「法人保険に加入したいが、よくわからないのでまずは専門家に相談をしたい」
これから法人保険への加入を検討している経営者や企業担当者の中には、このようにお考えの方も多いのではないでしょうか。
法人保険は、退職金準備や税務対策など多彩な活用方法がありますが、それゆえに数多くの保険商品があり、企業や経営者は慎重に加入先を選ばなければいけません。
本記事では、法人保険の相談先をわかりやすく整理し、スムーズに検討・見直しするための情報を詳しく解説します。
相談時に適切なアドバイスをもらうためのコツもお伝えするので、法人保険を検討中の方はぜひ最後までご覧ください。
法人保険の相談ができる窓口5選

法人保険選びは、経営や税務に関わる知識が重要なので、相談先も法人向けに特化した窓口を選ぶことが大切です。
代表的な法人保険の相談窓口としては、以下の5種類が挙げられます。
- 保険代理店(乗合代理店):保険の比較をしたい人におすすめ
- 保険会社・専属代理店:加入したい保険商品が決まっているならベスト
- 銀行:資金状況を含めて相談できるのが強み
- 税理士:節税や決算対策と絡めたアドバイスがもらえる
- ファイナンシャルプランナー:ライフプランニングも相談できるのが魅力
それぞれメリットやおすすめできるケースを、詳しく解説します。
1.保険代理店(乗合代理店)
- 保険商品を横並びで比較したい
- 加入している保険を見直したい
- 退職金・税金対策・事業保障をまとめて相談したい
- 中立な立場からアドバイスしてほしい
保険代理店は、保険会社から委託を受けて商品の紹介や手続きの代理、契約後のサポートなどを行う事業者です。法人向けの場合、財務戦略や福利厚生など、企業経営の総合的な相談もできます。
保険代理店のうち、複数の保険会社を取り扱うのが「乗合代理店」、1つの保険会社のみ取り扱うのが「専属代理店」といいます。乗合代理店なら、数十社の保険商品から適切なものを紹介してもらえるので、幅広く比較したい場合におすすめです。
当サイトでも、法人保険に特化した代理店の【無料相談窓口】をご用意しているので、ぜひお問い合わせください。
2.保険会社・専属代理店
- 入りたい保険商品が決まっている
- 商品について確度の高い情報を聞きたい
- 中間に第三者を挟まず契約したい
保険会社や専属代理店への相談は、自社商品についてどこよりも詳しいため、最適な保障プランを提案してもらえる点がメリットです。
加入したい保険商品が決まっているなら手続きがスムーズですし、料率改定や販売停止予定といった商品情報をいち早く聞ける可能性もあります
ただし、自社商品の中での提案となるため、選択肢は狭くなります。保険を幅広く比較しながら相談したい人には向いていないでしょう。
3.銀行
- 資金状況と照らし合わせた相談がしたい
- 銀行との長期的な付き合いも考慮したい
- 不動産や信託も組み合わせて相談したい
一部の地銀や信託銀行では、法人向け窓口で保険業務も取り扱っており、資産運用や事業承継といった経営全体を見据えた相談が可能です。
金融機関ならではのネットワークを活用した提案が特長で、取引のある銀行なら資金状況を踏まえたアドバイスをもらえます。
一方で、保険代理店より取り扱い保険会社が少なかったり、具体的な保障設計にはやや時間がかかったりする場合があります。加入したい商品候補を下調べしたうえで、余裕のあるスケジュールで相談しましょう。
4.税理士
- 節税や決算対策と合わせて相談したい
- 保険料の経理処理(損金算入や資産計上)まで相談したい
- 税務調査で否認されないプランを組み立てたい
税務のプロである税理士は、法人保険の相談において、特に企業の税務・経理面を重視したアドバイスが得られます。
節税や決算対策について的確なアドバイスをもらえるほか、法人保険の複雑な経理処理についても相談可能です。
ただし、保険商品そのものには精通しておらず、見積もりや契約手続きにも対応していないため、実際に加入するときは保険会社や代理店との連携が必要です。
5.ファイナンシャルプランナー
- 「会社」と「個人」のセットで相談したい
- 家計・相続・老後資金など、ライフプランニングの視点からアドバイスが欲しい
- 小規模企業共済や積立投信など「保険以外」の選択肢も知りたい
法人領域に対応しているファイナンシャルプランナー(FP)なら、法人保険でもライフプランニングも含めたアドバイスをもらえます。
会社として保険活用だけでなく、個人の保障プランまで一体で組み立てたい経営者に適した相談窓口です。
FPは、保険代理店やコンサル会社などに属している場合と、独立開業している場合があります。共済制度や投資商品も含めて“どれを組み合わせるべきか”を相談したいときは、特定の商品に偏りにくい独立系FPに一度整理してもらうと良いでしょう。
どの窓口から相談するべき?ケース別のおすすめ

ここまで見てきた通り、法人保険の相談窓口にはそれぞれ得意・不得意があります。「どこが一番いいか」ではなく、「自社の今の状況ならどこで相談するのがベストか」という視点で選ぶのがおすすめです。
代表的なケースごとに、最初の一歩となる窓口を整理します。
まずは中立な視点で話を聞きたい:乗合代理店orFP
「まずは法人保険の全体像を知りたい」「特定の会社に偏らずに比較したい」という段階であれば、乗合代理店やFPに相談してみましょう。
中立な視点で法人保険への理解を深め、最適な保険会社・代理店を絞り込んだうえで次の一歩に進めます。
決算対策や節税の相談をしたい:顧問税理士 × 乗合代理店
決算直前で「今期の利益をどう調整するか」が主なテーマであれば、まずは顧問税理士に相談し、そのうえで法人保険の具体的な商品比較は乗合代理店に依頼しましょう。
税理士に決算全体のバランスや税務リスクを確認してもらい、代理店で複数社の商品を比較しながらプランを組む、という使い分けがおすすめです。
退職金・福利厚生制度を充実させたい:乗合代理店
役員退職金の準備や従業員向けの保障制度など、法人保険を「会社の制度づくり」の一部として位置づけたい場合は、法人分野に強い乗合代理店を最初の相談先にするのがおすすめです。
複数社の商品を組み合わせながら、退職金・事業保障・福利厚生などを一体で設計してもらえます。
融資や資産運用で銀行と深く連携している:銀行 × 乗合代理店
既に取引銀行との付き合いが深く、借入や設備投資、資産運用などを密に相談している場合は、まずは銀行に「資金繰り・将来の投資計画とあわせて保険をどう位置づけるか」を相談するのも一案です。
具体的な商品比較やプランの精査については、乗合代理店からセカンドオピニオンをもらう形にすると、それぞれの強みを活かせます。
実際に法人保険の相談をするときの流れ

法人保険の相談を受けるにあたって、「どう進めればいいのか」「何を準備すべきか」と迷ってしまう方は少なくありません。
初めての相談でも安心して臨めるように、ここでは一般的な流れと各ステップでのポイントを、わかりやすく解説します。
step1:問い合わせ・日程調整
まずは、相談を希望する窓口の公式サイトや電話窓口から相談予約を行います。最近では、オンライン相談の予約フォームも充実しており、スマートフォンから簡単に申込みが可能です。
この段階では、以下のような情報を聞かれることがあります。
- 会社名・所在地
- 担当者名・連絡先
- 相談したい内容(退職金準備・節税・福利厚生など)
- 希望の相談形式(店舗・訪問・オンライン)
「何から話せばいいか分からない」という方でも、選択式フォームや初回ヒアリング用のチェックシートがあるため、スムーズに予約を完了できます。「まずは聞いてみる」という気軽な気持ちで申し込んでみましょう。
step2:企業情報のヒアリングと現状分析
予約後の初回面談では、企業の経営状況や課題・目的、法人保険に期待することを共有するために、ヒアリング(聞き取り)が行われます。
具体的には、次のような内容を中心に対話が進みます。
- 現在の保険加入状況(契約中・未契約など)
- 財務状況(売上・利益・借入など)
- 社員数や役員構成
- 経営者の年齢や将来の事業承継方針
- 具体的な課題(退職金準備、役員保障、税金対策など)
ここで目的や不安を共有することが、自社が抱えるリスクの正しい分析と、適切な法人保険のプラン設計につながります。
step3:保険商品の提案・比較
ヒアリング内容をもとに、担当者が企業に最適なプランを提案します。
提案内容の確認時は、特に以下のようなポイントを詳しく聞いてみましょう。
- 保障内容の内訳(死亡保障・医療保障など)
- 保険料の支払い方法と金額
- 解約返戻金の推移
- 損金処理の可否や税務面の影響
- 万一の際の支払例(死亡保険金や医療給付金)
この場では、法人保険に関する専門用語や、各種数字の意味などを遠慮なく質問しましょう。疑問をクリアにしていくことで、契約への納得感が高まります。
また、「比較提案」なので、選ぶのはあくまで企業自身です。すぐに決断できないときは、いったん持ち帰って慎重に検討することをおすすめします。
step4:プランの決定・契約
提案内容に納得し、企業側の意思決定が固まれば、正式な法人保険契約の手続きへと進みます。
契約手続きでは、申込書の記入、契約者・被保険者の確認、会社印の捺印などが行われます。保険料支払いの管理や今後のフォロー体制を確認し、保険証書やしおりなどの契約書類一式を受け取りましょう。
契約後も、解約や保障内容の変更など法人保険に関することは、原則無料で相談できます。専門家のアドバイスを受けつつ、適宜保障内容を見直すことが、事業の安定性を高めるポイントです。
効果的なアドバイスをもらうための3つのコツ

「法人保険の知識がないから相談するのが不安…」「専門家の話が理解できないと適切な法人保険を選べないかも」と考える方も多いのではないでしょうか。
例え保険に関する知識がなくても、誠実で優秀な専門家であれば丁寧かつわかりやすい説明をしてくれるので、それほど心配する必要はありません。
ただし、「最低限の知識をもって、より効果的なアドバイスをもらいたい」と思うのであれば、以下のコツを押さえておきましょう。
①法人保険に入る目的を明確にする
数多くの企業が利用する法人保険ですが、その加入目的は千差万別です。
- 経営者の万が一の死亡・病気・怪我に備えたい(生命保険)
- 従業員向けの生命保険を用意したい(福利厚生)
- 業務上のあらゆる損害に備えたい(損害保険)
- 役員、従業員の退職金準備
- 事業継承対策に利用したい
目的が違えば、選ぶべき商品も変わります。
「なぜ法人保険に加入しようと思ったか」「自社が抱えている課題はなにか」を整理し、法人保険を使って何をしたいのか相談時にはっきりと伝えることが、最適な保険商品を選ぶためには大切です。
②法人保険のデメリットやリスクを把握する
多彩な種類がある法人保険ですが、どの商品を選んだとしてもデメリットやリスクはつきものです。相談窓口でもリスクやデメリットを教えてもらえますが、ある程度自分で認識しておくことで安心して検討できます。
法人保険における主なデメリットやリスクは、以下の通りです。
- 保険料の支払負担がある
- 会社や被保険者個人の状態によっては加入が制限される可能性がある
- 複雑な経理処理が必要になる
- 恒久的な節税方法としては機能しない(「課税の繰延」による一時的な税負担の軽減は可能)
特に税金対策として法人保険を検討している場合は、注意が必要です。保険料を損金算入することで一時的な節税はできますが、保険料や解約返戻金の受取時に課税されます。
代理店などで相談するときは、「キャッシュフローに無理はないか」「出口戦略はどうするか」まで踏み込んだシミュレーションを確認しましょう。
③解約返戻金の有無やその推移について把握する
解約返戻金とは、解約時に保険会社から払い戻される金銭を指します。主に定期保険(期間の定めがある生命保険)や養老保険(満期保険金がある生命保険)などに設けられる制度です。
法人保険による退職金準備などは、解約返戻金の活用を前提としています。ここで重要なのが、解約返戻金は保険期間の経過によって変動するということです。
特に定期保険の場合、契約後10年~30年でピークを迎えた後、契約期間の終了に向かって減額されていき、最終的には0円になります。そのため、定期保険で解約返戻金を活用するなら、長期的な計画を立てなければいけません。
また、ピーク時の返戻率(支払済保険料に対する解約返戻金の割合)によって損金算入のルールが変わります。法人保険を効果的かつ正しく活用するためには、解約返戻金やその推移は非常に重要と覚えておきましょう。
よくある質問(FAQ)と注意点

最後に、法人保険やその相談窓口についてよくある質問を、回答と合わせて紹介します。
少しでも疑問や不安を取り除き、円滑な相談ができるようにしましょう。
法人保険はどんな悩みに有効?
法人保険は、経営支援ツールとして企業のさまざまな課題に効果的です。
- 退職金準備
- 福利厚生
- キーパーソンに万一があったときの事業保障
- 弔慰金、見舞金の準備
- 事業承継、相続対策
このように、法人保険は幅広い目的で活用できます。
対面(店舗・訪問)型 vs オンライン型:どちらで相談するべき?
店舗や訪問面談で直接相談するか、オンライン完結型の窓口で相談するかは、それぞれにメリットがあります。
- 対面型:対面で資料や表を確認できるため、理解しやすく安心感がある。
- オンライン型:移動不要かつ短時間で相談できるため、忙しい経営者に向いている。
どちらが適しているかは、会社の業態や働き方、所在地などによって変わります。一般的には対面型のみ対応しているケースが多いため、オンライン面談を希望する場合は相談先の対応状況を確認しましょう。
初回はオンラインで方向性を決め、必要に応じて対面で詳細を詰めるという組み合わせ方もおすすめです。「対面かオンラインか」の1つではなく、両方をうまく組み合わせて活用しましょう。
相談後に契約は必須?
多くの窓口では相談のみでも対応可能で、契約せずに終わっても問題ありません。
「最終的に断ったのにしつこく勧誘してくる」「強引に契約を迫られた」といった状況になった場合、以下の窓口に相談しましょう。
- 生命保険協会「生命保険相談所」
- 金融ADR(指定紛争解決機関)
- 消費者庁・都道府県の消費生活センター(個人事業主や小規模法人の場合)
法人でも泣き寝入りせず、公正な第三者に相談することが解決の糸口になります。
代理店で契約すると保険料は高くなる?
いいえ。代理店で契約しても、保険料が高くなることはありません。
間に代理店を挟むことで、手数料を上乗せされるイメージがあるかもしれませんが、代理店も保険会社も、加入後の保険料は同じ金額になります。
代理店は保険会社から手数料をもらうシステムになっているため、ユーザー側にコストを負担させる必要がなく、見積もりからアフターサポートまで無料で対応しています。。
まとめ

法人保険の相談は、ただの保険選びではなく、企業経営を継続して安定させる戦略の第一歩です。
具体的な相談窓口としては、保険会社、代理店、銀行、税理士、FPなどが挙げられます。
また、実際に相談する際は「加入目的の明確化」や「デメリット・リスクの把握」をしておくことで、より効果的なアドバイスをもらえます。
専門家と相談しながら正しい知識とアプローチをもって、法人保険を最大限活用しましょう。
法人保険比較.netの
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