損害保険
取引信用保険で支払い遅延や不履行に備える!仕組みやメリットを解説

取引企業に対する債権回収リスクに備える取引信用保険とは

信用取引とは

会社を経営する上で、資金繰りには神経を使うものです。

十分な資金がある会社ならば問題ないのですが、取引先からの入金が遅れたり、取引先が倒産でもしようものなら大変な負担がのしかかってくるはずです。

取引の大半が売掛金の会社であれば、売掛金を回収できず自分の会社が倒産してしまう、なんて事態に遭遇することもあり得るでしょう。

そんな黒字倒産のリスクに備えるには、「取引信用保険」がおすすめ。取引先との与信管理に使える法人保険です。今回は、取引信用保険の特徴や代表的な保険商品を具体的に紹介していきます。

なお、すぐに面談や契約手続きに進みたい方は、保険代理店の利用がおすすめです。下記リンクから、当サイトと提携している保険総合代理店「R&C株式会社」に問い合わせられるので、ぜひご活用ください。

\取引信用保険にも対応!/

法人保険の無料相談はこちら

取引信用保険とは?

取引信用保険とは、取引先企業の倒産による債権の回収が不能になることで発生する連鎖的な倒産を防ぐための損害保険です。

それぞれの会社は、資金繰りとして取引先からの入金を元に支払先に出金することが多いです。

つまり、取引先からの入金がないと、支払いもできなくなってしまいます。そうすると、1つの会社が倒産したことによって連鎖的にお金の流れが止まり、次々に会社が倒産してしまうことがあるのです。

このような状況を回避するためには、自社内に余分に現金をストックしておく必要があります。しかし、中小零細企業の場合はそこまでの余力がないことが多いでしょう。

このようなリスクを防ぐために、取引信用保険に加入をしておくと安心です。では、取引信用保険の仕組みやメリットについて、より詳しく見ていきましょう。

取引信用保険の仕組みとメリット

取引信用保険は、自社と被保険者として加入し、取引先の支払い遅延・不履行による損害が発生した際に、受ける損害のうち一定額の範囲で補償がおりる保険です。

取引先の企業を1つ1つ指定するのではなく、「社内のこの事業部が取引している取引先」「この商品に関して取引している取引先」「この地域にある取引先」といった包括的な形で保険の対象を決めることがほとんどです。

取引信用保険で補償がおりる場合

  • 取引先が破産手続きや再生手続き、会社更生手続きを開始した場合や、その他の財務的理由による支払遅延によって損害を受けた場合
  • 手形交換所の取引停止処分を受け、支払遅延や債権回収が困難になった場合
  • 債務者が、債務の弁済期日から一定期間を経過しても債務を履行せず、引き受け保険会社が債務者の支払能力がないと判断した場合

補償額の設定

  • 引受保険会社が、取引先の企業について財務状況などの審査を行って「保険価額」(補償額)を設定する。

契約形態

「認定限度額方式」
取引信用保険の対象となる取引先が多い場合に、小口取引先への保険価額設定を省略して包括的に保険契約をする形態。
「買主特定方式」
一定の範囲(売上高が多い10社のみなど)における取引先のみを保険の対象として、包括的に保険契約をする契約形態です。取引先ごとに保険価額を設定する。

契約の対象外

  • 国、地方公共団体との取引
  • 被保険者となる企業の関連会社、子会社との取引
  • 海外との取引 (輸出)
  • 委託販売、割賦販売などの特殊な取引 など

取引信用保険に加入するメリットとしては、自社でしっかり与信リスクを管理できる点が大きいです。

取引先には取引信用保険の加入の事実も分からないため、取引先に不快感を与えることもありません。

また、取引信用保険に加入していることで金融機関に対する信用力が上がり、融資を受けやすくなるというメリットもあります。保険料を損金に参入することが可能なので、法人税の面でも助かる面があるでしょう。

ただし、取引信用保険加入にあたっては審査が必要になりますし、当然保険料も必要となります。

会社の規模が大きい場合や取引先の信用度が低い場合などは、保険料が高額となるケースもある点に注意しましょう。

また、途中で解約した場合には解約返戻金が無い場合が多いです。こちらについては、契約する保険会社に確認しましょう。

取引信用保険以外の与信管理

ここまで説明してきたような取引先に対する売掛金などの債権の回収や補填を対象とした仕組みを「与信管理」と言いますが、与信管理は取引信用保険以外にもいくつか手段があります。

今回は代表的な与信管理として、中小企業倒産防止共済ファクタリングについて解説します。

中小企業倒産防止共済とは

中小企業倒産防止共済とは別名「経営セーフティ共済」ともいい、独立行政法人中小企業基盤整備機構が引受元となる共済です。

中小企業倒産防止共済のポイントとしては、無担保、無保証人で掛け金の10倍(最大8,000万円)まで借り入れが可能という点です。取引先が倒産した場合など、売掛金の回収が困難となった時にすぐに借り入れができます。

また、月額の掛け金は5,000円から20万円まで自由に増額、減額ができる上に、掛け金は損金に算入できるというメリットもあります。

さらに、掛け捨てではなく、解約をした際には加入月数に応じて解約手当金も支払われます。12か月以内の解約は解約手当金がありませんが、40か月以上加入していれば掛け金の満額が解約手当金として返ってきます。

取引信用保険と中小企業倒産防止共済の違い

中小企業倒産防止共済と取引信用保険の最も大きな違いは、受け取れる現金を返済する必要があるかどうかです。

取引信用保険の場合は、保険金として受け取った現金は保険会社に返済する必要はありません。しかし、中小企業倒産防止共済よりも保険料が高くなることが多く、金銭的な負担はある程度発生します。

一方の中小企業倒産防止共済は、受け取れる現金は借入金という扱いのため、いずれ返済する必要があります。ただし、無利息で借り入れることができるため、その他の借り入れに比べるとメリットがあります。

また、取引信用保険と比べて安価な掛け金を設定できる点が魅力です。とにかく最低限のコストで与信リスクに備えたいという会社には、中小企業倒産防止共済の方が向いているケースがあります。

ファクタリングとは

取引信用保険とよく似たものに、ファクタリング(保証型)というものがあります。

ファクタリングとは、入金待ちの請求書(売掛債権)をファクタリング会社に保証してもらい、取引先が債権不履行となった場合に保証金を支払ってもらえるものです。

取引信用保険とファクタリングの違いは、補償対象の範囲や補填割合などが挙げられます。

対象の取引先 損害額の補填割合
アクタリング 個々の取引先を設定できる 損害額の100%を補填されることが多い
取引信用保険 個々の取引先を設定できない 査定に応じて保険価額が決められる(損害額の80%ほどのケースが多い)

補償対象の範囲については、取引信用保険の場合は取引先を任意に設定することができませんが、ファクタリングの場合は取引先の中から任意に選択することができます。つまり、売掛金の回収が不安な取引先のみを対象とすることができるのです。

しかし、デメリットとして、ファクタリングは取引先を任意に設定できる代わりに掛け金が割高になります。ファクタリングで多数の取引先を個々に設定すると掛け金が高額になってしまい、結果的に取引信用保険の方が安く済む可能性もあるので、注意しましょう。

もう1つの違いに、損害額の補填割合があります。取引信用保険の場合は損害額の補填割合は取引先の査定結果に応じて決定されます。

大抵の場合、80%から90%程度が補填割合となることが多いですが、取引先の財務状況によっては補填割合が低くなってしまうこともあります。

一方、ファクタリングの場合は補填割合が100%となることがほとんど。そのため、万が一の際に戻ってくる金額をしっかり確保したい場合には、ファクタリングが向いています。

ただし、「どんな場合に補填されるか」という点はファクタリング会社の判断によることが多く、場合によっては補償額がおりないことも

ファクタリング会社と契約する前に、補填される際の条件について入念に確認しましょう。

買取ファクタリングとは

ファクタリングの中には、「買取ファクタリング」というものもあります。保証型とは異なり、入金待ちの請求書(売掛債権)をファクタリング会社に買い取ってもらうもので、債権譲渡の手続きを行うことになります。

受け取る金額は手数料を差し引いた金額となるため、売掛債権の全額が支払われるわけではありません。

取引先との間にファクタリング会社が入り、売掛金は常にファクタリング会社が行うというものです。クレジットカードと仕組みが似ていますね。

保証型のファクタリングは債権が回収できなくなった際に金額が支払われますが、買取型の場合には債権譲渡をした時点で現金が支払われるため、早く安心を手に入れられる点がポイントです。

デメリットとしては、取引先との契約書で債権譲渡が禁止されている場合には、買取ファクタリングの利用ができない点

また、ファクタリング会社によっては、債務者(取引先)への通知と債務者の承認が必要になることがあるため、もし取引先から承認を得られない場合には利用できません。

このように、取引信用保険以外にも与信リスクに備える手段がありますが、それぞれメリットとデメリットがあります。自社にあった手段で備えるようにしましょう。

\取引信用保険にも対応!/

法人保険の無料相談はこちら

代表的3社の商品比較

ここからは、取引信用保険の具体的な商品を比較して紹介していきます。

損害保険会社として代表的な三井住友海上、東京海上日動、損保ジャパンの保険商品を見ていきましょう。

三井住友海上の取引信用保険

三井住友海上の取引信用保険は、中小企業向けとして人気を集めている保険商品です。

取引先の債務不履行によって損害を受けた場合、「損害をうけた金額×縮小支払割合90%」もしくは事前に設定されている支払限度額の範囲で保険金が支払われます。

支払限度額や縮小支払割合は取引先の審査等によって異なるため、契約条件を細かく確認しましょう。

加入は、保険代理店を通して加入する方法と、日本商工会議所を介して加入する方法があります。

東京海上日動の国内取引信用保険

東京海上日動の取引信用保険は、日本商工会議所や全国中小企業団体中央会を介して加入することができます。

支払われる保険金は、「(未回収債権額 – 回収金)×縮小支払割合95%」、もしくは事前に設定していた支払限度額のどちらか低い方となります。縮小支払割合が高いため、万が一の際により多い現金が戻ってくる可能性があります。

海外との取引に関しては補償の対象外となっていますが、「輸出取引信用保険」で輸出に関する債権回収不能にも対応しています。

損保ジャパンの取引信用保険

損保ジャパンの取引信用保険も、代理店から加入する方法と、日本商工会議所や全国中小企業団体中央会を介して加入する方法があります。

保険金の支払いは損害額×縮小支払割合95%、もしくは事前に設定している支払限度額のどちらか低い方となっており、こちらも高い設定割合です。

取引信用保険に加入できない業種として、農林漁業、鉱業、出版業、小売業、金融業、リース業、不動産業、広告業、サービス業、公務業、建材業、パチンコ関連などが挙げられるため、注意が必要です。

まとめ:黒字倒産を避け、会社の信用度も上がる

今回は取引信用保険について解説してきましたが、ご理解いただけたでしょうか。

会社にとって資金繰りは非常に大切な要素です。会社の業績が良く売り上げが上がり、決算上の利益も上がっていても、売掛金が回収できなければ会社は立ち行かなくなります。黒字倒産にもなりかねません

そういった場合に備えて取引信用保険に加入していれば、取引先の倒産というリスクを抑えることができ、会社の信用も上がります。

特に中小企業など、売掛金の割合が大きく社内の現金が少ない会社にとっては、取引信用保険は大きな助けとなる保険です。万が一のことが起きる前に、一度加入を検討してみてください。

当サイトでは、法人向けの損害保険を取り扱う保険代理店と提携して、法人保険商品のご案内をしています。取引信用保険について、興味のある保険会社のパンフレットのご案内から、複数社の中から最適な保険商品のご提案まで、無料で対応しています

どの保険会社を選べばよいのか、自社にはどの保険商品があっているのか、時間をかけずに知りたいという方はぜひお気軽にご相談ください。

\取引信用保険にも対応!/

法人保険の無料相談はこちら

最適な法人保険を無料でご提案。
保険のプロの無料相談をご活用下さい。

当サイトでは、法人保険を扱う保険代理店と提携し、お忙しい経営者の方に向けて、法人保険の資料送付や、財務状況に合った最適な保険商品のご提案を無料で行っております。

  • 法人向けの損害保険に加入したい
  • 決算対策として最適な法人保険を検討したい
  • 経営リスク・事業継承に備えたい
  • 退職金を準備したい

忙しくて自分で法人保険をチェックする暇がない、どんな保険があるのか調べるのが面倒。そういった経営者の方に向け、法人保険や税の専門知識をもつ保険のプロが、本当に最適な保険を選ぶための力になります。

経営者の皆様の目的に合わせて、ニーズにあった最適な選択肢をご提案いたします。お問い合わせは無料ですので、ぜひご活用ください。

WEB問い合わせ(無料)

※無料相談サービスは、法人保険を取り扱う保険代理店と提携して運営しております。

無料相談サービス 利用規約

当サイトの記事は生命保険・損害保険に関する情報提供を目的としており、保険契約の勧誘を行うために作成したものではございません。実際に各種保険にご加入されるにあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご自身でご確認ください。また法人向け定期保険等は、被保険者に万が一のことがあった場合に、保険金を事業保障資金等の財源としてご活用いただくための「死亡保障」等を念頭に置いた保険商品であるため、当サイトでは「払込保険料の損金算入による法人税額等の圧縮」および「短期間での中途解約」のみを目的とする加入等、保険本来の趣旨を逸脱するような加入を推奨しておりません。当サイトで紹介している情報は、私たちが信頼できると判断した情報を基にしておりますが、その情報が確実であることを保証するものではございません。また掲載されている情報は2018年12月以前の情報を基にしているため、現在の事実と相違している可能性がございます。当サイトの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご理解をお願い致します。また当サイトで記載している内容につきましては、予告なしに変更する場合がございます。

フッターバナー