経費を引いて求めることになり、必要経費として固定資産税や支払利息を賃貸料から控除できます。建物の場合は、時の経過によって価値が減少する分として減価償却費も計上可能です。

これらの必要経費と賃貸料が同じ金額であれば所得税対象となる不動産所得はゼロになります。

その結果、社長は所得税の負担をすることなく固定資産税などの経費について収入でカバーできますので有効な節税と言えます。会社側も賃貸料の損金計上によって節税可能です。

たとえば、賃貸料が月20万円(年間240万円)、固定資産税が月10万円、支払利息が月2万円、そして減価償却費が月あたり8万円とすると、不動産所得はゼロになり、所得税の負担を抑えながら会社として年間240万円の損金計上が可能となります。

ただし、社長と会社が取引を行う場合、相場と比較して低すぎる賃貸料を設定すると、不当に安いと認定された金額について社長側で所得税の認定課税が行われる可能性があります。

社長個人の不動産貸付を会社に対して行う場合は、税理士などに相談のうえ行ったほうがよいでしょう。


対策3.設備・人材投資

有効な法人税対策の3つ目は、設備や人材への投資を行うことによる節税方法です。

法人税には税額控除という制度があります。税額控除とは、課税所得から算出した法人税額から、さらに一定額を直接控除できる節税制度です。

さまざまな種類の税額控除がありますが、特に注目されている制度としては、設備投資や人材投資に関する税額控除があげられます。景気対策など政策的な目的で設定された制度ですので、それぞれ適用可能期限があるという点が特徴です。

また、税制改正が行われるたびに適用条件や適用可能期限が改正される可能性があることにも注意が必要です。有効な節税対策として利用可能な主な税額控除制度を4つご紹介します。

有効利用することによって、経営体質の強化を図りながら法人税の節税が可能です。


節税に有効な「税額控除」

機械設備などへの投資
製造ラインで使用する設備だけでなく、IT関連機器なども対象となります。

投資対象品目によって対象となる投資額が一定以上であることが求められますので、適用対象となる投資かどうか事前に確認をしておくことが大切です。投資対象額の一定率について税額控除が認められます。

特に、中小法人に関しては大企業よりも税額控除額が大きくなる制度設計になっていますので、積極的に活用することを検討してみましょう。ほぼすべての業種で適用を受けられます。


経営改善設備への投資
製造業や建設業は適用対象外ですが、認定経営革新等支援機関から指導や助言を受けて取得した新品の設備が対象となります。

この制度においても投資対象によって1台あたりの投資下限条件が設定されています。条件を満たす投資を行うことによって、投資額に対する一定率の税額控除が可能です。


生産性向上設備への投資
工業会などによって証明を受けた最新設備に投資することで一定以上の生産性向上が認められる場合に税額控除の適用を受けられます。

投資対象による最低投資金額が設定されているだけでなく、生産性向上に関する条件も満たす必要がある点が特徴です。


人材への投資
政策目標と連動させるため、一定率以上の賃上げを実現した会社が適用対象となります。給与支給増加額の一定率相当額を法人税額から税額控除可能です。すべての業種が対象となります。


対策4.生命保険の活用

有効な法人税対策の4つ目は、法人向け生命保険の活用です。

生命保険に法人が加入をすることで、保険料を会社の費用として計上することができます。

また、支払った保険料は、手厚い保障や解約返戻金、保険金として契約者に戻ってくるのも魅力的だと言えるでしょう。

他にも、保険と同じ仕組みが使われている共済を利用することによって、会社単独で退職金制度を用意することが難しい場合に退職金を用意できるケースもあります。


生命保険や共済を使った主な法人税節税対策は2つです。

保険を活用する節税対策

掛け捨てタイプに加入する
1つ目は、掛け捨てタイプの生命保険に加入する方法です。掛け捨てタイプの生命保険の場合、会社として加入すると支払う保険料は全額損金として計上できます。

社長自身を被保険者とする生命保険によって死亡退職金を用意できるだけでなく、結果的に法人税の節税ができる点がメリットです。ただし、保険料の負担が経営を圧迫することがない範囲で加入することが重要となります。

代表的な掛け捨てタイプの保険は定期保険です。定期保険は満期が設定されており、満期まで被保険者が生存していた場合は保険金を受け取ることはできません。しかし、安い保険料で大きな保障が得られることが魅力です。

積み立てタイプに加入する
将来的に発生する役員の退職金や会社の設備投資などに備えるため、資産の形成を行いたいと言った場合には積立型の法人保険を活用することがおすすめです。

こちらも掛け捨て型と同様、保険料を損金に算入することが可能なので節税効果に期待ができます。

積立型の生命保険の場合、損金算入可能な保険料の額は1/2や1/3の割合ではありますが、保険解約時には高額な返戻金を受け取れることが特徴だと言えるでしょう。場合によっては満期時にも保険金が支払われることもあります。

会社の資金繰りに余裕があり、将来的に資産を増やしたいという経営者の方にはこちらのタイプの生命保険がおすすめです。



頭を悩ます法人税節税は正しい知識が必要

中小企業経営者の悩みである「法人税の節税」にはこのようにさまざまな方法があります。しかし、実際に節税対策を行う場合には、まず経営者自らが法人税の規定を理解することが大切だと言えるでしょう。

また、とにかく節税効果を得たいという方は、税負担の減少が確定するタイプの節税方法を優先して検討することがおすすめです。そのうえで、自社の状況に振り返り、無理のない節税方法を選びます。

節税対策を目的として行った設備投資や人材投資、保険加入などによる資金負担が経営を圧迫して事業継続ができなくなると本末転倒になってしまいます。


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とはいえ、そもそも法人保険とは何か?どのようなメリットデメリットがあるのかなど具体的な仕組みについて気になる方も多いかと思います。ぜひこの機会に、会社に役立つ「法人保険」の仕組みをご確認ください。


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