会社設立
法人登記の方法

法人登記の方法・手順について解説

個人での事業と違い、法人を設立することで、業務の幅は広がります。

なぜなら、個人事業の場合と異なり、法人の場合は「複数人が集団で業務を行う」ことが前提になるため、様々な経費が費用として認められやすくなるからです。

これまでの業務のコストカットが達成されれば、さらに新しい事業活動を行うことも見込めるかもしれません。

しかし、個人事業主などが初めて法人成りする際には、どのような手続きをする必要があるのでしょうか。

ここでは、法人化を考えている経営者の方に向けて、法人登記の具体的な手順について詳しく解説していきます。

そもそも法人登記とは

法人登記とは

法人登記とは、「会社を設立する際には、自社の基本情報を法人登記簿に登録し、公的に法人を認めてもらう」という制度です。

分かりやすく言うと、法人登記簿とは、私たち個人が持っている戸籍のようなものです。

法人登記簿には、法人の事業目的や所在地、取締役などの基本情報が登録する必要があります。

なお、株式会社や合同会社の設立を行うとなった場合には、法人登記を必ず行わなければいけません。法人登記とは、法的な義務であり制度なのです。

もちろん、日本にある法人は全てこの法人登記簿に記録されており、手数料を支払えば、誰でも法人登記簿を閲覧することが可能です。

法人登記簿を利用することで、初めて取引を行う会社の信用などを調べることができます。

法人登記の手続き

法人登記を行う場合は、必要な書類を揃えた上で、法務局で申請を行わなければいけません。

法人登記に必要な書類

  • 定款
    会社の事業目的、照合や所在地などの基本的な事項をまとめたもの。
  • 資本金の払い込みを証明する書面
  • 就任承諾書
    設立時役員の実印が押印されている承諾書。
  • 役員の印鑑証明書
    設立時取締役の印鑑証明書。役員の印鑑が、市役所などで登録されている実印なのか証明するための書類。
  • 印鑑届出書
    会社の実印を作るための書類。
  • 株式会社設立登記申請書
    書類の様式は、会社設立の形態によって変わる。法務局の窓口か、法務省のサイトで手に入れることができる。

法人設立の形態によって多少変化はしますが、基本的にはこれらの6つの書類を作成して、申請を行います。

申請を行った後は、法務局から登記事項証明書を発行してもらいましょう。「自社が、法人登記をしっかり行った」という証明書となります。

また、申請方法には、インターネット・郵送・法務局への直接提出の3つの方法があります。

いずれの方法も法務局が内容を審査し、通らなければ再提出を促される流れとなっています。

手続きを行う際の注意点

法人登記申請の注意点

個人で事業を行う場合は、法人登記の申請は必要がありません。

しかし、法人を設立し、自社の情報を法人登記簿へ情報を載せると、対外的な信用を得ることができます。

法人登記簿は誰でも閲覧が可能なものなので、情報の信頼性から、会社の信用性を上げることができるのです。

対外的な信用を得るということは、取引先作りや人材確保にいい影響を与えることに繋がります。

また、銀行などの金融機関で融資を受けやすくなるというのもメリットの1つです。万が一、会社としての信頼が無ければ、資金繰りにも影響が出てしまいます。

さらに、法人化をすることで、法人税と所得税の支払いを分けられます。

たとえば、個人事業では、経費として扱える費用の種類が少ないので、収益が伸びるにつれ多額の税金が発生してしまいがちです。

しかし、法人では経費として扱える費用の種類が多いため、会社の資産と個人の所得を分けることで、所得税を抑えつつ、会社のキャッシュをより効率的に形成することができます。

とはいえ、法人化してしまうと、法人税の発生から会計業務が複雑になってしまいます。

経営者自身に税務の知識がない場合は、税理士や会計士を雇うことになるので、結果的にマイナスとなってしまうことも考えられるのです。

会社を設立するために

法人を設立するために

法人登記の申請は、1人でもすべて行えますが、会社設立の根幹となる重要な手続きです。

したがって、もし登記時に手違いが起きてしまうと、会社に大きな悪影響を及ぼしかねません。

また、法人登記には、複数の必要書類の作成と用意が必要です。

これらを自身で準備するとなると、かなりの労力と時間が掛かってしまいます。

法人設立の場合であれば初めての手続きでしょうから、不明点や疑問な部分も出てしまいます。1人で申請を行うとなると、これらの疑問も自身で調べる必要が出ます。

これらの手間をなくし、スムーズに登記申請を行いたいのであれば、専門家に依頼して行うのが1番の方法といえるでしょう。

法人登記に関する依頼をできる専門家は、司法書士、行政書士、税理士が挙げられます。

特に、司法書士は他の専門家ができない法務局への登記も引き受けてくれるので、ほとんどの手続きを一括で行ってくれる非常に便利な存在です。

行政書士は、飲食業や運送業といった許認可が必要な事業で起業する場合の手続きを行ってくれます。そのため、法人設立の手続きと一緒に行えば、費用の削減も可能です。

税理士は、会社設立後の顧問契約をするという前提であれば、他よりも安く引き受けてくれるメリットがあります。税金についても相談したいのであれば、心強いパートナーになってくれるでしょう。

法人になると、登記に限らずさまざまな手続きが必要になります。

また、法人化をすると、個人での事業と違い法人税が発生するので、資金の心もとない内には法人の税金対策や法人税の基本的な仕組みを知っておくことが必要です。

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法人成りを考えている経営者であれば、法人化後のキャッシュ対策を練るためにも、ぜひこちらの記事を確認しましょう。

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