企業の決算対策に使える10の方法

その他節税対策

節約上手な中小企業がやっている!法人税節税のための方法10選

個人事業でも会社でも経営が軌道に乗り、利益も順調に大きくなってきたころに経営者の悩みとなるのが「法人税」です。

「できるだけ法人税を支払いたくない…」というのは、どの経営者でも同じ悩みかと思います。

平成30年度現在で法人税率は約30%に設定されており、節税対策を行っていない場合は、収益の約3分の1もの金額を法人税として支払わなければいけません。

もし、しっかりと節税対策を行い、法人税の額が少なくなれば会社にキャッシュが残ります。会社にキャッシュがどれだけ残るかというのは、その後の経営のしやすさにも関わることです。

そこで今回は経営者の悩みである法人税の問題に関して、10個の節税対策法を紹介していきます。


もし法人の利益が出過ぎてしまったら?

紙幣
通常、個人も法人も得た収入に対して税金が課せられます。税金と聞けば、誰しも支払う額を減らしたいと考えますよね。

とは言うものの、法人税の場合、仮に「売上の入金を法人用の口座ではなく別の口座に振り込んでもらおう」
あるいは「従業員が沢山いることにして人件費を余計に計上してしまおう」と考えたとします。

これらの行為は、結論から言うと脱税行為になるわけですが、税務署の目はそれを見過ごすほど甘くありません。

税務署は事業主(経営者)の口座情報を集めることができるので、法人の帳簿に無い入金記録を指摘するのは簡単です。

また、人件費の架空計上も同業他社の人件費と比べて割高になっているのは容易に調べられます。不審な点があれば、税務署は従業員の源泉徴収帳簿や採用時の履歴書、タイムカードなどの提出を要求し、矛盾点を指摘できます。

以上のような脱税行為を行うと罰金もありますし、手口が悪質と判断された場合は重加算税として一番重い罰金を支払うことになります。通常払うべき税金の約1.5倍もの金額を支払うケースもあるので、くれぐれも脱税行為は行わないようにしましょう。

また、利益が出過ぎたからと言って、経費扱いにして物品を購入し過ぎるのも注意が必要です。例えば、1000万円が法人の利益として残ると、税金として300万円支払うことになります。

「1000万円が700万円になるならば、とりあえずパソコンやソフトウェアを買って法人の利益を減らしてしまおう…」と、利益を100万円まで減らしたとします。その時の法人税は30万円で済むわけです。

一見すると、支払う法人税がだいぶ安くなったと感じますが、会社の資産は70万円しか残りません。

無駄な経費を発生させない場合は、法人税の額は高額ですが会社に700万円残ります。その後の経営を考えると、キャッシュが多い方が有利になりますので、経費を多くする節税方法は賢いとは言い切れないでしょう。

このように節税対策には、会社の経営に「効果的なもの」「効果的でないもの」があるので、一概に法人税を減らす方法をとることは危険です。

その年度だけの法人税を減らす、というよりも、将来的な負担が減る節税対策を心掛けましょう。

では、どのような節税対策が経営上にも効果的なのか、紹介をしていきます。


代表的な法人の節税対策10選

電卓
法人が行える節税対策にはどのようものがあるのか、今回は厳選して10個紹介していきます。

✓法人の節税対策10選
  1. 役員報酬を利用する節税対策
  2. 決算賞与を利用する節税対策
  3. 設備へ投資する節税対策
  4. 人材へ投資する節税対策
  5. 中古車の減価償却を利用する節税対策
  6. 出張手当を活用する節税対策
  7. 社長(または家族)所有の不動産を法人に貸付する節税対策
  8. 別会社を設立する節税対策
  9. 共済に加入する節税対策
  10. 法人向けの生命保険に加入する節税対策



1.役員報酬を利用する節税対策

まず紹介するのは、役員報酬を利用した節税方法です。役員報酬とは、簡単に言うと「社長が受け取る報酬」のことを意味します。

役員報酬は税務上で損金として算入できるので、会社の所得を減らすことができます。そのため、節税効果が得られるのです。

ちなみに、損金とは税務上の用語ですが、会計上で考えれば費用や経費となります。つまり、役員報酬の大きさを経営者自身が決めることで、その分の金額の節税ができると言うことです。この方法は、中小企業の節税対策では初歩的なものになります。

ただし、損金として算入するには「定額同額給与」と言って、毎月同額の応酬を支給する必要があります。決算間際に利益がかなり出たからと言って、その時期だけ役員報酬を多くしても節税効果は得られません。


2.決算賞与を利用する節税対策

この節税方法は、従業員のモチベーション向上にもつながり、さらに節税効果もある一石二鳥の方法です。

従業員への臨時のボーナスとして決算賞与を活用します。

注意点をあげるとすれば、決算賞与を節税の方法として利用するには次の3つを満たしていなければなりません。

ポイント
  • 事業年度度終了までに従業員全員に賞与額を伝える
  • 翌事業年度の最初の1ヶ月以内に支給する
  • 決算賞与の額を未払金として経費に計上している


  • 特に重要なのは、2つ目の「翌事業年度の最初の1ヶ月以内に支給する」です。

    仮に1ヶ月以内に決算賞与の支払いをしていない場合、決算賞与として設定した金額は経費として認められなくなるのでご注意ください。

    最後に、決算賞与を支払えば当然、法人のキャッシュは少なくなります。決算賞与を支払った後の会計バランスにも気をつけましょう。


    3.設備へ投資する節税対策

    年度内で法人に過剰な利益が発生したら、今後の企業発展のために設備投資を行うのも節税方法の1つです。

    期限などの規定はありますが、設備投資にかけた設備費の一部は法人税から控除されます。

    法人での設備投資としてみなされる条件として、次のような3つが挙げられます。


    ‣ 「最新モデル」であると証明を受けた機械装置1台160万円以上のもの

    ‣ 工業設備品は1台120万円以上または30万円以上のもの、合計が年間120万円以上

    ‣ 建物や構築物も対象になり、120万円以上または60万円以上のものの、合計が年間120万円以上



    これらの場合は、控除税額が取得額の4%、建物や構築物であるならば2%となります。

    ほぼ全ての業種が対象となるのは、機械などの取得です。具体的に言うと「新品で」、機械装置1台「160万円以上」のものなどです。この場合の控除税額は取得価額の7%となっています。

    他にも、製造業や建設業以外の業種が対象となっている経営改善設備の取得も、控除税額が7%になっています。(新品で認定経営革新等支援期間からの指導や助言を受けて取得したもの)


    4.人材へ投資する節税対策

    設備投資とともに考えたいのが、人材への投資です。普段から会社のために働いている従業員の給与を上げることや、社員数を増やすことは結果的に節税の効果をもたらします。

    また、従業員の給与をアップさせた場合、「所得拡大促進税」が適用され、引き上げた金額の10%が法人税から減額されます。

    従業員数の場合も一定数まで増やした場合には、「雇用促進税制度」の適用で増えた人員数に40万円を掛けた金額を法人税から減らすことが可能です。

    それから福利厚生の一環で社宅を用意する、もしくは社長宅を社宅扱いにするのも節税の効果があります。

    もし、賃貸物件に住んでいるのであれば、社長個人名義で物件の契約をするのではなく、法人名義で契約をするだけです。

    契約の名義を法人にするだけで、家賃の50%から70%経費にできます。20万円の家賃であれば半額の10万円以下になるのですから、かなりお得に住める計算です。

    (床面積が木造で132㎡、木造以外で99㎡を超える場合は別の計算)


    他にも福利厚生で言えば、社員旅行の費用を経費にする方法もあります。ただし、あまりにも豪華な社員旅行にしてしまうと税務署が経費として認めない可能性があります。

    経費として認められるには、日程は4泊5日以内、従業員の50%以上が参加する必要があることも覚えておきましょう。社員旅行は従業員のリフレッシュやモチベーションの向上に繋がります。


    5.中古車の減価償却を利用する節税対策

    会社で使う社用車は経費として落とすことができますが、減価償却と言って特別な計上をしていきます。自動車は固定資産となるので「これぐらいの年数は使えるだろう」と国が定めた耐用年数の期間で経費となっていきます。

    新車の普通車ならば6年の耐用年数となり、購入した際の支払い総額が6年分の分割で経費になるので、節税という観点ではさほど効果は見込めません。ところが、4年落ちの自動車であれば1年で全額が経費となります。

    よって、新たに社用車を購入する場合や社用車の買い替えを検討する場合、4年落ちの中古車を購入した方が節税の効果が期待できます。

    注意点とすれば、事業年度の途中で購入すると、購入した日から事業年度の終わりまでの期間しか経費になりません。今期の利益の見込みがある場合なら、すぐに4年落ちの中古車を購入するのが得策です。


    6.出張手当を活用する節税対策

    営業会社など遠方への出張が多い会社であれば、「出張日当」経費として支給できます。そして、この「出張日当」は損金として算入することができるので、節税効果を得ることができます。

    ただし、法人で旅費規程を作っておかないと適用できないので、役員や従業員が出張に行った際には事前に日当を支給する規定を盛り込んで作成しておきましょう。

    出張手当は、多くの人が「経費として扱えるもの」だとイメージできると思いますが、他にも大きなメリットがあります。

    例えば、役員が出張手当を貰うとなると、手当自体はポケットマネーとなって個人の所得扱いになりません。分かりやすく言えば、会社から貰ったお金に税金が掛からないのです。さらに手当は消費税の課税対象となるので、会社が負担する消費税が低くなります。

    高額な出張日当の支給は、税務署から経費として認められない可能性が出てきますが、1日に2万円程度であれば問題なく支給することが可能です。


    7.社長(または家族)所有の不動産を法人に貸付する節税対策

    少し特殊かもしれませんが、役員(社長)やその家族が所有している不動産を法人が使用し、賃借料を法人から社長などの個人に支払う形にすると経費にすることが可能です。

    また、法人から賃貸料を受け取った個人は不動産所得の扱いとなるので、こちらも経費扱いにできます。



    (固定資産税や損害保険料などへの充当)よって、この節税方法のメリットは不動産を貸す方も借りる方も節税につながることです。


    8.別会社を設立する節税対策

    収益を上げている会社が、子会社を設立して節税対策を行うというのは、聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

    以前のように、法人設立に必要な資本金の最低額は無くなりましたので、会社を作るハードルは下がりました。

    また、法人が別会社を設立することで数多くの節税効果があります。

    簡単に例を挙げると、資本金1億円以下の法人ならば、年間800万円以内の所得については法人税や事業税が軽減されます。

    さらに、資本金1億円以下の法人は交際費が年間800万円までであれば全額経費にすることもできます。

    この他にも様々なメリットがあり、経営の意味合いからも法人が別会社を持つことはリスク管理の一つにもなります。

    ただし、合理的に考えて別会社の設立が必要でないと判断された場合や、親会社の関わり方が常識的でないと判断された場合などには、税務署から否認を受ける可能性があることにも注意しましょう。


    9.共済に加入する節税対策

    共済は、主に「中小企業退職金共済」「小規模企業共済」「経営セーフティ共済」3つが挙げられます。

    どれも法人よりも小規模企業の個人事業主向けに設定されたもので、経営者あるいは従業員の退職金準備や会社の事業資金として活用されています。

    また、共済へ支払う掛け金は課税対象から控除できるので、節税効果にも期待ができます。

    共済への加入は、節税対策以外に会社を守るための取り組みにもなるので、経営者であれば一度は共済への加入を検討しておくべきでしょう。

    関連:「小規模共済の特徴とは?メリットとデメリットを徹底解説!」



    10.法人向けの生命保険に加入する節税対策

    最後に紹介するのは、法人向けの生命保険への加入です。

    法人保険の保険料は、全額または一部を損金として算入することが可能なので、会社の所得を抑えて法人税の支払いを減らすことができます。

    その上、法人保険のメリットはこれだけではありません。

    保険に加入すれば、当然手に入るものは保障です。法人保険は法人のための保険なので、その保障も個人とは違い、法人に合わせたものになります。

    長期平準保険や養老保険、がん保険といった法人保険に加入した場合、従業員や経営者の死亡保障や病気に対する手厚い保障を保険期間内に受けることができます。

    また、個人向けの保険とは違い、法人保険の保険金は非常に高額なので、経営者に万が一のことがあった際にも手厚いサポートを受けられます。

    他の節税方法とは違い、保険の解約時には返戻金が支払われるのも法人保険の魅力の1つです。 それまで支払った保険料のほぼ総額を返戻金として受け取ることができるので、将来的に多額の資産を受け取ることができます。

    その収入を元に、大きな設備投資を行えば、より企業の業績を伸ばすことにも繋がるでしょう。

    しかし、法人保険解約時に受け取る返戻金は、法人税の掛かる対象となってしまいます。

    しっかりと加入する法人保険のタイプを考えたり、出口戦略を練らなければ、法人保険を効果的に運用することは難しいです。法人保険への加入を考える際には、まず保険代理店などで無料相談を受けることをおすすめします。

    以下の関連リンクでは、法人向けの生命保険に関する節税効果についてより詳しく解説をしていますので、こちらも参考にご覧ください。

    関連:「生命保険控除額と節税効果を経営者・個人事業主・サラリーマン別に解説」



    まとめ

    人
    ここまで節税対策を10個紹介しましたが、まだ行ったことのない節税対策はあったでしょうか。

    また、こちらで紹介した節税対策では、特に「法人保険の活用」は、節税以外に得られる保障の効果が大きく、おすすめの節税方法だと言えます。

    しかし、こちらの内容を読んだだけでは、法人税の節税が確実に行えるか不安な部分もあるかと思います。節税対策の実際の効果についてや、詳しい法人税の算出、予想金額については税理士に相談をしましょう。

    法人保険を利用した節税をお考えの場合は、まずは法人保険のプロに無料相談することがおすすめです。

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