会社役員のボーナスを活用する

活用テクニック

役員報酬で節税するための3つのポイント

役員報酬で節税
役員報酬を上手に設定すると法人税の節税効果があることをご存知の方は多いですが、どういった仕組みで節税効果があらわれるのかまでしっかりと理解している方は意外と少ないです。 

また、過度の役員報酬の増額がかえって増税効果をもたらしてしまうことや、税務調査時に否認されてしまうリスクを増大させることさえあります。

そこでここでは、役員報酬と法人税の関係や、どうして節税効果が表れるのかのメカニズムをしっかりと理解していただき、適切な役員報酬の金額やそれを可能にするための法人保険の利用方法についてご紹介いたします。 それでは順番に見ていきましょう。


「役員報酬で節税」とは?

役員報酬の金額によって節税ができることは何となく耳にしたことのある方も多いと思いますが、これがどういったメカニズムで起こるのかを正しく理解するために、まずは法人税がどのような仕組みになっているか確認していきましょう。 


益金と損金

  会社を経営し、売り上げなど会社に入って来る収益を法人税法では「益金(えききん)」といい、一方仕入れや外注費など事業活動を行ううえで出ていくさまざまな費用を「損金(そんきん)」といいます。

益金と損金
  • 益金 → 会社に入ってくる収益
  • 損金 → 事業活動で出ていく費用

  • ただし正確には、「収益≠益金」「費用≠損金」であるので、決算書の当期利益の金額に対してさまざまな調整が行われます。つまり、決算書で出た当期利益に対して税率を掛けて法人税額を算出しているわけではなく、その数字をベースに、法人税法のルールに則りさまざまな加算・減算を行い、最終的に出た数字に対して税率を掛けているのです。 


    役員報酬は損金算入

    それでは役員報酬は何にあたるでしょうか?

    もちろん収益(益金)ではありません。会社から出ていく費用ですから、損金にあたります。 

    では、役員報酬を増やしたら法人税はどうなるでしょうか? 

    法人税の計算方法は、(益金)-(損金)=(所得)⇒(所得)×税率=法人税額で計算されます。役員報酬が増えると、上の図式の損金が増えるため、所得が減ります。所得が減れば法人税額も減るわけです。 

    ということは、法人税を節税するためには(究極的には0円にするためには)所得が0円(もしくは赤字)になりそうな金額の役員報酬を設定すれば、法人税の節税が完璧にできそうですが、実際はどうなのでしょうか?


    節税メリットだけ?役員報酬を増額することのデメリット

    所得を0円に近づければ良いのなら役員報酬をどんどん増額していけば、0円(もしくは赤字)に出来るため、法人税の節税は誰でも簡単に出来そうなものですが、実際にはそういうわけには行きません。 


    役員報酬を増額すると一緒に増額されるものがある

    役員報酬を増額すると、それに連動して以下の3つが増額されます。 

    ①源泉所得税
    ②住民税
    ③社会保険料


    給料明細で見たことがある項目です。それでは詳細に見てみましょう。

    まずは①の源泉所得税。
    これは役員報酬が増額されるとそれに応じて増額されていきます。所得税の税率表は以下の通りです。

    所得税の税率
    課税所得金額(1,000円未満切り捨て) 税率 控除額
    以下
    195万 5% 0円
    195万 330万 10% 97,500円
    330万 695万 20% 427,000円
    695万 900万 23% 636,000円
    900万 1,800万 33% 1,536,000円
    1,800万 4,000万 40% 2,796,000円
    4,000万 45% 4,796,000円

    ちなみに所得税の最高税率は45%となっています。

    次は②の住民税です。
    課税所得金額に関わらず一律で10%となり、これに均等割の4,000円が加えられます。この金額は、役員報酬が増額されたからといって、すぐに増額するわけではありません。

    住民税は昨年の源泉徴収票をベースに計算したものが課税されているため、年の途中で役員報酬を増額させたとしても、それが税額に反映されるのは翌年の住民税ということになります。

    最後に③の社会保険料です。
    これは当該事業所の所在地によって微妙に違いますが、東京都の場合、40歳以上であれば健康保険が11.47%(うち半分は会社負担)、厚生年金が18.30%(うち半分が会社負担)となっています。

    これら①、②、③の合計が、役員報酬の増加に伴い増額していくことになります。 


    月収が増えると手取りが減る

    ここまでご覧いただくとお分かりの通り、給料は増えて行けばいくほど、納める税金や社会保険料が増えていきます。所得税は累進課税制度をとっているため、収入が増えれば増える程、手取りとしてもらえる率は少なくなります。

    例えば年収100万円ほどであれば手取りも100%になりますが、年収が5,000万円ほどになると、手取りは50%以下になります。 


    それでは法人税の税率は?

    先程述べたように、法人税の税額は益金から損金を引いて出た所得に対して税率を掛けて算出されたものでした。それでは法人税の税率が何%なのか見ていきたいと思います。

     
    法人税
    普通法人 全て 23.4%
    中小法人 所得が800万円/年相当以下 15.0%
    所得が800万円/年相当額 23.2%

    地方法人税

    各課税事業年度の基準法人税額 × 4.4% 

    法人住民税
    所得割 資本金1億円以下で法人税額が年2,000万円以下 法人税×12.9%
    上記以外 法人税×16.3%
    均等割 資本金1千万円以下で、従業員が50人以下 70,000円
    資本金が1千万円超1億円以下で、従業員が50人以下 180,000円
    ※均等割の額は、資本金・企業規模によって何段階もの金額が設定されています。 

    法人事業税
    ①資本金1億円以下で、かつ年所得2,500万円以下、かつ年収入金額2億円以下の法人(標準税率)
    法人所得額 税率
    400万円以下 3.4%
    400万円超~800万円以下 5.1%
    800万円超 6.7%


    ②資本金1億円超、または年所得2,500万円超、もしくは年収入金額2億円超の法人(超過税率)
    法人所得額 税率
    400万円以下 3.65%
    400万円超~800万円以下 5.465%
    800万円超 7.18%

    地方法人特別税
    法人所得額 税率
    400万円以下 1.469%
    400万円超~800万円以下 2.203%
    800万円超 2.894%
    ※外形標準課税法人以外の法人である場合

    正しく計算しようとすると、上記の数字を使って算出していくわけですが、実際の税金の計算は複雑ですのでここでは最終的な税率(法定実効税率)のみをご紹介します。

    東京都の中小企業場合、所得金額が400万円以下であれば21.42%、所得金額が400万円超800万円以下であれば23.204%、所得金額が800万円超であれば33.585%が法定実効税率となります。

    これが法人税率のひとつの目安となります。


    役員報酬の増額しすぎはかえって増税に

    所得税の最高税率が45%、住民税は一律10%、それに社会保険が加わるのに比べると、法人税の法定実効税率は最高でも33.585%です(東京都の中小企業の場合)。

    つまり、ある一定水準を超えてまで役員報酬を上げてしまうと、法人税は節税ができても所得税他が増えてかえって増税になってしまうわけです。また、役員報酬を増額しすぎると、もう一つ別のリスクも発生します。


    過大な役員報酬は否認されるおそれも

    役員報酬を決めるのは株主総会だから、株主総会で決まりさえすればいくら支払っても大丈夫・・・という訳ではありません。

    実は損金算入が認められる役員報酬の金額には限度があるのです。同規模の同業他社と比べて著しく多い金額であれば、税務調査時に否認される可能性もあります。いくら法人税を節税するためにとはいえ、否認されてしまっては元も子もありません。


    それではどうすれば良いのでしょうか?

    法人税の節税のためには役員報酬を増額することが効果的であることは今まで述べてきたとおりです。しかしながら増額のし過ぎはかえって増税になってしまうばかりか、税務調査の時に否認される恐れもあります。

    そこでまず、節税効果を出しつつ問題が起こらないために、役員報酬をどれくらいの金額で出すのがベストかを計算するポイントをご紹介します。


    1.役員報酬を上げた場合のコストを計算しましょう

    まず、役員報酬の増額にともなう源泉所得税・住民税・社会保険料などの金額の変化をシミュレーションしてみましょう。 源泉所得税は、給料の月額以外にも扶養家族の数によって変わっていきます(扶養家族が多くなれば多くなるほど、源泉所得税は少なくなります)。

    また、本人が障害者である場合や年齢などによっても変化していきます。 住民税は所得税の金額によって上下動します。 社会保険料は給料の月額に応じて変わってきます。

    よってこれらを精密にシミュレーションしようとすると専門的な知識が必要となるため、顧問税理士などと打ち合わせをしてシミュレーションをすることをおすすめします。 


    2.法人税額もシミュレーションしてみましょう

    役員報酬を増額していく事で、損金算入額が増えるため、所得金額が減ります。これによりどのように法人税額が減るかをシミュレーションしてみましょう。

    さきほど上でご紹介した法定実効税率を所得金額に掛けて法人税額を算出する簡易的な方法もありますが、出来ればこれも顧問税理士に相談してシミュレーションしてもらうことをおすすめします。 


    3.均衡点を見つけましょう

    役員報酬と法人税のシミュレーションができれば、両社の相関関係が分かります。どの金額であれば役員報酬に関する所得税などの諸費用の合計金額と法人税の節税が均衡するのかが分かるはずです。

    そこで見つかった均衡点が、役員報酬をいくらにするか設定する時の一つの目安となるわけです。ただし上で述べた通り、過大な役員報酬は否認される可能性があるため、過大であるかどうかを顧問税理士に相談しながら決定することを忘れずにしなくてはなりません。


    均衡点を下げる

    さてここまで見てくると、役員の状況や会社の規模などによって、役員報酬の増加による源泉所得税額などの増加と法人税額の減少の均衡点がそれぞれ違うことが分かりました。

    それではこの均衡点は全く移動しないのでしょうか?もし均衡点を下げる事ができれば全体の税額も下がり節税効果も上がるのですが、そんな方法は果たしてあるのでしょうか? 


    均衡点を下げる方法とは?

    実は均衡点を下げる方法はあるのです。法人税の計算のやり方をもう一度思い出して下さい。(益金)-(損金)=(所得)でしたね。この(所得)に対してさまざまな種類の税率を掛けたものの合計が法人税額でした。

    この式の中の(損金)を増やすと(所得)が減り、最終的には法人税額そのものが減少していくわけです。役員報酬の増額での節税効果には限界があり、増額には源泉所得税などがコストアップしていくため、役員報酬一辺倒ではかえって効率が悪くなります。

    そこで利用するのが法人保険です。役員の退職金のための積み立てとして、生命保険を活用することにより、会社に残るキャッシュフローを最大化するのです 


    メリット①キャッシュフローを最大化する

    最初におおまかな社長の退職時期を決めます。またその時に退職金としていくらくらいを支払うのか?いくらだったら退職金として支払うことができるのかを算定します。

    それが決まれば次は保険ですが、社長の退任時に解約返戻金がピークを迎える生命保険を選び、それに加入します。そういったタイプの保険となると、逓増定期保険もしくは長期平準定期保険のどちらかを選択することになると思います。

    もちろん解約時に掛金のすべてが返ってくるわけではありませんが、掛け金の一部は損金算入となり、退職時までの間も毎期法人税などの節税効果を生むことができます。 


    メリット②利益を平準化する

    また同時に、利益の平準化にも寄与することができます。会社の利益が常に一定であれば長期計画も立てやすく会社の運営もしやすいのですが、実際はそのように上手く行くわけではありません。

    思いがけず利益が上がる年もあれば、どれだけ営業努力をしても全く上手く行かない年もあります。そういった中で長期計画を立て、会社の方針を決めていくのは極めて困難です。

    経営者の退職金の積み立てと同様の保険に加入し、例えば5年後、10年後、15年後がピークとなるような商品をそろえます。保険料の支払いは発生しますが節税効果も発生します。

    そして何より、5年後、10年後、15年後などに不測の事態が起こった時、これを解約してキャッシュフローを改善する事ができます。 


    注意が必要

    役員報酬の増額による節税効果に限界があるように、法人保険を使った節税やキャッシュフローの最大化にも限界があります。

    何でもそうですが、それ一つで済まそうとするとバランスが悪くなるため、あれもこれも複数を組み合わせる事によりリスクやコストを減らしていく事が大切です。


    まとめ

    役員報酬を増額し損金算入額を増やしていくと、法人税の節税効果が表れます。しかしそれは、同時に源泉所得税をはじめとする様々な別のコストが発生するいわば「諸刃の剣」のようなものです。

    お互いのコストを比較し、両方の均衡点を見つける事が第一段階として大切ですが、それだけでは不十分です。 全体としてキャッシュアウトを出来るだけ少なくするために、また、リスクを最小限に抑えるために、法人保険の活用をおすすめします。

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