「法人保険に加入したいが、よくわからないのでまずは専門家に相談をしたい」
これから法人保険への加入を検討している経営者や企業担当者の中には、このようにお考えの方も多いのではないでしょうか。
法人保険は、万が一のことがあったときの事業継続資金や、従業員の退職金準備、税務対策など、多彩な活用方法があります。一方で、多彩ゆえに数多くの保険商品があり、企業としては適切な選択と導入が非常に重要です。
そこで本記事では、法人保険の相談先をわかりやすく整理し、スムーズに検討・見直しするための情報を詳しく解説します。
相談時に適切なアドバイスをもらうためのコツをお伝えするので、法人保険を検討中の方はぜひ最後までご覧ください。
なお、当サイトでも企業の悩みに合わせて法人保険のプロフェッショナルをマッチングするサービス「財務戦略コネクト」を提供しています。実績豊富な専門家をご紹介できますので、ぜひお気軽にご相談ください。
法人保険の相談ができる窓口一覧

法人保険とは、経営に関わるリスクや将来の計画に備えるために法人名義で加入する保険のことで、特に生命保険のことを指します。
契約者が法人(会社)となることで、事業継続や財務対策、福利厚生など、経営のさまざまな場面で活用できます。専門的な知識が必要なので、相談先も法人向けに特化した窓口を選ぶことが大切です。
ここでは、おすすめの代表的な相談窓口を6種類に分けて紹介します。
保険会社
大手生命保険会社には法人向けの専用部署があり、自社で販売している商品からおすすめのものを紹介してもらえます。
自社商品についてはどこよりも詳しく、相談から最適な保障プランの設計、契約まで一貫して行えます。
ただし、自社商品の中での提案となるため、複数商品の比較相談を希望する場合にはやや選択肢が限られる点がデメリットです。
保険代理店
保険代理店は、保険会社から委託を受けて商品の紹介や手続きの代理、契約後のサポートなどを行う事業者です。「乗合代理店」と「専属代理店」があります。
- 乗合代理店…複数の保険会社と提携する保険代理店
- 専属代理店…特定の1社のみ取り扱う代理店
乗合代理店なら、数十社の保険商品を広範に比較相談しながら選べる強みがあります。また、財務・退職金・福利厚生など、企業経営の課題について幅広く相談できる点も保険代理店の魅力です。
なお、保険代理店で契約したからといって、保険料が高くなることはありません。手数料もかからず、保険会社に直接相談する場合と同じコストで保険に加入できます。
銀行
一部の地銀や信託銀行では、法人向け窓口で資産運用や事業承継といった経営全体を見据えた法人保険の相談が可能です。
金融機関ならではのネットワークを活用した提案が特長で、取引のある銀行なら資金状況を踏まえたアドバイスをもらえます。
一方で、保険代理店より取り扱い保険会社が少なかったり、具体的な保障設計にはやや時間がかかったりする場合があります。そのため、加入したい商品候補を下調べしたうえで、余裕のあるスケジュールで相談すると安心です。
税理士
税務のプロである税理士は、法人保険の相談において、特に企業の税務・会計面を重視したアドバイスが得られます。
決算対策や税務対策について的確なアドバイスをもらえるほか、法人保険の複雑な経理処理についても相談可能です。
ただし、保険商品そのものに精通しているわけではなく、保障設計や具体的な手続きにも対応していないため、実際に加入するときは保険会社や代理店との連携が必要です。
ファイナンシャルプランナー(FP)
FPへの相談は、個人向け相談と同様に法人保険でもライフプラン的な視点からアドバイスをもらえます。
業種・規模に応じた保障設計や税務効果なども比較しながら提案してくれるので、柔軟な法人保険相談を望む企業に適しています。
FPの窓口はさまざまで、保険代理店やコンサルティング会社などの企業に属するケースもあれば、フリーランスや独立事務所で活動しているケースもあります。個人向けとは業務領域が異なるため、法人向けの相談実績がある専門FPを選ぶようにしましょう。
法人保険の相談窓口を選ぶときのポイント

法人保険の相談窓口を紹介しましたが、「相談窓口が多すぎて選ぶのが難しい」「どこに相談すれば安心なのか分からない」と感じる方も多いと思います。
最適な法人保険を選ぶためのポイントとして、以下の4点を押さえておきましょう。
無料で相談できるか
まずは、無料で相談できるかどうかチェックしましょう。
初めて法人保険について話す場面では、料金を気にせず安心して相談できることで精神的なハードルも下がります。
特に、保険代理店は保険会社から報酬を得ているため、相談者側に料金を請求することは原則ありません。アフターフォローについても基本的に無料なので、気軽に利用してみましょう。
複数の保険商品を比較相談できるか
複数の保険会社からの提案が可能かどうかは、選択肢が広がる大事な要素です。
法人保険は各保険会社がさまざまな商品を出しているので、自社の状況や加入目的に合ったものを選ぶ必要があります。
取扱社数が30社以上ある相談窓口なら、豊富な商品から自社に最適な法人保険を選べるでしょう。
担当エリアに自社の所在地があるか
店舗型の窓口や訪問型相談サービスを選ぶ際は、担当エリアに自社所在地が含まれているか確認が必要です。
大手の保険会社や代理店であれば、全国エリアに対応しているため利用しやすいでしょう。
なお、担当エリアに入っていなくても、オンラインで相談できる窓口があります。オンラインの場合、ZoomなどのWeb会議アプリが必要となるため、事前の準備も必要となります。
法人コンサルティングの実績があるか
同じ保険相談でも、個人向けと法人向けでは内容が異なります。
法人向けの場合、経営や法人税制、福利厚生・事業承継・退職金など各種の専門知識が求められます。個人向け領域では実績豊富でも、法人保険についてはあまり詳しくないという専門家だと、的確なアドバイスをもらえません。
対応業務や過去の実績をチェックし、法人コンサルティングを強みとしている専門家を選ぶようにしましょう。
実際に法人保険の相談をするときの流れ

法人保険の相談を受けるにあたって、「どう進めればいいのか」「何を準備すべきか」と迷ってしまう方は少なくありません。
初めての相談でも安心して臨めるように、ここでは一般的な流れと各ステップでのポイントを、わかりやすく解説します。
step1:問い合わせ・日程調整
まずは、相談を希望する窓口の公式サイトや電話窓口から相談予約を行います。最近では、オンライン相談の予約フォームも充実しており、スマートフォンから簡単に申込みが可能です。
この段階では、以下のような情報を聞かれることがあります。
- 会社名・所在地
- 担当者名・連絡先
- 相談したい内容(退職金準備・節税・福利厚生など)
- 希望の相談形式(店舗・訪問・オンライン)
「何から話せばいいか分からない」という方でも、選択式フォームや初回ヒアリング用のチェックシートがあるため、スムーズに予約を完了できます。「まずは聞いてみる」という気軽な気持ちで申し込んでみましょう。
step2:企業情報のヒアリングと現状分析
予約後の初回面談では、企業の経営状況や課題・目的、法人保険に期待することを共有するために、ヒアリング(聞き取り)が行われます。
具体的には、次のような内容を中心に対話が進みます。
- 現在の保険加入状況(契約中・未契約など)
- 財務状況(売上・利益・借入など)
- 社員数や役員構成
- 経営者の年齢や将来の事業承継方針
- 具体的な課題(退職金準備、役員保障、税金対策など)
ここで目的や不安を共有することが、自社が抱えるリスクの正しい分析と、適切な法人保険のプラン設計につながります。
step3:保険商品の提案・比較
ヒアリング内容をもとに、担当者が企業に最適なプランを提案します。
提案内容の確認時は、特に以下のようなポイントを詳しく聞いてみましょう。
- 保障内容の内訳(死亡保障・医療保障など)
- 保険料の支払い方法と金額
- 解約返戻金の推移
- 損金処理の可否や税務面の影響
- 万一の際の支払例(死亡保険金や医療給付金)
この場では、法人保険に関する専門用語や、各種数字の意味などを遠慮なく質問しましょう。疑問をクリアにしていくことで、契約への納得感が高まります。
また、「比較提案」なので、選ぶのはあくまで企業自身です。すぐに決断できないときは、いったん持ち帰って慎重に検討することをおすすめします。
step4:プランの決定・契約
提案内容に納得し、企業側の意思決定が固まれば、正式な法人保険契約の手続きへと進みます。
契約手続きでは、申込書の記入、契約者・被保険者の確認、会社印の捺印などが行われます。保険料支払いの管理や今後のフォロー体制を確認し、保険証書やしおりなどの契約書類一式を受け取りましょう。
契約後も、解約や保障内容の変更など法人保険に関することは、原則無料で相談できます。専門家のアドバイスを受けつつ、適宜保障内容を見直すことが、事業の安定性を高めるポイントです。
効果的なアドバイスをもらうための3つのコツ

「法人保険の知識がないから相談するのが不安…」「専門家の話が理解できないと適切な法人保険を選べないかも」と考える方も多いのではないでしょうか。
例え保険に関する知識がなくても、誠実で優秀な専門家であれば丁寧かつわかりやすい説明をしてくれるので、それほど心配する必要はありません。
ただし、「最低限の知識をもって、より効果的なアドバイスをもらいたい」と思うのであれば、以下のコツを押さえておきましょう。
①法人保険に入る目的を明確にする
数多くの企業が利用する法人保険ですが、その加入目的は千差万別です。
- 経営者の万が一の死亡・病気・怪我に備えたい(生命保険)
- 従業員向けの生命保険を用意したい(福利厚生)
- 業務上のあらゆる損害に備えたい(損害保険)
- 役員、従業員の退職金準備
- 事業継承対策に利用したい
目的が違えば、選ぶべき商品も変わります。
「なぜ法人保険に加入しようと思ったか」「自社が抱えている課題はなにか」を整理し、法人保険を使って何をしたいのか相談時にはっきりと伝えることが、最適な保険商品を選ぶためには大切です。
② 法人保険のデメリットやリスクを把握する
多彩な種類がある法人保険ですが、どの商品を選んだとしてもデメリットやリスクはつきものです。相談窓口でもリスクやデメリットを教えてもらえますが、ある程度自分で認識しておくことで安心して検討できます。
法人保険における主なデメリットやリスクは、以下の通りです。
- 保険料の支払負担がある
- 会社や被保険者個人の状態によっては加入が制限される可能性がある
- 複雑な経理処理が必要になる
- 恒久的な節税方法としては機能しない(「課税の繰延」による一時的な税負担の軽減は可能)
特に税金対策として法人保険を検討している場合は、注意が必要です。保険料を損金算入することで一時的な節税はできますが、保険料や解約返戻金に課税されるため、トータルの税負担はほとんど変わりません。
このようなデメリットについて専門家に相談しつつ、リターンとのバランスを取るようにしましょう。
③ 解約返戻金の有無やその推移について把握する
解約返戻金とは、解約時に保険会社から払い戻される金銭を指します。主に定期保険(期間の定めがある生命保険)や養老保険(満期保険金がある生命保険)などに設けられる制度です。
法人保険による退職金準備などは、解約返戻金の活用を前提としています。ここで重要なのが、解約返戻金は保険期間の経過によって変動するということです。
特に定期保険の場合、契約後10年~30年でピークを迎えた後、契約期間の終了に向かって減額されていき、最終的には0円になります。そのため。定期保険で解約返戻金を活用するなら、長期的な計画を立てなければいけません。
また、ピーク時の返戻率(支払済保険料に対する解約返戻金の割合)によって損金算入のルールが変わります。法人保険を効果的かつ正しく活用するためには、解約返戻金やその推移は非常に重要と覚えておきましょう。
よくある質問(FAQ)と注意点

最後に、法人保険やその相談窓口についてよくある質問を、回答と合わせて紹介します。
少しでも疑問や不安を取り除き、円滑な相談ができるようにしましょう。
法人保険はどんな悩みに有効?
法人保険は、経営支援ツールとして企業のさまざまな課題に効果的です。
- 退職金準備
- 福利厚生
- キーパーソンに万一があったときの事業保障
- 弔慰金、見舞金の準備
- 事業承継、相続対策
このように、法人保険は幅広い目的で活用できます。
対面(店舗・訪問)型 vs オンライン型:どちらで相談するべき?
店舗や訪問面談で直接相談するか、オンライン完結型の窓口で相談するかは、それぞれにメリットがあります。
- 対面型:対面で資料や表を確認できるため、理解しやすく安心感がある。
- オンライン型:移動不要かつ短時間で相談できるため、忙しい経営者に向いている。
どちらが適しているかは、会社の業態や働き方、所在地などによって変わります。一般的には対面型のみ対応しているケースが多いため、オンライン面談を希望する場合は相談先の対応状況を確認しましょう。
相談後に契約は必須?
多くの窓口では相談のみでも対応可能で、契約せずに終わっても問題ありません。
「最終的に断ったのにしつこく勧誘してくる」「強引に契約を迫られた」といった状況になった場合、以下の窓口に相談しましょう。
- 生命保険協会「生命保険相談所」
- 金融ADR(指定紛争解決機関)
- 消費者庁・都道府県の消費生活センター(個人事業主や小規模法人の場合)
法人でも泣き寝入りせず、公正な第三者に相談することが解決の糸口になります。
まとめ

法人保険の相談は、ただの保険選びではなく、企業経営を継続して安定させる戦略の第一歩です。
具体的な相談窓口としては、保険会社、代理店、銀行、税理士、FP、オンラインサービスなどが挙げられます。
また、実際に相談する際は「加入目的の明確化」や「デメリット・リスクの把握」をしておくことで、より効果的なアドバイスをもらえます。
専門家と相談しながら正しい知識とアプローチをもって、法人保険を最大限活用しましょう。
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- 適正納税の範囲で安定した財務を確保したい
- 損害保険や生命保険など万が一のリスクに備えた法人保険に加入したい
- 財務対策として最適な法人保険をプロの目線から提案してほしい
- 退職金準備や事業継承など出口戦略をそろそろ考えていきたい
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